高校生の一大イベントの一つ。それは修学旅行である。
そういう訳で新羅はややテンション高めに沖縄の国際通りにいた。
「かわいいなぁ。新羅もそう思うだろ??あ、やっぱなし。新羅がシズちゃんのかわいさに気付くとかなんか腹立つ。」
「臨也、ちょっとハブに噛まれてきてくれない??」
臨也は修学旅行云々ではなく静雄の私服姿に興奮していた。
二泊三日の旅行では基本制服で行動するが、二日目の班別自由行動のときだけ私服が許されている。
気合いを入れる者、面倒臭がる者と反応も様々だ。
静雄は後者だと臨也は思っていたが、そんなことはなかった。それどころかアクセサリーまで付ける気合いのいれようだ。
「シズちゃんがアクセ付けるとか意外だなぁ。もしかして俺に見られるから気合い入れて…」
「コーディネートは幽君らしいよ。」
「……あぁそう。」
いい加減欝陶しくなってきたので、臨也のテンションが下がるであろう事実を告げる。
結果は新羅の思った通りで、途端に臨也の口数が減った。
弟のコーディネートとかない、だのでもかわいい、だのぶつぶつ呟いていて不審者以外の何者でもない。
自分まで同類扱いされたくないので、新羅はさっさとその場から離れた。後ろから「ていうかなんで新羅そんなこと…あれ!!?」と叫ぶのが聞こえたが無視である。臨也が叫んだせいで一層注目の的になっている場所には戻りたくない。
「静雄。何、おみやげ見てるんだ?」
「ん?おう。」
ご当地お菓子売場で難しい顔をしている静雄に話しかけると、視線はそのままで返事をされた。
どうやら紅いものお菓子の種類の多さに迷っているようだ。
うんうん唸りながら、アクセサリーを指で弄っている。
普段しないから違和感があるのだろうか。
「かっこいいね。そのアクセサリー。」
「んぁ?あぁ、これも幽のなんだよ。」
アクセサリーを指で少し持ち上げている顔は少し欝陶しそうだ。
やはり慣れないから不快なのだろう。
「でも臨也がうるさいくらい可愛いって言ってたよ。よかったね。」
にこりと告げると、今まで土産ばかり見ていた静雄が勢いよく新羅を見た。
顔の赤さに思わず吹き出してしまう。が、静雄の周りの空気が不穏なものになったので、咳ばらいをしてごまかした。
「でも幽君がコーディネートしたのは不満みたいだったね。」
「おまっ…!そういうこと言うなよ!!」
「あ、ごめん!うざかったからつい…。」
自身の考えなしの行動を少し反省する。
頑張った結果、全部弟のコーディネートに落ち着いたなんて好きな人には知られたくない事実だろう。
しかしさっきまで新羅が置かれていた状況を説明すれば、静雄もわかってくれるはずだ。
「ちょっと新羅、置いてくなよ!!恥ずかしかったじゃないか!!」
「あぁごめん。君に羞恥心があったなんて知らなかったよ。」
しかしこのままだと臨也が服のことで静雄をからかって二人が喧嘩を始める確率が高い。
そうなる前に、臨也に真実を教えて喧嘩を未然に防ごう。とひそかに計画を練りながら新羅は土産屋を後にした。
後ろから何か言い合う声がするから、なるべく早めがいいだろう。
101102
くらげ様リクエスト
「修学旅行でイザシズ」でした!
遅くなってしまいまして本当に申し訳ありません…!!!
その上シズちゃんが乙女ですみませんすごく楽しかったです(^q^)
くらげ様、こんな物でよければもらってやってください!!
リクエスト本当にありがとうございました。
これからもイザシズで妄想していきたいと思いますので、よろしくお願いします!
ありがとうございました!!