2nd stage




「ということで、丹羽大助君です。皆さん、仲良くしましょうね」

担任教師の言葉に、生徒達はざわついた。
大助は少々不安になる。

(僕、そんなに怪しく見えるかな……?)

『お前、年齢をサバよんでるって思われてるんじゃないのか?』

ダークは笑いながら、大助に言った。
大助はそんなダークに反論する。

(年齢詐称なんてしてないっ)

大助とダークが口喧嘩をしている間に、大助の席が決まった。

「それじゃあ丹羽君は、窓側の列の一番後ろの席ね」
「はい」

大助が席に着こうと歩いた瞬間――。

「うわぁっ!?」

足が縺れて思わず転びそうになったので、大助は体勢を整え、綺麗に着地した。
その後起こったのは、歓声と拍手。
そして聞こえてきたのは「丹羽って運動神経いいんだな」「顔が女の子みたいだったから意外だね」等々。
大助は青ざめた。

(初日からばれそう……)

『ドジだろ、大助……』

ダークの言葉が、大助の心に虚しく響いた。




その日はなんとか目的がばれずにすんだ。
大助はトボトボと帰路に着いた。

(やっぱり一週間不安だよ……)

『俺が変わってやろうか? 俺なら上手くやれるぜ』

(ダークだともっと不安だよ……)

『なんだと大助!!』

大助とダークが口喧嘩をしていると、背後から声をかけられた。

「そこのキミ!」
「えっ、僕ですか?」

声をかけてきた少年は、そうそうと首を縦に振った。

「キミ、もしかして、噂の転校生?」
「……確かに僕は転校生ですけど」
『おぉ、早速噂になってるな』

クスクスと笑いながら言うダークに、大助は言い返す。

(ダークっ、笑い事じゃないよっ)

少年は、大助に手を差し伸べながら、自己紹介を始めた。

「オレは深川りく。中学三年生。Asuka学園中等部の寮長だ。よろしく」

ニコッと笑ったりくの手を握り、大助も自己紹介をした。

「丹羽大助です。よろしくお願いします」
「分からない事があったら、何でも訊いて。よし、それじゃあ早速、寮に行こうか。案内するよ」

りくの言葉に、大助は頷いた。
そして、りくの背中を見ながら考えた。

(深川先輩って良い人だなぁ。それに……)

『それに、何だよ大助』

(なんでもない)

大好きな彼女と同じ名前だから、という考えを、大助は心の中にそっと閉まった。




to be continued...

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