「さっむーい! 寒いよ憐ちゃん」

「叫ばなくても分かってる」

「冷たッ!? 押領寺さま、憐ちゃんが気温より冷たいです!」

「うっそ!? マジで? 憐、大丈夫か!?」

「押領寺、それは例えだから御手洗は大丈夫だよ」

「……お前らうるさい」

「きゃー! 憐ちゃん、あたし何かした? 昨日はあんなに仲良く話してたのにっ」

「昨日も一緒だったと思うけど」

「次郎くんは黙ってて!」

「はいはい」

「ねぇ、俺は?」

「押領寺さまもなるべく静かにお願いします」

「はーい」

「で、憐ちゃんはさっきから何をやってるの?」

「…………」

「れ、憐ちゃん? とうとう無視!? あたしショックだよ……」

「……ん、やる」

「ほぇ? ゆ、雪だるま……」

「即興で作ったから目とかないけど、これで我慢しろ」

「憐ちゃん……! たとえ腕しかない雪だるまでも憐ちゃんが作ったことに意義があるの。だから我慢なんてしなくてもあたしには満足だよ」

「じゃあさっさと行くぞ」

「え、ちょっと待ってよ!」

「ねぇ、俺らいつまで静かにしてればいいの?」

「押領寺、二人の邪魔しちゃダメだよ」

「えー」

「御手洗はともかく、梶原は湯瀬並みに嫉妬深いんだから」

「湯瀬並み……(般若!?)」

「俺らは距離を取りつつ学校に行こう」

「うんっ! 湯瀬に殺られるのはイヤだ」

「(湯瀬は怒らないと思うけど……)」

「押領寺ー。早く来い」

「は!? 早速火の粉がっ」

「頑張れ押領寺……」

「え、ジロちゃん護ってよぉ」

「湯瀬レベルMAXの梶原には勝てないよ」

「えぇ!? うわ、来た! ちょ、落ち着いて! 話せば解るよっ」

「おーりょーじーさーまー……」

「ギャー!!」




雪だるまアタック
(愛のパワーは最強です)





初『スウィートガール』の御手洗夢でした!憐って書くと誰か解りませんね(←)ヒロインは御手洗や山田と同じく先祖が押領寺の家来の設定です。

top
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -