「うわー! 楓、見て見て!」

「んあ? ……ああ雪、降ってるな」

「初雪だよ! あたし、初めて雪見た」

「は? 遥、雪見たことねぇの?」

「ないよ。だって今まで外に出たことないもん」

「外に出なくても窓からみれるじゃねぇか」

「……ヒドい。楓が意地悪する」

「ちょ、おい!」

「うぇ……ひっく」

「(ヤバい。遥が泣くと後々面倒だ)」

「かーでのいじわるぅ」

「悪かった。オレが悪かったから泣き止んでくれ」

「!? ……楓、指冷たい」

「それが涙を拭ってやった男に対する台詞かよ」

「ううん、文句じゃなくて……楓ってあったかいイメージがあるから意外だっただけ」

「オレってそんなイメージがあるのか?」

「うん。髪だって赤いし、アニスが楓は“赤薔薇”なんだよって言ってた」

「(あのやろ、妙なこと言いやがって……!)」

「あたしは“赤薔薇”の意味はよく解んないけど、楓って赤い薔薇が似合うよね」

「赤い薔薇が似合う? えー……生徒会長の方が似合いそうだけど?」

「アハハッ。確かに天上会長はお似合いだね!」

「だろ?」

「でも楓も似合うよ。ビジュアル的にじゃなくて、なんて言うんだろ……情熱っぽいところとか?」

「オレは熱血バカとでも言いたいのか?」

「そうじゃなくて! あーもう。とにかく、今は雪を見よう!」

「(話を無理矢理終わらせやがった……)」

「……あたしね」

「うん?」

「初雪を一緒に見たのが楓でよかった。凄く嬉しい」

「ッ!? その笑顔は反則だろ……」

「え、何か言った?」

「何も言ってねーよ。……積もったら外に出てみるか」

「うん!」




初雪はキミと一緒に
(二人で見れば寒くないよね)





初『薔薇嬢のキス』の楓夢でした!ヒロイン設定が曖昧なんですが、病弱で高校生になるまで学校に通っていなかった感じです(←

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