「ユーリ、海に行きたい!」

「勘弁してよ…。俺はヴォルフラムに追いかけられて疲れてるのに」

「もう、だらしないなぁ。ユーリはまだ十六でしょ? 若者じゃん!!」

「…遥って何歳だっけ?」

「ん? 私は七十五歳だよ」

「あー…ソウデスカ」

「アハハ、ユーリってば異世界人みたい!」

「いや、異世界人だから! れっきとした地球人だから!」

「地球ってどこ〜?」

「はぁ…。もういいから、海に行こう」

「わーい! ユーリありがとうっ」




****




「──って海に来たのはいいけどさ、一体何する気? 普通に普段着のままだけど」

「え、海といったら潮干狩りでしょ!?」

「普通は海水浴だよ、絶対。しかも潮干狩りは春だし」

「とにかく、潮干狩りしよーよ!!」

「はいはい。潮干狩りね」

「じゃあユーリはこのバケツをいっぱいにしてね」

「はぁ!? このバケツデカすぎっ」

「私はこっちのバケツ〜」

「うわっ、もっとデカい!?」
「どっちが早くバケツいっぱいにするか、競争ね!」

「いや、さすがにそれは俺も気が引ける……って早ッ!?」

「とりゃー!!」

「ちょ、タイム!!」

「はい、終わり〜。ユーリはどれくらい取れた?」

「ぜ、全然……」

「もう、ノロいんだから。じゃあ私の勝ちだね!」

「完敗です……」

「ふふふ、じゃあバケツはユーリが運んでね。罰ゲームだよ」

「え、両方!? かなり重いんですけど!」

「負けたのはユーリだよね?」

「(その笑みが恐ろしい…)はい」

「じゃあよろしく! あ、ムラケン!! 血盟城までおぶってっ」

「村田にも魔の手が来たか…」

「ユーリ、何か言った?」

「何も言ってませーん!!」




真夏の遊び
(暑いようで寒いよ…)





腹黒いヒロインとイジられる陛下(笑)
因みにこの後、ムラケンにもイジられる陛下は哀れです…。

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