▼ 魔法が嫌いな魔法使いの話【ネタ】
夢主デフォルト名:ディア
※秘密の部屋より
「誰もおまえの意見なんか求めてない。生まれそこないの『穢れた血』め」
正直なところ、ディアにしてみれば何とも思わない言葉だった。マルフォイに言葉を投げられたハーマイオニーと同じくディアもマグル生まれ、尚且つ彼の発した言葉の意味を知っているけれど、ディアにしてみれば何の意味もない言葉。
それでもその言葉に、ぞわりと嫌な予感がした。
「マルフォイ、思い知れ!」
ロンが杖を取り出したのを見て、ディアは『嫌な予感』が当たったことを悟った。
そこからの行動はほぼ無意識で、ロンの杖の先端を握るように彼の前に飛び出した。
「……っ!!」
誰かが、息を呑んだ。ロンの杖を押さえたディアの左手が、血に濡れていたのだ。本来ロンの使った呪いは、相手にナメクジを吐かせる為のもの。それが杖を強引に押さえられたことがどう作用したのか、ディアの手に穴が空いたのだ。
「……だから魔法は嫌いなんだ」
ディアの名前を呼び、慌てて近付いてきたグリフィンドールの面々を視界におさめながら、ディアはぽつりと言った。
「『穢れた血』上等よ。私から言わせてもらえば、魔法族全員が『生まれそこない』なんだから」
その言葉に、ハリー、ロン、ハーマイオニー、そして双子を除いた全員が固まった。集まる視線をものともせず、ディアは続けた。
「純血? それに何の意味があるの? それ以前に魔法族がいる意味は? 魔法は容易く他人を傷付ける。正直、魔法族全員滅びれば良いと思うわ、勿論私もだけど」
あまりの極論に絶句している面々に向かって、ニッコリとそれはもう素晴らしい笑顔を向けるディア。そんな彼女を見た、硬直していない面々は苦笑するしかなかった。
魔法全否定されて流石のドラコも咄嗟に反応できなかったご様子。メイン三人組とフレジョは夢主の持論を知っていたため、苦笑でスルー。
2013/04/01 15:36prev|
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