【1059taisen】
Doggy☆Trap
)BonBon★Trapが下地になっているハロウィン話



―――Trick or Treat?

それは今日の為の呪文。
約束された甘い甘いお菓子よりも、約束された悪戯の為の呪文。


「…生憎だが、菓子の類は持ち合わせていないな」
「フフ、では仕方がない…悪戯に付き合ってもらおうか」

秋は深まり陽が落ちるのも早く、薄暗くなった校舎の廊下でその呪文を唱えたのは段蔵だった。
唐突に呼び止められ、呪文を唱えられた一益の思いは様々だが。
真っ先に感じられたのは―――段蔵はバレンタインに自分の方が出し抜いた一件を、決して忘れてはいなかったという事。
一ヶ月後のホワイトデーの際、一益は段蔵が何かを仕掛けてくるだろうと身構え過ごしたものの。
その時は拍子抜けする程に普通の、見合った菓子を返され。
以来、段蔵は一益に対しこれといって何かを仕掛けようという素振りのひとつも見せなくなり。
もう自分には興味を無くしたと。
何時しか一益は結論付け、構えが完全に解かれた頃合こそが…今。

(…ハロウィン、とはな…)

「悪戯」の理由を段蔵に堂々と渡す、この日を失念していたとは。
既に愉しげに輝く赤い眸が、真っ当な悪戯ではないと窺わせる。

「…何をされるんだ?」
「ククッ、そう急く事は無い…先ずはそうだな…ハロウィンらしく仮装でも見せてもらおう…」

言いながら。
段蔵が差し出し見せたモノに。
一益は段蔵が何をしたいのかを悟り、諦めた風の嘆息をついた。

―――…

ちゅ…ちゅぷっ…

「ん、ふ…ッ…」

校舎の中でも奥まった場所にある第二理科室の、更に奥。
主に薬品の保管庫として設計されたその狭い部屋は、今や段蔵の私室も兼ねている様な状態で。
何を調合していたのか、頭がぼうっとする匂いに満ちる中。
一益は、目の前に取り出された段蔵の自身に口で奉仕していた。
壁にもたれ立つ段蔵の前にしゃがんで亀頭や鈴口を重点に舐め、ちゅ、ちゅっと時に短い音を立てて竿や裏筋に口付けを落とす。
そんな一益の頭には。

「フフ…思った通りだな、貴様には犬が似合いだ…」
「…そうかよ…」

黒い犬耳のカチューシャ。
先刻、段蔵が差し出し見せたソレを頭に付けての口淫。
段蔵の口角が上がる様、ふさふさの良く出来た犬耳を付けて自分に奉仕する姿に満悦と見えるが。
一方の一益は不服を滲ませる。
滲ませる、ならば。
こんな事は断れば拒絶すれば良いのにと、そう思っているのに。
別の心が…それこそ、お預けから解放された犬の如く段蔵の自身を求めて先走りを舐め取ると。

…ブブブ……ヴヴヴヴヴヴッ!

「ふ…!ン、は、ああっ…!」
「尻尾は気に入ったか?クク…」

今の一益が身に付けているのは犬耳と、ボタンを総て開けたシャツに緩く絡んだままのネクタイ。
それに、尻に埋め込まれたアナルパールから伸びる犬耳と同じ色をした黒が基調の犬尻尾のみ。
アナルパールにはバイブ機能が仕込まれており、最も弱い強さ。
しかし絶え間無い振動で一益の内を嬲り続けていたモノが、急に振動を強められてびくびくと。
一益の身体が、自身が震え。
その反応を愉しんだ段蔵は白衣のポケットに入れているスイッチをカチリと鳴らし、再び弱めた。

「…気に入る訳がないだろ…」
「入れてやった時、美味そうに飲み込んでおいてか…フフフ…」
「っ…く…」

コレを入れられた時の事。
球状のひとつひとつを自分の後孔が受け入れた様を思い返し、羞恥から思わず尻を捩らせるも。
かえってナカのアナルパールの存在を一益は感じてしまう。

……じゅぽっ…!

「ン、ぐっ!?…ふっ…!」
「今は口を使うのに集中しろ…」

ぐぽっ…じゅぷっ、ぢゅぽッ!

「ふぅっ、んン…っ…んう…!」

尻に意識を向けた為、口での奉仕が少しばかり疎かに。
それを見過ごす段蔵ではなく。
犬耳を避けて一益の頭を押さえつけ、腰を揺らして無理矢理に口淫を引き出し腔内を蹂躙する。
じゅぽじゅぽと響く淫らな水音と、小さな一益の呻き。
奉仕を強要する段蔵の双眸が、愉悦と嗜虐に赤々と煌めけば。

じゅぶッ、ぢゅぷッ…じゅぷッ!
…ゴリュウ…ッ…ゴッ…!

「…ぐ、ぅ…うぐっ…!」

行為は激しさを増し。
亀頭が喉元を犯しても、押さえられた頭は動かせず使われ。
一際、奥に突き立てられると。

…びゅぶるっ!びゅびゅッ!
びゅるる…ッ…びゅく、びゅる…

「…!…ふ、うっ…んっ…」
「ククッ…」

腔内と喉の奥で段蔵の自身が熱く硬く変容する様を感じ。
びくんと大きく脈打ち跳ねたと思う時には、精を吐き出されて。
頭はまだ押さえられており、一益が逃れる術は無く。
無遠慮に注がれる多量の濃い白濁を、喉を鳴らし飲み込んだ。

ゴクッ…ゴキュ…ッ…
…ず、るるっ…ちゅぽ…っ…

「はっ…はあっ、は…ぐっ…!?」

腔内の精を飲み込み段蔵の自身から口を離し頭を下げ、酸素を求める一益は荒い息を繰り返して身体を落ち着けようとするが。
段蔵は休息を許さず一益のネクタイを掴み取り、引き上げる。
まるで、首輪に引かれた様。
顔を上げさせられた一益が段蔵の顔を見れば、赤は腔内を見詰め。

「総て飲んだか…良い犬だ」

赤が、細まるのは一瞬。

「…だったら、あんたこそ褒美の菓子でも用意しといてくれよ」
「フフ、成る程…残念だが菓子の褒美は無い…が」

…ブブブ…
…ヴヴヴヴンッ!ヴヴヴヴンッ!

「か、はっ…!アアっ、あ…!」
「そんなに尻尾を振るという事は悦んでいるのだろう?…クク」

一益のナカに埋まるアナルパールが最も強い振動で暴れだす。
そんな事をしても何の抵抗にもならない、そうだとしても反射的に刺激から逃れようと捩れば。
段蔵の言うとおり、外に出ている尻尾がふさふさと揺れ。
この「褒美」をもっともっとと欲しがっている様にしか―――

……ぴちゃ…ぺろっ…
れろ…れろ…くちゅっ、ちゅぷ…

「貴様…」
「は…っ…俺は…欲張りでな」

バイブの刺激に善がりながらも一益は、段蔵の亀頭に舌を。
後始末という意味ではない。
もっと、欲しいから。
甘い飴を舐める様に這う舌は、精を吐き出した直後の自身にとって敏感な箇所ばかりを捉えて。
段蔵は表情を崩さないが、這う度にビクビクと快感に浸る自身。

「菓子の代わりに、くれよ…」
「…フフ…少しばかり躾るか…」

ヴヴヴヴ…ブブブ……ッ…―――

口角を上げ、赤の輝きが静かに色めき立つのは興が乗った証。
アナルパールのバイブを切って一益の背後に回ると。
尻に埋まるモノを引き抜かれるのだから、一益の体勢は流れのままに四つん這いの格好を取って段蔵に向けて尻を上げる。
犬耳と尻尾の愛らしさ。
ちろりと舌を舐めずり段蔵が尻尾を掴めば、羞恥と…少しばかりの期待に一益の身体が短く震え。
つまり一息に引き抜かれるものと一益は思ったらしいのだが。
反して段蔵は内に埋まる球をひとつ、またひとつと時間を掛ける形でゆっくりと引き抜き始めた。

…ぬ…ぽっ…ぐぽ…んっ…

「く、うっ、んンっ…」

こんな声など出したくない。
けれども意思に反して一益の口からは、球が自分のナカから抜け出る度に小さな鳴き声を漏らす。
その声こそ段蔵が一息にアナルパールを抜かなかった理由。
子犬の様に鳴き、悦に震えるを見下ろして赤は爛々と。

ぬぽ…んッ……ぐにっ……

「もう解す必要など無い程に嬲られた様だな…クククッ…」

最後の球が抜け出ると、段蔵は一益の尻を割り開きながら親指を窄まりに当ててぐにぐにと弄び。
バイブによって拓かれた後孔の柔らかさ、指はすぐ飲み込まれ。
指では足りぬとヒクつく淫ら。

「…フフフ…」

…ぬちり…ずっ、ずぬっ…ぬ…!

「っ、うああ…っ…ぁ、あ…!」

確かに後孔はバイブの刺激を受け続け、解れたかもしれない。
しかしアナルパールの球などとは比べ物にならない程に熱く滾る昂ぶりを前触れなく捩じ込まれ、一益は大きく喘いで背を反らす。
ぐぷりと咥え込まされた段蔵の自身は根元まで埋まり。
腰を掴まれると抜き差しではなく円を描く様に腰を揺らされ、自分のナカで脈打ち膨張する段蔵の自身がみっちりと成る心地。

ぎゅぽっ…ぐちっ、ぐりゅ…

「は、んっ…掻き回す、な…!…もっ…早く、動け、よ…!」
「クク…もう少し"待て"を覚えさせるべきだが…いいだろう…」

…ぬるるッ…じゅぽンっ!

「ひぁ、アっ…!」

…ずりゅりゅっ…
じゅぷ、じゅぽっ…ぢゅぷッ…!

「はァっ、んぁ…激…し…ッ!」

アナルパールを埋め込む際、たっぷりローションを飲まされていたナカは抜き差しを潤滑に進め。
入り口はキツい程に締め付けるが、奥はじわりと絡み付く。
パチュパチュと弾けた音を立てて尻と腰がぶつかり合うが響く中。

…くしゃ…り…なでっ…

「ん、くっ…ふっ…」

不意に段蔵が、犬耳を巻き込みながら一益の頭を撫でた。
犬耳―――と言っても、それは作り物のカチューシャであって一益自身に繋がっている訳では。
無い筈なのに。
何故だろう、痺れる快感の甘い波が手から耳を経て頭に伝う。
奥を突かれる悦と混じり蕩け、お菓子よりもずっとずっとずっと。
甘くて、熱い、のは。

「フフ…躾の仕上げだ…!」
「は…ぁあッ…ンっ…!」

ず、じゅぷ…ンっ…!
びゅぶるるっ…びゅるううッ!
…びゅっ、びゅるッ…ぱた…た…

「…う、あ…熱、い…っ…」

最奥を突き立て二度目の射精にも関わらず多量の精を一益のナカに吐き出しトプトプと注ぐ段蔵。
その熱さに呼応する様、一益の自身も吐精に至り床を濡らし。
未だナカに埋まり脈打ち続ける段蔵の自身に、身体を震わせた。

―――…

「…居ない…だろうな」

一益がナカに出された精を掻き出し、身繕いを整え終え。
薬品庫に戻ると、既に段蔵の姿は無く小部屋は静まり返っており。
外は夜の帳に包まれ、部屋の小さな照明では一層に寂しさを。

「全く…あんなのハロウィンと関係が無いだろ…」

何となく、気を紛らわせたくて独り言ちるのは先程までの行為。
切っ掛けになったのは、ハロウィンの呪文を段蔵が唱えたから。
悪戯の呪文に堕ちたから―――

「…っ、そうだった…耳…」

ハッと我に返る様に呪文が解けた様に、一益は己の頭に手を。
そこには今でも犬耳のカチューシャがちょこんと鎮座しており、すっかり馴染んでしまっている。
もしも呪文が解けなければコレを付けたまま帰るところで。
考えただけで恐ろしいと、毟るように外し取った。

「……」

手に取った犬耳は、やけに良い出来で触り心地も申し分がない。
こんな物、此処に投げ置いていこうと思っていたのだが―――

「Trick or Treat…か」

犬耳を軽く食み、口元は笑む。
今度は俺から、どんな悪戯をお見舞いしてやろうか?

―――甘いお菓子は二の次。
今日という日は。
やはり悪戯の為に在るべき日だ。

■終幕■

◆遅れに遅れた段益バレンタイン話を上げた後、ホワイトデーも書くつもりだったのですが…(汗)
もう流石に遅れ過ぎなので、ハロウィン話として調整を。
しかしもっと元を辿ると、この話は本来去年のクリスマス用に考えた話だったとかナントカ(滅)
現パロでもなくて…最近一益がわん仔な状態にならないからって事で、件のブツを段蔵さんがプレゼントして性夜かよ的な展開。
それが年を越してハロウィンまで来てしまったので現パロに。
…アナルパールとかズバっと書くには現パロの方が良かった(笑)
ここ最近の★印は九鬼益の甘らぶえっちばかりだったので、無理矢理混じりの段蔵さんのプレイを書くのは楽しくもあり難しい。
もっと!エロく!…って思えば思う程、分からなく(;´∀`)
取り敢えずイラマチオを久々に書けたので満足ですよ(…)

2013/10/31 了
clap!

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