【1059taisen】
犬張り仔の遊戯【弐】
)ケモ耳ぷち化で性描写
【弐】とは銘打っていますが単品で読めます



口吸いを知らぬ化生に口唇という術を教えたのは自分なのだから、その責を取るべきなのだろう。
当初、恐ろしい化生には似合わぬ"うぶ"さを見せた口吸いは。
すぐにその「やり方」を覚え「手段」として有用な程に。
「手段」―――なのだ、術とは。
俺を堕とす為だけに覚えた。
ただ、それだけなのだと割り切れてしまえれば楽なのだろうな。
人の情を覚えてしまった半端な俺は、何処かで、その。
溺れる様な口吸いの意味を、理解っていても信じている。

―――…

「…ふッ…ン…」

腕の内へ囚われた、仔犬と化す一益へ落とされる段蔵の口唇は。
文字通り、息の継ぐを忘れ失せれば溺れてしまう貪欲。
わざわざ角度を変えて味わいなどせずとも、小さき身となっている今の一益の口唇は、ひと吸いで総てを奪えるというのに。
まず、それが。
重なる度に小さき一益には、段蔵の口唇に包まれる心地。
好く、好く、感じられて。
その上で貪られ、口唇、咥内、歯列に刻まれゆく段蔵の痕。
くるしいのに。
刻まれる度に痕はすぐに疼き、また段蔵を欲しいと願う。
貪欲なのは、段蔵ではなくて自分の方かもしれないな、と。
口端から零れる唾液に構おうなど思いもしなかった事に気付き、一益は心中で己を嗤笑したが。

スリッ…スリ…シュッ…

「…ッ、は…っ!…フ…っ…!」

角度を変えようとした、唯一の息継ぎが刹那。
謀った様、段蔵に尻尾を撫で扱かれて息継ぎを忘れそうになる。
唾液に構う事は、もう忘れた。

…ちゅ、くッ…つぅ…っ…

「っ、はッ…ハッ…」

ずるりと段蔵の舌が一益の咥内から引き抜かれると。
口唇と口唇に銀糸が引かれ、それまで不自由した呼吸を取り戻さんと一益は荒む息を繰り返すが。
傍に見れば。
まだ、まだ…段蔵を欲する様にしか見えなかった。

「フフ…そう焦らずとも、宴は開いたばかりだ…」
「…お、い…っ…!」

向かい合い座した形をとっていた、ふたりだったのだが。
段蔵は一益の背に腕を回し、頭を打たぬ様ゆるりと押し倒す。
一益としては反射的に抗いの声を上げたものの。
根本的に、今の姿では体格的に抗ってどうなるものではない。
大体にして、既に…段蔵は一益の下肢の衣服を、するすると手際良く脱がしに掛かっている。
尻尾のせいで多くは穿き込んでおらず、すぐに自身が露となり。
それはやはり、今の一益の体躯に見合う様な一物であるものの。
かたちそのものは、普段の一益の自身に変わらぬと見えた。

れろっ…ぺろ…くぷ…っ…

「ん、ふっ…あッ…ン…!」
「クク、悦きも変わらぬな…」

試しとばかり段蔵が一益の亀頭をちろちろと舐め、深くはないが咥内へ含んでみせると一益はその感触に鳴き喘ぎ。
好い返りに段蔵は赤を細め笑むと、更に舌を這わせてゆく。

ぴちゃっ…れる…れるっ…

「くッ、う…んンっ…」

竿を握られ、亀頭を集中して幾度も舐め回され。
思わず腰を逃がしたい衝動に駆られるが、押し倒された時に回されていた段蔵の腕は周到に一益の腰をとうに捕らえ。
腕の入り込んだ隙。
そのお陰で尻尾が床から浮いており、痛まないのは確かだが。
段蔵からすれば、理由の大半は逃がさぬ為であり。
浮いて、突き出された腰の中心で主張する一益の自身を心の儘に嬲り易くする為に他ならない。

くぷぅ…っ…じゅぷッ…

「…!…っは、ァ…いつも、と…ち、が…う…ッ…!」
「フフ…」
「く、わえ…ながら…ッ…わらう、ん、じゃ…あ、ンっ…!」

ぞる、るっ…と。
含む自身に対し段蔵の咥内はやはり、普段より余裕が有るのか。
先端から根元までを何時も以上に強く吸い上げながら施す口淫。
より、喰われる様な。
…かと思えば。

ちゅぽ…っ…
チロッ…チロ…つぷ…っ…

「んんッ…!」

突如として咥え込むを離すと、舌先で鈴口の周りを弾く様に小さく幾度も舐められ、時にその鈴口へも舌先を差し挿れられて。
今度は焦らされる悦に、一益は切なげに鳴く。
いい様に嬲られる自身は仔犬の身なれど屹立し。
トロトロと溢れ始めた先走りと自身を伝う脈動は、それが…しっかと射精に至る事を予感させた。

くぷッ…じゅ、ぷ…ぷッ…

「ア、んっ…!…だめ、だッ…もっ…でちま、う…ッ…!」

…ギュウ…ッ…!

「ン、はアッ…!こ、の…っ!」

びゅるっ…!びゅるるぅ…っ…

再び自身を深く深く咥え込まれ、射精を促されて。
果てる―――という、際。
一益の自身を握り、無理矢理に射精を止められる…のではなく。
握られたのは、尻尾。
情炎に焦がれる時、狂おしい程の悦を感じてしまうふさふさの尻尾を段蔵に強く握られた一益は。
それを合図とする様に段蔵の咥内へ白濁を吐き出した。

…ずッ…るっ…

「ふっ、うンっ…」

吐精した一益の自身から口を離そうという時にも。
竿に残っている欲まで残さぬ様、ひとつ大きく吸われ。
射精後の敏感な自身には刺激が強く、身体を小さく震わせながら耐える様な声を一益は漏らす。

「クク…身体の"ナリ"はこうでも…確かに出る様だな」

薄く開いた段蔵の口元から、ちろりと覗いた舌には。
今しがた吐き出したばかりの一益の精が纏わり付いたままである事が窺え、淫蕩に耽るを端的に。
一益が何を見、何を感じているのかを察した段蔵は。
わざと、ゆるりゆるり…"何"を自分の口に吐き出したのか、見せ付ける様に舌なめずりをする。
それはどうにも、酷く官能的で。
口淫と、尻尾を握り込まれて呆気なく果ててしまった証が一際に艶めいて見え、眼を逸らす事が一益には出来なかった。

「…また"めんどう"なことが…あんたに しれたもんだな」
「フフ、貴様にとってはそうだろうな。精通しているというのなら、その方が面白味が有る…」
「…やれやれ…」

段蔵の台詞に一益は天井を仰ぎ。
まだ、射精の余韻に浸る身を落ち着けさせようとした、が。

…ぐる、んっ…

「っ、おいっ、なにを…!」
「勝手に休むな…フフ」

急に身体を抱き上げられたかと思うと一益はその身を引っくり返され、仰向けからうつ伏せに変えて身体を床に着かされる。
腕は崩しているが膝は着いている為、余計に段蔵の眼の前に尻を突き出している様に見える姿勢。
尻尾の下の後孔も露となり。
目当ては"それ"だと。
一益からは見えなかったが、段蔵は口角を上げ…にたりと笑んだ。

グッ……ぬる…うっ…

(…!…"した"…かよ…!)

尻を割り開かれた時点で、次に段蔵が行うであろう察しは。
しかし後孔に触れてきた感触が、明らかに指ではない。
指よりも柔らで、温む感触…舌なのだと容易に思い当たった。
浄めたつもりはあるし、舐め這われているのは表面的な蕾を軽く解す為の事なのだろうとも一益は同時に思ったが。
だとしても。
自分の総てを晒した上で更なる恥辱を上塗られた様な。
滑る心地がやけに強いのは、先程、段蔵の咥内に吐き出した精を舌に這わせたままだからだろう。
そうだと、考えるべきなのだ。
こころを虚にしようとすればする程、意識し感じてしまうなど。

「…フフ。この程度…そう構えるな、解れぬぞ…」

れるっ…る…っ…
…ギュウ…ッ…!

「ん、んッ…!」

蕾を舐め、時にヒダを舌先でぐにりと押し解される。
だが、段蔵の思うより解すが進まぬと見たのか尻尾を握られ。
ぞくぞくとした小さな悦の波の中に、大きな甘い痺れが伝う。
一気に身体が弛緩し、一益自身でも抗う事が出来ない悦に後孔がヒクヒクと蠢いたのが分かった。

「クク、そうだ…」
「はっ、ン…アっ…あっ…!」

やはりこの方が手っ取り早い。
段蔵はそう結論付けたのか、一益の尻尾を離さず事を続けて蕾を解しに掛かり、時に尻尾を扱く。
つぷ、と。
入れはせず蕾の中心の様子を舌先で窺うと、硬さが抜けており。
頃合い良しと判断した段蔵は、じっくりと舐った後孔を解放して。

…シュル…ッ…

「…"まえ"に いったと おもうが…そんなの、はいらないぜ」

背後で聞こえた衣擦れの音が。
段蔵が自らの帯を外す音だと瞬時に理解した一益は。
後ろを見ずに、断りを入れる。

ぐいっ…

「分かっている…フフ」
「こんどは、なに…をッ…」

先刻、うつ伏せにされた時と同じ様に身体を抱き上げられ。
元の…向かい合い座した形に直されたのだが、始めと違うのは。
互いに自身を露にし、昂ぶりを重ね合わせられているという事で。

クチュ…にゅる、っ…

「っ、は…ぁ…」

既に硬く熱く屹立している段蔵の自身が脈打つを、一益は己の自身を通じて感じさせられる。
重ね合わせる為に抱き締められ、段蔵の腕の内に在る一益は色めいた吐息を段蔵の胸板に零し。
きゅ、と。
段蔵の黒衣を小さな掌で掴み握り、熱を享受しようと。

…にゅるッ…にゅぷ…っ…

縋りの体勢が整ったと見るや、段蔵はゆるりと腰を揺らす。
その度に熱を交わす互いの自身が擦れ、もどかしくも蕩ける。

ギュ…つ、つ…ッ…

「ふ…ッ…」
「折角、解したのだ…そう強張るな。フフ…」

暫しの間、自身同士の熱を堪能していた段蔵だったが。
解した蕾にも、そろそろ満足させて然るべきという事か。
重力に逆らう様に一益の尻を掴み寄せると、今度こそ指をもって後孔の入り口を撫で回し始め。
その感触に、やはり反射的に身体は構えてしまうものの。

はみ…っ…

「く、ぅんっ…!"みみ"も、だめ…だ、とッ…!」

一益は段蔵の胸元へ縋り寄せている為、段蔵の眼下すぐには…震える仔犬の耳が、ちょこんと。
そうして鎮座する犬耳を、口唇だけで軽く食まれ。
直接、脳へと訴えられる悦。
構えた身体が、容易く。

…ぬ…ぷッ…

「ンっ、は、あッ…!」

悦に拓かれた後孔が段蔵の指を咥え込む。
しかし考えてもみれば、解したのは後孔の入り口のみ。
体躯から察する内の狭さも加わり、段蔵の指を千切らんばかりの勢いでキツく締め付けている。

…ズ…ッ…

「う、ァ…っ!…はン…ッ…」

徐々に許す侵入の度、一益には圧迫感が伴う。
だがその度に、一益はひとつ鳴きながら受け入れてゆき。

「フフ…良いぞ…」
「ぅ、はっ、ア…もっ、と…ゆっく、り…やれ、よ…!」
「俺にしては気長な方だ…壊す目的ではないからな…ククッ」

ある程度の内まで指が挿れられると時に引き、また挿入されるを繰り返し、円を描き滑りを好くしようと解されるが。
今の身体の一益にしてみれば、性急に自身を突き立てられ内を無遠慮に抉られる心地に等しい。

…ツ…

「…!…どう、かんがえて…もっ…"むり"だ、ろっ…!」
「これが無理かどうか…俺が決める事だ。フフ…」

大分、指の出入りは滑らかになり後孔からは、ずちゅずちゅと淫らな水音が零れる様になった。
それはつまり、普段の段蔵の自身を受け入れた心地。
悦を悦として一益にはやっと受け取れる形になった…ところで。
二本目の指が後孔に忍び寄った事に気付いたのだ。
一益にしてみれば、どこが壊すのが目的ではないのかと散々に言い込めたいところなのだが。

ぐ…ッ…ズ、ヌ…

「はっ、ア…ハッ…!」

新たな圧迫に言葉を発せず、息を継ぎ喘ぐしかなかった。

「もっと力を抜け…俺は一向に構わぬが、な」
「くッ、ふ…ぅ…!」

ギュウッと一層に段蔵の黒衣を掴み、どうにか身体の力を抜こうと一益は荒い呼吸を繰り返す。
流石に段蔵も、先の指よりはゆるりと侵入させているものの。
焦れてきたのか、解す助長とばかりに腰を小さく揺らし。
孔へ意識が及びがちな一益と、己に再び自身同士の熱を送り合う。
段蔵の自身から溢れた先走りが、にちゅにちゅと厭らしい音を。
下肢の総てが蕩けてしまう様な感覚に至った、その時。
一益の後孔は、段蔵の指を二本とも深く咥え込んでいた。

…ずっ…ちゅっ、じゅッ…ぷ…!

「あッ、んっ、ふ…んんッ…!」

すぐさま始められた抜き差し。
一益は段蔵の胸元に顔を埋め、くぐもった嬌声を上げる。
一度、咥えてしまった指は何の問題も無く一益の内を穿ち。
好い箇所を狙い刺激される度に、吐精した筈の自身が硬度を増して段蔵の自身と重なり滾り―――

…ず、ぐっ…!

「なっ、アッ…か、はッ…!」

指を入れるとは逆の段蔵の手は、ずっと一益の尻を掴み。
ある種、支えの役割を果たしていたのだが…それが突如として離され、己の体重が掛かる一益は。
串刺される様に一層、段蔵の指を咥え込んで。
虚を突かれ情欲に囚われる顔を晒すまいと、一益は更に段蔵の胸元へ顔を埋めようとするのだが。

キシッ…ぐい…っ…

「…!…くっ…」

自由になった段蔵の手が何をするものかといえば。
一益の髪を軽く掴み上向かせ、蕩けきった表情を晒し見せろ。
という事である。
黙したまま、ただ煌々と。
其処に在る赤に見詰められる一益は、囚われの色から逸らせず。
湧き上がる様に背を駆けた波が、凍てつく如きであったとも灼熱の如きであったとも捉えられて。

「そうしていろ…」
(…!…っ、しまった…な)

段蔵の言霊に魅入ってしまった事を一益は咄嗟に気付いたが。
時既に遅く、"そうして"いるしか出来なくなってしまっていた。
即ち、段蔵の赤を見詰めるしか。
即ち、逝かされる表情を隠す事も―――もう。

「…ククッ」

そろりと、段蔵は一益の髪を掴んでいた手を離し。
"効き"の具合を窺うと。
満足のするところであったのか、双眸を僅かに細め。
愛玩の意を持って、一益の頭と犬耳を優しく撫で回す。
…もっとも、今の一益にとっては甘いひと時などという事を越えて悦楽に感じてしまうのだが。
ふるりと身体を震わせながらも、艶めく表情を段蔵へ。

「…貴様は…飽きぬな」

そう漏らした段蔵自身が、語気に驚きを含んでいるのが窺えた。
段蔵にとって、その意味を送るのは相当な賛辞だからだろう。
己の口端を小さく舐った段蔵は、愛玩から嗜虐の色に瞳を変えて再び一益の内を犯し始める。

ちゅぐっ、ずッ…ずちゅ…っ…!

「あッ、あ…!…イイところばか、り…ッ!んンっ、はッ…!」

尻を掴み支える手が戻った事で、ずっと咥えさせられたままだった内の指が動きを取り戻す。
悦い箇所を執拗に嬲られ。
抑える事が出来ない悦に堕ちる顔を段蔵に見詰められ。
その赤を見ていると。
籠絡の身でも構わない―――と。

「ンっ、アっ、ああ…ッ…!」

びゅくっ…るっ…るる…!

ゾクゾクとした波が腰に集約するを感じ、達した時。
一益は鈴口から今一度、白濁を放ち段蔵の自身や腹を濡らす。

「フフ…犬の性交は精を長く分けて吐くというが…貴様は、それに当て嵌まるものかな…クク」
「…しるか、よ…」

一益の内を散々に嬲り続けていた指をズルリと引き抜く段蔵は。
二度目の射精量を確かめる様、身体と身体の隙に手を差し入れ。
にちゅにちゅと音を立てて吐き出された精を玩ぶ。

「…さて」
「…っ…」

とさり。
一益を胸元に抱えたまま、段蔵は背を倒し仰向けに横たわり。
しかし相変わらず、一益は視線を合わせられる。

「何なら、どれだけ出せるか試すのも悪くはないが…」
「…じょうだんじゃ ないぜ…」
「クク…少し身体を上げろ」

愉快そうに笑みながら命じる段蔵の台詞に。
今の否定を聞いていなかったのかと、一益は口を開き掛けるが。
段蔵の腰を挟む様に膝を着き、首元を挟む様に手を着き、段蔵の上で四つに這う格好をとると。

…に、ちゅ…

「おいっ…!」
「分かっているというに…あまり吠えると挿れてしまうぞ」
(…さらっと、おそろしいことを いうんじゃねえよ…)

己の先走りや一益の精に塗れた自身を下から後孔に宛がった事。
最も考えたくない事態を想起した一益は狼狽するも、段蔵の返りはそこまで見越した様に変わらず笑みを含んだまま。
一益の下で自らの竿を扱く。

「…ふ、っ…」

段蔵の意図は汲み取った。
しかし、これはこれで―――
段蔵の手淫を助長しているのが、自分の肢体であるとか、孔であるとか、表情であるを思うと。
上気を抑えられず、蕩けた吐息を一益は零す。

ちゅく、にちゅ…っ、くちゅっ…

段蔵が自身を扱く度に響く淫靡卑猥な粘質の水音ばかりが、互いの耳に焼き付いて聞こえる。
鈴口と後孔が口付け合い、時に意図的に狙い外した先端が尻尾の付け根に当たり、一益の悦落した顔にまた、昂ぶる連鎖。
終焉の時は、近付いて―――

「…ククッ…!」
「く、ふっ…ン、んっ…!」

びゅくるるっ…びゅるうっ…!
…ぼたっ…ぱた…っ、ぱたたっ…

一益の後孔へ亀頭を強く押し付け、段蔵は多量の精を放つ。
滾る迸りに一益は身悶え。
受け止める後孔は、内が熱を欲しがるかの様に入り口を弛め。
まるで自身を埋め込まれ、奥で出されたかと紛う程に熱い。
太腿を伝い落ち、滴る白濁が塊と化している様。
ここまで溜め込んだ情欲の総てで一益を穢していた。

「…はっ…は…ッ…」

やっと後孔から亀頭が離され、総ての精が自分へと向けて吐き出され終えた事を悟った一益は。
両の手、両の膝を崩し段蔵の胸元に倒れ縋る。
ただ、静寂に還る室内。
分かり難かったが、段蔵もまた呼吸を整えているのだと。
一益が、そう思うと同時。
あれ程までに熱の籠もっていた身体が、一転。
幾らの刻も経たぬ内に、冷えを感じている事にも気付いた。


冬は―――目の前、なんだな。


「…何だ?」

今はもう、術は解いた筈。
しかし、じっ、と。
自分と眼を合わせようとしている一益の視線に気付き、段蔵はちろりと眼差しだけを向けて。
微かな気怠さと共に問う。

「…あんた、ふゆの"えちご"でも この"かっこう"なのか?」
「…だったら何だ」
「…みている、おれのほうが…さむくなるぜ」
「クク、そんな事か」

…ぎゅ…っ…

「…なんだ?」

思いがけず、段蔵から強く抱き締められた驚きを隠し。
冷え始めた身体に、腕の温もりを感じるに気付かぬフリをして。
段蔵へ問い返す。

「どうせ、貴様が暖める事になるのだからな…フフ」
「…なんだよ、それ」

ぷっつりと何も語らなくなった段蔵に、一益も黙す。
仔犬の身である自分の方が、やはり体温は高いのだろうか。
そんな事を考えたからではない。
ない、けれど。
一益が段蔵の胸の上で寄り添い暖め合う様、きゅうと抱き締めれば自分と変わらぬ心音が聞こえ。
それは徐々に、しんしんと降る雪の足音にも聞こえていた。

■終幕■

◆昨年の11月25日は、一益を初自引きした日だなあ1年かあ。
という訳で記念に小噺を書こうとしたのですが、例によってネタのストックがエロしかなくて(…)
その中でも何でコレを選んだって、流れがスラスラと決まったので…天啓なのだろうなと(笑)
結果、一益が来てくれて嬉しいな♪記念の筈だったのに。
気が付いたら得してるの段蔵さんの方じゃないか(苦笑)
あとワタシ得ね!
いやしかし自分にとっての戦国大戦は、一益を引いた時点から始まったと言っても過言ではなく。
それから1年が経って段益にもだもだする事になろうとは、いやはや分からんものです(*´ω`)
わん仔の時は、気持ち糖度が高いつもりの段益ですが。
普段は付かず離れず、計れない距離を保っている様な段益の心情を書けたら良いなあと思います。

個人的な趣向としましては甘傾向な訳でして。
ちょっと縛るのくらいは萌えますが、物理的に痛いのはイタタ。
…でも、段益のえっち話は書けば書く程に違う意味でアイタタタな癖を晒している様な気が(苦笑)
段蔵さんが…何をさせてもエロい事が似合い過ぎてつい…
一度、段益段にもチャレンジしてみたいと思うのですけども、忍者受けを推奨としましては(…)
しかし段蔵さんの受けとか、基本的には多人数のモブのナニを片っ端からイかせまくってる様な絵面しか浮かばんな(;´∀`)
いやはや、段蔵も一益もまだまだエロスの幅が有りそうです♪

ところでウチの段蔵、一益の尻を揉み過ぎだと思う(笑)
もにもに…したい(*´∀`)

2011/11/25 了
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