【1059taisen】
義宣様と診断メーカー
政光「あの…梅津殿」
憲忠「ん、何じゃ?渋江殿」
政光「この場の詳しい内容を知らぬまま呼ばれたのですが…一体、何を始めるおつもりなのかと」
憲忠「はっは!そう構えずとも良い、ちょっとした戯れよ」
政光「戯れ、ですか」

憲忠「先日の事になるが、我が殿の御生誕日があったであろう」
政光「ええ、七月十六日に…」
憲忠「それに託つけて、診断めーかーとやらに殿の御名前で試した結果が来たから渋江殿もひと盛り上がりせんかとな」
政光「私はそんな、殿をダシにした様な遊戯に関わるつもりは…」

憲忠「ふむ、気にならんか?…ほうほう…殿にそんな一面が…」
政光「…意地悪ですな、気にならぬ筈がないでしょう」
憲忠「そうそう!素直が一番ぞ!では…まずはコレかの」

なたを花にするとと性格】
佐竹義宣は【薔薇】花言葉:愛、美
魅力的な人。プライドが高い。嫉妬深く一途に愛す。口には出さない。仲のいい人には遠慮なくトゲのある。褒められるとすごく嬉しい。口には出さない。椿の人とは恋人関係。
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憲忠「主として充分な魅力を持たれているし、名門の誇りを抱いていると見ればなかなか合っている結果に思える内容じゃな」
政光「そうですな…ただ、あまり嫉妬深いとは見えませぬが」

憲忠「…例えば、だが。こうして渋江殿が拙者と談笑しているのを殿が見て、妬いている風の素振りを窺わせたら…どう思う?」
政光「えっ、そっ…それは、私が梅津殿に取られていると義宣様が感じている…という意味か?」
憲忠「そうじゃ」
政光「…はは…その様な事は無いと思いますが、もしかすると一抹の喜びを想うかもしれませぬ」

憲忠(偶にそんな素振りを殿は見せとるんだが…分からんのか…)

政光「どうかされましたか?」
憲忠「いんや、まあ…口には出さずというのも殿らしいものよ」
政光「ええ、褒めに内心とても喜ばれているなど…良いですな」

憲忠「(…まあいいか)ん、同じ診断で別の結果も出ておるぞ」

刻限義宣は【椿】花言葉:誇り、控えめな優しさ
見た目に反して謙虚な人。人のためを考え、厳しくできる優しさがある。気取らない人。おしゃれ。悩むなら全て手放してしまう思い切った行動をすることも。ラベンダーの人とは相性がいい。
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政光「此方の結果にも、義宣様らしい内容を含んでいますね」
憲忠「そうじゃのう…」

憲忠(全てを手放してしまう思い切った行動、か。…それが渋江殿の忠義の結果を引き金として起きなければ良いのだが…)

政光「薔薇にせよ椿にせよ、義宣様には紅が合うでしょうか」
憲忠「あの黒甲冑と前立てには、確かに紅色が映えるであろう」

政光「…そういえば…」
憲忠「何か気になったのか?」

政光「ええ、先程まで義広様も静かに結果を聞いておられた筈ですが…気付けばいらっしゃらないので、どうかされたのかと」
憲忠「…宴の方の格好であったからな、薔薇と聞いては仕方あるまい。そこは察されよ渋江殿」
政光「は?はあ…」

―――…

…たたたたたたたっ!

義広「に、兄さん…これっ!」
義宣「うわっ、急に何だというのだ義広。…む…薔薇の束…?」
義広「…う、うん…」
義宣「以前にも、似た様な貰い方をした気がするのだが」

義広「あっ、あの時とは違って今回はずっと特別だよ…兄さんが生まれた日に因んで、選りすぐりの薔薇だけを持ってきたの…」
義宣「俺の生まれた…?そうなのか、ありがとう義広」

義広(えへ…思った通り、兄さんには赤い薔薇が映えるなあ…!)

義宣「では早速、活ける為の器を選ぶとするか…」

―――…

憲忠「お次は時期モノに乗っかった診断といこうかの」

ケモンGOであなたの家の周りにいそうなポケモン】
今日ポケモンGOをプレイすると
刻限義宣の家の周りには
ヤドンがいっぱい出現するでしょう
#あなたの家の周りに出現するポケモン
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政光「家…と申しますか、この場合は久保田城の周りですかな…」
憲忠「あの面相にウジャウジャ居られたら気抜けしそうだのう」

政光「ははは、しかし害はありますまい。評判や名物になるやもしれぬし…和んで平和的な解決に貢献するかもしれませぬ」
憲忠「むう…そう考えるか」
政光「武を尊ぶ佐竹において、馴染まぬ思考かもしれませぬが…」

憲忠「いざとなれば殿の為に奮戦する覚悟があるクセに、戦嫌いを公言しても真実味が無いぞ」
政光「戦が得手ではないのは事実ですので、私など…」

憲忠「そこまで。お主を見出だした人見殿も義宣様も…"これから"の佐竹に必要だと信じておるのだ、余計な卑下は無用」
政光「…そうでした。確とお応えせねば渋江の名折れですな」

憲忠「さてさて!次は…ふっふっ…やはり診断なら…のう?」
政光「な、何ですかその笑み…」

なたに突然キスして押し倒してみたー】
内膳が義宣に突然キスをしてそのまま押し倒して見ると、「いきなり何を…!」ととにかく驚いて顔を真っ赤にしています。
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憲忠「ほっほう」
政光「?!?!?!…ななななっ…何を診断しておられるのかっ!」
憲忠「驚いてはおられるが拒否の様子ではないの、当然かもしれんが…で、実際はどうなんじゃ?」
政光「わっ、私は義宣様にこの様な事は致しませぬ!」

憲忠「時に強引にいかんと刺激が足りぬと思われるかもしれぬぞ、仲の方は進展しておるのか?」
政光「…わ、私としてはそれなりの進展だと…ではなくて!」

なたをベッドに押し倒してみたー】
内膳が義宣をベッドに押し倒してみると、そっと目を瞑って、続きを待っています。頬が真っ赤です。
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憲忠「もう据え膳ではないか、さあ続きはどうする渋江殿!」
政光「続きなどありませぬ!というか、こっ、こんな文面を書に残さないで頂きたい!処分する故、こちらにお渡し下さい!」

ヒョイ…

憲忠「おっと、別に良いではないか他の誰にも見せぬわい」
政光「…他の事では梅津殿を信用しておりますが、こればかりは目の前で処分せねば済みませぬ!」

ヒョイっ!

憲忠「はっはっは、惜しい!」
政光「愉しまれている場合か!」


義宣「……コホン」


憲忠「っ、と…これは…殿…」
政光「きっ、気付かずにいたばかりか…みっともない光景を…」
義宣「…いや、たった今来たばかりであるし楽し気なところを邪魔して悪いとは思ったのだが」

政光「義宣様に否はありませぬ、騒々しくしていた我々の否」
憲忠「いや全く、申し訳ありませぬ…ところで殿、その薔薇は?」
義宣「ああ、つい先程義広から貰ってな…それで…その、憲忠」

憲忠「何でしょうか?」
義宣「…内膳を…借りても構わぬか、薔薇を活ける為の器を決めかねているので…良ければ、共に見立てて欲しくてな…」
政光「わ、私が?」

憲忠「勿論、構いませぬ。拙者にその御気遣いは不要ですぞ」
義宣「…そうか?ならば内膳、此方へ来て見立てを頼む」
政光「承知しました、的確な見立てが出来るか分かりませぬが…」

義宣(…俺は、内膳が選ぶ物なら如何な器でも構わぬのだがな…)

政光「…何か?義宣様…」
義宣「いいや、では行こうか」
政光「また後程…梅津殿。」
憲忠「おう、義宣様を頼むぞ」

…パタン。

憲忠「…殿は明らかに妬いておられたが…渋江殿は気付いたものか、あの様子では無理かのう…」

ビリリと引き裂かれる紙の音。
"本当の結果"とやらは、本人達のみぞ知る―――なんてな。
これからの二人を想いながら憲忠は細切れの紙を握り締め、ささやかな安寧が続く事を願っていた。

■終幕■

◆義宣公の旧暦御生誕日に今年は小噺を間に合わせられなくて…
諦めていたのですが、しかしそれを別にしても流石に何か更新をしないと動きが無い状況なので。
診断メーカーに頼ったところ、組み合わせたら何とか流れが繋がるかも?という結果になったのでポチポチと書いてみました。
携帯のメールに保存しながら書くのが基本スタイルなのですが、初めて間違って削除してしまい再び諦めそうになりましたが(苦笑)
記憶が定かな内に、どうにかこうにか仕上げました(;´v`)
ひっそりとヤキモチ焼きな義宣様とかも良いですね、によによ。

2016/07/25 了
clap!

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