【Rockman.EXE@】
アツキのジャンプ大作戦(しっぱい?)
◆アツキのジャンプ大作戦(せいこう?)のおまけ



びょいんびょいん…ぴょんっ!

「ていッ!空中一回転捻りだべ…!…どわぁ?!」

ぼふんっ!…びよびよ…

「むー…ベッドだと、そこまで跳ねねっか…」
「つうか、まず俺のベッドで跳ね回るんじゃねぇよ」

夜も更けて来て、ちっこいアツキは何時もならばウトウトしてくる時刻なのに、今夜のアツキはまだまだ元気いっぱいで眠る気配が無い。
ヒノケンのベッド上によじ登ったかと思うと、ぴょんぴょん跳ね始めて。そろそろ、そのベッドで眠る支度を整えていたヒノケンが、これでは寝る事が出来ず。
さて、どうしたものか。

「お子様はサッサと寝る時間だぞ」
「たっくさん昼寝ばスたから眠くねぇだ」
「(…寝させ過ぎたか…次は気を付けねぇとな)」

昼下がり、クラウチングスタートを決めてダッシュからのジャンプと、テレビで見た陸上大会ごっこをしていたアツキはクッションに飛び込み。
そのままスヤスヤと昼寝を開始して。
一部始終を見ていたヒノケンは、そのままアツキがクッションで眠る姿を眺めて好きに寝させてやったのだが、どうやらそれが仇となってしまった模様。
寝顔は見ていたいけれど、次からは惜しいが程々にお昼寝を止めさせた方が良さそうだ。

「それよりオッサン、もっと跳ねるベッドにスるだ」
「だからまず跳ねるモンじゃねぇ!…ったく…見せる番組も選ばねぇと駄目なのか小僧は」

お昼寝から目覚めたアツキが、ちいこい手でまだ少し眠たそうに目をくしくしする姿は、不覚にも可愛らしかったな。というのは置いておき。
何かテレビが見たいと言うので適当にチャンネルを合わせてやると、トランポリン競技の放送でアツキからストップが掛かり、真剣に見始め。
なので、陸上大会の真似事をしていたのだから予感はあった。何処かしらスプリングの効いた場所を探し出してトランポリンごっこもやりそうだと。
だが、いきなり視聴した日の夜に自分のベッドに目を付けられるのは想定外で、ヒノケンとの話はそこそこに再びアツキはベッドの上を跳ね飛び出す。

ぴょいっ、ぴょい…

「くるンって、空中で宙返りとかスてみてなー」
「……(仕方がねぇな)…ベッドじゃなくてちゃんとしたトランポリンだったとしても、チビ小僧にゃ無理だろ、出来っこねぇから諦めちまいな」
「む…何ねその言い方はオッサン。オラはベッドでだってちっと練習スたら出来るべな!」

ぴょん、ぴょんっ…ぴょいんッ!
…ガバサーッ!!

「のわあぁぁあ?!何スるだオッサン!」

ハッキリ言ってアツキは挑発に乗り易い。
わざと煽る言い方をしてやると、それまで縦横無尽にベッド上で飛び跳ねていたのだが、ヒノケンに出来るところを見せてやろうとムキになり。
わざわざヒノケンの前に進み出て、大きく飛んだ。
…ところを。
隠し持っていたタオルケットですかさず包んで捕らえ、ベッド上にぽふんと置いてやると。
暫くはアツキが居ると思われる箇所がうごうごと暴れながら、恐らく「出さねっかー!」といった旨の台詞がモゴモゴと聞こえていたのだが。

「───…むぅ…」

このタオルケットはヒノケン用のモノだけれど、触り心地が気に入ったアツキに同じモノを購入して、サイズをアツキに合わせて切って使用しているから。
何時も眠る時に使っているモノに包みこまれる安心。
それに、ヒノケンの匂いもしていて。

「………」
「…落ち着いたか?チビ小僧」

そ…っ…

「むぃ…ぷぅ…ぷぅ…すー…」
「は…チョロ過ぎだろ」

うごうごが止まった頃合いを見て、ヒノケンがタオルケットを捲りアツキの様子を窺うと。
あれだけ眠たくないと言っていたのに夢の中。
ちんまりした手はタオルケットを掴んで離さず、自分のモノだと言わんばかりの様相で。
ふ、と。ヒノケンからは呆れながらも零れる笑み。
仕方がない、今夜はタオルケットを譲ってやろう。
ヒノケンはアツキを優しくタオルケットで包み直すと、人形遊び用のアツキのベッドではなくて、これから眠る自分の枕の傍に置いてやり。
やがて、寝息はふたつに。

■END■

・ちっこいあいつ
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16.昼寝させすぎてしまったのか、夜になっても寝付かずに布団の上を跳ね回っているアツキ。ぴょんと跳ねた瞬間に毛布ですかさずくるんで捕まえると、しばらくは暴れるも数秒後にはぷうぷうと寝息を立てている。アツキ、所詮その程度の生き物よ……

2022.07.15 了
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