【Rockman.EXE@】
梅雨の合間のバスタイム【RE】
才葉シティの天気情報は天気予報ではなく「天気予告」である、というのはシティの住民にとって至極あたり前の日常に馴染んだ情報で。
見た目のキャラクター性や特徴的な語尾など、コミカルなマスコットでありながらシティ全体の天候をコントロール可能なウェザーくんが予告を伝えている。
しかし天候を変える事も出来るとはいえ、ニホン特有の四季を乱すようなシステムではなく、基本的に生活への問題が無い天候であれば雨も雪も自然に任せ。
降る時間帯や量が正確に予告されるといった具合。
故に、六月という梅雨の時期。ウェザーくんは連日、雨のニュースを伝えているのだが。
時には住民感情を考慮して天気の変更が検討される事もあり、今後もしばらくは雨が続く結論を出したウェザーくんに、スカイタウンの職員は天候の変更を決め。
その日のお天気ニュースでウェザーくんが伝えた週末の予告は、所謂「梅雨の晴れ間」。
休日を前にして、雨は上がり。
才葉学園での授業を終えたアツキは、久し振りの快晴にテンションを上げて寮には戻らず。
真っ直ぐ、ヒノケンの家へと向かっていた。
───…
「晴れたッちゅうのに、オッサン帰り遅いだな〜…」
リビングのソファに腰掛け足をプラプラさせながら、ヒノケンの帰りを待っているアツキ。
梅雨という時期、アツキもヒノケンも何なら二人のナビ達も、連日の雨にはうんざりで。
やっと晴れが確定した事でアツキの気分は上向き高揚しており、きっとヒノケンも同じ筈だから、「どこかサ連れてけ!」と。そうした算段。
「確かオッサンの予定だと今週は明日だけだったなや、空いてるンは…ま、午前中から出掛ければエエだ! …それはそうと、ちッと…ハシャギ過ぎたべか」
一人、予定を立てていて。
ふと下げたアツキの目線の先には自分の制服のスカートが映る訳だが、かなり泥が跳ね飛び付いており、どうやら雨上がりの才葉シティを走った結果らしい。
この分では脚などにも飛んでいると想像がつく。
「…着替えは幾つか置いてッから、オッサンが帰ったらば風呂と洗濯スればエエ…ンっ?」
ガチャガチャ…
細かい事は気にしない性格を発揮しつつ。
アツキが再びヒノケンの帰りを待つ姿勢を取ろうとしたところで、玄関から物音がした。
…バタン…カチャ…
「…嬢ちゃん、来てんのか?」
「来てるだー! やっと帰っただかオッサン!」
物音は家の主であるヒノケン。
跳ねる様にソファから立ち上がると、アツキは玄関までヒノケンの事を出迎えに向かう。
アツキが来た時はまだ外が明るくて必要無かったのだが、今現在は夜の帳に包まれ始め。
荷物を置いて玄関の照明をヒノケンが点けたところに、丁度アツキが顔を出すタイミング。
「オッサンおかえり…ッて、どスただ?」
帰ってきたヒノケンの姿を見て、一言。
アツキは見たまま素直な感想を口に。
「オッサンっちゅう名前の泥、みてでねか」
「…言い過ぎじゃねぇのか、オイ」
残念ながらアツキの感想はわりと正確。
何しろスーツ全身泥塗れが立っているのだから。
キャラ付けの伊達なのだから外せば良いのに、泥の点々は眼鏡にも及んでしまっている。
「なスて、そげな事サなっただ?」
「雨が上がったんで生徒が野球しててな、人数合わせに入れっつうから加勢したんだよ」
「…スーツのまま外で野球やッたンか…」
「なかなかの接戦になったもんで、気付いたらついアツくなっちまって、うっかり三塁ベースにスライディングを決めちまってよぉ」
小学生vsオッサン。
どッツが子供か言うたらオッサンの方が子供でねか。
ひっそり、アツキはココロの中で思う。
「相手側の助っ人がマッハ先生っつうのが、またな」
言いながらスーツを脱げばシャツも泥塗れという。
試合中に晴れて気温的な意味でもアツくなって脱ぎ、ヘッドスライディングを決めた模様。
「相変わらず、オッサンは大人気ないだなや…」
「るっせえ。…って、お前も泥塗れじゃねぇか」
「そだけンとも、オッサンに言われたくはねぇだ」
確かにアツキも雨上がりで浮かれ気分だったけれど。
ヒノケンの有り様と同類にはされたくない気持ち。
「ッとにもー。取り敢えず話は分かっただから、サッサと洗濯スて風呂さ入ってしまうべ」
「嬢ちゃんにいわれなくても、そのつもりだぜ」
…ぐいっ…
「え…な、なンね! オッサン!」
「泥塗れなのは同じなんだから、嬢ちゃんも入りな」
アツキの腕を掴み、ヒノケンは口角を上げて笑む。
一緒にお風呂は口実、窺い知れる男女としての下心。
「オ、オラは後から入るべッ!」
「そんな泥だらけで後では無ぇだろ。…それに、背中のひとつくらい流してほしいもんだ」
「そげなの知らッ…! ぬ、脱がスでねぇだーッ!」
制服のスカーフに手を掛けて問答無用で脱がし始めたヒノケンに対し、アツキは抗うが。
最初に腕を掴まれ逃げる事は出来ず。
そうしている間にも外されたスカーフは床に落とされ、次はスカートへと腕が伸びていて。
「〜〜〜ッ! …わ、分かっただ! 一緒に入っから! …ン、ンだから脱がスでねぇべな!」
「へっへっ…最初から、そう素直に言えよ」
「こ、こンのオッサンときたら…ッ、ひゃあッ?! ちょ、お、下ろさねっかオッサンー!」
掴まれていた腕が離され、スカートからも手が退かれてアツキが安堵したのも束の間、視界と身体は突如として宙に浮いた感覚が伴われ。
何事かと思えば、ヒノケンに姫抱っこされており。
状況を理解したアツキは恥ずかしさから顔を真っ赤にして下ろせと喚くも、その実はきっと満更でもないに違いない。こんなに逞しく軽々と姫抱っこ、だもの。
ふ、とヒノケンは短く笑み。
アツキを抱えたまま足は浴室へと向かっていった。
───…
ザ───……
パシャ…パシャ…
最近の聞き慣れた雨音にも似るシャワーの音。
ヒノケンは手や腕など衣服の隙間からも入り込んで付着した泥を、一先ず軽く洗い落とし。
アツキにボディタオルとボディソープを渡す。
「ほらよ、頼むぜ」
「ゔ〜〜〜〜〜…」
一緒にお風呂というのは情交の後に入る事があるのだが、既に交わった後だという感覚や余韻でぽやぽやしていて、アツキに羞恥はあまり無かったけれど。
こうしてハッキリした意識の中で一緒となると、途端に見られるのも見る事も恥ずかしく。
洗い場の隅でモジモジしていたものの、ヒノケンに唸ってみても動じる筈は無い。逃げ場も無く渋々、渡されたタオルにボディソープを出して、ヤケ気味にガシガシと泡立て始めた。
「ホ、ホレ…オッサン…」
「おう」
ゴシ…
目一杯に泡立てたボディソープ付きのボディタオルをヒノケンの腕に宛て、アツキは極力お互いの裸身から目を外して黙々と洗おうとしているが。
偶にチラリとヒノケンの裸身を窺う素振り。
直視は出来ないが興味にも勝てない、そんな様子。
「へっへっ…」
こうした時折見せる、アツキの初心(うぶ)な面。
ヒノケンが気に入るところであり、可愛らしい視線に思わず笑みが漏れてしまった事に、アツキは自分に向けての笑みだと即座に気付いて噛み付く。
「な、なンねッ!」
「いやー? 普段どんだけじゃじゃ馬でも、こういう時は恥ずかしがるんだなと思ってよ」
くっくっと、意図して揶揄いを上乗せるヒノケン。
分かっていても、それに乗るのがアツキ。
「べッ、別にツィっとも恥ズかスくねぇだ!」
がしゅがしゅ!
恥ずかしくない事を示そうと、気合いを入れてアツキはヒノケンの身体を洗ってみせるも。
それが赤髪を避けた背中な辺り、吹っ切れていない。
「へっ…可愛い抵抗なモンだ」
「るッさいべ! オッサンッ!」
がっしゅがっしゅ!
顔を真っ赤にして俯きながらヒノケンの背中を洗うが、背後のアツキがどんな様子でいるのかなど、ヒノケンには見えていなくても手に取るように分かる態度。
アツキも察せるだろうに、でも認められない難儀さ。
「背中ばっかやってねぇで、前も洗ってくれよ」
「ぇ、え! ちょ…!」
言いながら振り向いたヒノケンは行き場を塞ぐよう、アツキの顔の横に腕を伸ばしていわゆる壁ドンの体勢を取り、これで前面も洗うように促すけれど。
壁ドン状態だと気付いたアツキはそれどころではなく、チラッとヒノケンの自身に目を向けてしまいつつ、ボディタオルを手に固まってしまった。
「な、こ、こンで洗えッちゅうンか!」
「ああ、そうだぜ?」
「ええい! 調子サ乗るでねぇオッサン!」
アツキが顔を上げれば、自身を盗み見た事も知られているであろう、見透かした様な表情。
反射的にキッと強く睨むが、当たり前に逆効果。
「そんな可愛い顔をするんじゃねぇよ」
…ちゅっ…
「…ぅ…あ、アホ〜〜〜…も、もうッ!」
がしがしっ! がっしがっし!
全く動じず寧ろ愛しさを込め、アツキへのキス。
その行為にアツキはまた目線を下げて縮み。
どうにもやり場の無い恥ずかしさを紛らわせる為なのか、目の前のヒノケンの胸板を洗う。
…ゴシ…ッ…
「そ、そろそろ洗うのはエエべ!」
「何だ、全身やってくれてもイイじゃねぇか。さっきから嬢ちゃんがチラ見してんのとか」
「! …みみみ見てねぇだ! とにかくどけるべッ!」
べしっ!と。
アツキはボディタオルをヒノケンにぶん投げて壁ドンから無理矢理逃れるが、やろうと思えばヒノケンにはアツキを捕らえ続ける事も出来た筈。
しかし深追いせず実質的に解放した為。
浴室の隅で膨れっ面を見せるアツキにヒノケンはもうひと笑みを零し、投げ付けられたボディタオルで全身を洗い上げ、シャワーで泡を綺麗さっぱりと流した。
「……オラも、身体洗うべ……あンれ?」
この後、ヒノケンは湯船に浸かるのだろうと考えたアツキは、広くなるであろう洗い場で自分も続いて身体を洗うべく準備しようとしたのだが。
自分が置いたと思った場所にボディソープが無い。
「オッサン、ボディソープどこサ……ひゃあッ?!」
ぐっ…! …にゅる…っ…
所在を問おうとヒノケンに顔を向けた途端。
油断していたアツキは身体をヒノケンに捕らえ抱き寄せられて、背後を取られたかと思うとほぼ原液状態のボディソープを纏わせたヒノケンの手のひらが、アツキの身体を這い出す。
「お返しに、俺も嬢ちゃんの身体を洗ってやるよ」
「いやオッサン! 絶対マトモに洗う気は無ぇべ! え、えっちな事ば考えてるンでねか!」
「さてさて何の事だかな、まぁ遠慮すんな」
「え、遠慮とかで…! …ッ…ぅン…!」
キュウッ…クニ…
にゅる…にゅむ…クニクニ…ッ…
「ンも…ッ…このエロオッサンは…!」
「へっへっ…」
手のひらはアツキの胸に狙いを定め。
乳首を摘みつつ全体的に揉みしだいては乳首を擦るを繰り返され、直ぐ芯を持ってしまう。
キュ、キュウッ…むに、ぐにっ…むにゅうっ…
「ッは…アッ…胸、ばッかス…」
「ああ、それもそうだな」
「…? …! ち、違う! そげな意味で…ねッ…!?」
ぐるんっ! …ぬるっ…ぬりゅ…
物分りが良い、筈もなく都合の良い解釈。
ヒノケンは胸から手を離しアツキの身体を反転させ、正面から抱き寄せ下肢へ指を伸ばし。
割れ目と陰核を愛で始めた。
ぬるる…にちゅ、にちゅっ…ぬりゅっ…
「あ、ァッ…やぁ…ッ…!」
ボディソープの潤滑で普段よりも滑る感覚。
激しく行き来する指に原液は次第に泡立ち。
その中で、潤滑はボディソープだけではなくなる。
にちゅ…ぬりゅっ、ぬりゅ、ぷちゅっ…
……つう…っ…
「蕩けてきたみてぇだな、嬢ちゃん」
ヒノケンの指に、泡と混じるアツキの愛液が糸引く。
ソレを抱き寄せているアツキに見せ、誘う羞恥。
「ッ…や、はァッ…! …あッ、アンっ…はンっ…!」
ぷちゅ、にちゅっ、ぬちゅっ…くちゅくちゅっ…!
見せ付けられた指はすぐにアツキの下肢へ戻り、今まで以上に特に陰核を擦り上げられ。
アツキの身体はビクビクと跳ねて甘イキし、足も震えて自らを支えられなくなり、自分を追い詰めるけれど逞しいヒノケンの身体に縋り付く他ない。
「はッ、はぁッ…アッ、あ…う、ンンッ…!」
すぷ…ずぷぷぷっ…ずぷずぷ…っ!
くちゅっ、ぐちゅっ…じゅぷ、じゅぷっ!
「そ、げにッ…オラのナカぁ…ッ…ア、アンッ…!」
もうすっかりアツキのナカは濡れているという頃合いを見て、ヒノケンは指を次々と挿入。
三本の指でナカをバラバラに掻き回し、蕩け具合に間違いがないと確認すると、まるで自身の律動のように抜き挿しを開始してじゅぷじゅぷと卑猥な音を響かせ。
愛液混じりの泡がぱたぱたと零れ落ちた。
…スリ…スリッ…むにむに…
「な、こ、今度はなンねッ…!」
指の行き来に嬌声を上げていたアツキに。
ナカへと挿入している指はそのまま、身体を抱き寄せていた側の腕をするりと下げたヒノケンは、アツキの形の良いお尻を撫でさすり揉みだす。
「可愛いケツしてんな、嬢ちゃん」
「きゅ、急にどゆこッたべ! し、知らねぇだ!」
「褒めてやってんだから喜べよ」
「そげな言い方で喜ぶ訳ねぇべオッサン!」
「ふーん。ま、勝手に可愛がるけどな」
スリスリ…むにゅむにゅ…
……つつ……クニ…ッ…
「…! ば、ば、バッカでねのかオッサン! どどど、どこ! オラのどッこを触って…ぇ!」
お尻の丸みを愛でていた手のひらが。
アツキの許可など得ず勝手に指先が双丘の割れ目に入り込み、後孔の蕾を指の腹で押されてしまい、性交を行ってきた相手とはいえアツキは慌てふためく。
クニクニ…ぷちゅ、ぷちゅっ…グニッ…
「ンな、弄るの…や、やめッ…! やだッ、べぇ…」
思えばナカにもヒノケンの指を咥え込んでおり。
そこに加えて初めて触れられた後孔を、じっくりと解すように弄ばれるという前後の悦。
特に後孔への愛撫には、どうして良いか分からず。
アツキの羞恥が、あっという間に限界に達する。
「〜〜〜ッ…! やっ、やだ! ソレいやだべッ! アホー! オッサンのアホ〜〜〜〜〜ッ!」
「…分かった分かった、しょうがねぇ」
…にちゅ…ずる、るるっ…にゅぽ…
「…あ…ふ、ァ…」
アツキの嫌がりが本物だと察したのか、流石にヒノケンは聞き入れて後孔を弄るのを止め。
お尻からも手を離してやり、ナカの指も総て引き抜くとアツキの口からは色を孕む声が漏れ出ると同時に、どこか惜しげな様子も伴われていて。
決して言えないが、イヤだったのは後ろだけだと。
「なぁに、まだこれからだぜ…嬢ちゃんよ」
「オ、オラは何も言ってねぇべ!」
「そうだな、何となくってヤツだ。…へっへっ」
愉しげに笑むヒノケンと、むうっとしたアツキ。
お決まりの構図の二人。
「しかし嬢ちゃんのケツは良かったな。もうちょい愛でさせてくれよ、壁に手を付けな」
「…またこのオッサンは勝手な…こう、だか…?」
「も少しケツ突き出してくれ。…そうそう」
「なッにが"そうそう"だッちゅうに…」
とは言うが内心。
胸に自信の無いアツキにとって、お尻に明確な魅力を感じ取って貰えたのは満更でもない。
素直にヒノケンの指示に従い、浴室の壁に手を付きながら前傾してヒノケンに向けてお尻を突き出したところで、また指で後孔を弄られるのではとも過ぎったが。
あそこまで強く言ってヒノケンだって聞き入れたのだから、いくら何でも大丈夫の筈───
ぴとっ…むにゅうっ…!
「は…? ちょっ、ま、まさかオッサン!」
「…指はイヤだっつうから、指ではねぇぜ?」
「いや、指でねかッたらエエ訳でねぇだ!」
お尻の割れ目に沿って置かれたと感じる質量。
双丘を寄せられて、よりハッキリと伝わる剛直。
ヒノケンの自身が挟まれたのだと、見ずとも分かる。
ずりゅ、ぬりゅっ、ぬりゅ…ずりゅっ…
「ン、くぅ…ッ…もッ…バッカ…ぁ! ア、ンッ…!」
とっくに屹立して熱塊のようになっていた自身が、ボディソープの泡の滑りを纏い割れ目を往復しだし、後孔も掠め擦られて指とはまた異なる刺激。
先に軽く解されたせいなのか、アツキは自らの後孔がもの欲しげにヒクついてしまっているのを感じるものの、抑える制御など出来ず顔を熱くするだけ。
なおも往復を続ける自身に自然と口は開き、短い喘ぎの連続が漏れ出し悦に包まれてゆく。
だけれど、唐突に。
ぬりゅ、ずっ……にゅるんっ…
「ふ、えッ…?」
往復が止み、割れ目に挟まれていた自身も離れ。
とはいえアツキもいい加減、これで終わりにするヒノケンではないのは分かっていて。ドキドキしながら次は何をされるのかと艶めく息を吐いたと同時。
ずぷ…ずぷっ、にゅぷぷぷっ…
「えッ!? …あっ、コレ…は」
「へっ…素股ってのも良さそうだからよ」
挿入された、というのは当たらずも遠からず。
今度の自身はアツキの股の間に突き入れられた格好。
ヒノケンが口にした通り素股だが、それだとお尻ではなくて太ももではないか。だとかを気にするタイプではない。お尻を眺めながらの素股に興じたくなったのだろう。
軽く開いていたアツキの脚を、もう少し閉じさせて密着感を増すと。立ちバックでのセックスと変わらぬようにして、ヒノケンは自身を抜き挿し始めた。
ずりゅっ、ずりゅっ、ぱちゅ、ずちゅっ…!
…ぷちゅっ、ぷちゅ…くちゅ、くちゅっ…
「…はアッ…アッ、アンっ…はッ…あン…!」
アツキの太ももを往復する自身の熱は、太もものみならずアツキの濡れそぼる割れ目や陰核も擦りながら抜き挿されるのだから性的な刺激は強く。
疑似性交の類とはいえ、行為へのスイッチを入れられたアツキの身体は甘イキを重ねて。
キュウッと股を自然に閉じてヒノケンの自身を締めれば、それはアツキのナカが挿入の悦に歓び締める感覚をヒノケンに伝えるに等しく。射精へと誘う。
ずちゅ、ずりゅずりゅっ!ぱちゅっ、ずぷっ…!
「へっ…! まず一発、出させてもらうぜアツキ…!」
「え…えッ…ケ、ケンイチ…ッ…!」
びゅぶるるるるっ、びゅるっ、びゅくるるっ…!
…ボタボタッ、ボタタッ…パタタッ…
「ひゃ、うッ…あ、ンッ…くぅう…ンッ…!」
「クゥウッ…! へっへっ…堪らねぇな…」
鈴口がアツキの性器には触れぬよう太ももに深く挿し込み、アツキの前面に亀頭を出したところでヒノケンは射精に及び白濁を洗い場の床へと飛ばし。
射精による竿部分の脈動は、アツキの太ももや割れ目に陰核といった性器にダイレクトに伝わり、何より名前を呼ばれて再びイッてしまい身を震わせる。
「…はーッ、はー…はぁッ…はぁ…ッ…」
「…動けるなら、少し脚を開いてくれねぇか?」
「ン…こンで、エエだか…?」
…くぱ…にゅるっ…
余韻はそこそこに。
ゆるりとアツキが脚を開くと、太ももから解放された自身が股から引き抜かれ、挟み込んでいた熱の喪失にアツキは奥底から切なさがこみ上げるのを感じ。
疼く身体で、ヒノケンの方へと向ける焔を宿す瞳。
「…まッさか終わり…で、ねぇべ。…ケンイチ…」
「そりゃな。…挿れてやるぜ、アツキ」
緩慢な身体を動かし浴室の壁を背にしたアツキ。
青色の焔は欲を孕み期待した眼差しを今も。
そんなアツキにヒノケンは優しく口唇を重ね、その身体を抱き寄せて湯船の中へと導いた。
───…
…ちゃぽん…ちゃぷっ…
満たされた湯の中に入った二人だけれど。
アツキは再び壁を背にして立ち、ヒノケンもまた湯に浸かるという事は無く、アツキの目の前に立ちながら取ってきたコンドームを自身に着け。
整ったところで、ふと顔を上げれば。
装着するのを、どぎまぎとしながら見ていたのだろう。期待はそのまま待ち切れない様子。
「へっ…お待たせだな」
「…べ…別にオラは…待ったとかで…」
「今更そんなのは要らねぇよ。…片足を抱えるぜ」
「えッ…わ…!」
ざぱっ…! ……ぷちゅっ…
性分として誤魔化そうとするアツキに構わずヒノケンはアツキの片足を捉えて膝裏に腕を入れてしまうと、軽く横方向に持ち上げて脚を割り開かせ。
閉じた状態から露わになったアツキの性器へ、一度の射精を迎えたのに既に上向いて硬く勃ち上がる自身を押し当て、ずぷずぷと根本まで埋め込み始めた。
ぐ、ぷっ…ずぷ、ずぷぷぷっ…ずぷっ!
…キュンッ、キュウウッ…!
「くぁ、アンっ…! 奥サ…一気にぃ…ッ…!」
「スンナリ受け入れるくらい蕩けてるってのに、キツキツに締めてきやがる。へっへっ…俺の女なら、こうでないとな。…動くぜ、アツキ」
ずるる…ずちゅっ! ぱちゅ、ぱちゅっ! ぱんっ!
ずぷずぷっ、じゅぷ、じゅぷっ! ずちゅっ!
「アンッ、アッ、あ、激スぃッ、オラこげなのッ…またスグにイッツまうでねぇ、か…!」
じゅぶ、じゅぶっ、じゅぽっ! ぱちゅんっ!
…キュウウウッ…! ビクッ、ビクンッ…!
立ちの状態で正面からガツガツと腰を振り突かれ。
出来上がっているアツキは再び甘イキの連続。
今度はイク度にヒノケンのコンドーム越しでも熱く滾る自身を締め付け、それがヒノケンの抜き挿しを煽り昂ぶらせて容赦なくナカを奥まで穿たれてしまい。
揺さぶられてはイクを繰り返して悦楽に染まるぼんやりとした意識でアツキは、するりと自然に両腕を伸ばしてヒノケンの身体を進んで抱き締める。
支えを求め縋りながらも。
もっと、ヒノケンの赤い炎の熱さが欲しいとも。
「へっ…アツキ、もう少しちゃんと抱き付けよ」
「…な、なス…て?」
「一回やってみてぇなと思っていた事があるんでな」
「…そンなら…こ、こンくらいで…どだべ…」
ギュウッ…
言われた通りヒノケンの首に回した腕の力を強めた事で密着感が増し、一時的にだろうが抜き挿しは止み、だがぐっぷりとアツキのナカには埋め込まれていて。
それでも、僅かな休息というところ。
しっとりとした肌同士が重なる心地に身を委ね。
ここからの続きであれば、恐らく大きな抜き挿しはやり難くなるだろう。だとすれば奥を短いスパンでノックされる様に何度も穿たれるのだろうか。
そんな事を想像してしまっている自分に気付いたアツキは、はたと我に返りヒノケンに悟られていないかと跳ねさせる鼓動。ドキドキの半分は勿論、これから何をされるのかと───
「そのまま絶対に腕を離すんじゃねぇぞ。…支えられると思うが一応な。…よいせっと!」
「ひゃっ?! え、ええっ!? なっ、何ッ!」
ざぱんっ! ぐん…っ! …ずぷ…ぐぷっ…
「オラの身体ッ…浮い…っ…!」
アツキの膝裏、両方を抱えてヒノケンは抱き上げる。
"やってみたかった事"の正体は、いわゆる駅弁。
両足は完全に浮き、反射的にアツキはより強くヒノケンの事を抱き締めて支えとして縋り。
とはいえ足の安定性の無い体位に、身体全体をどう落ち着けたら良いのか困惑したままでいるというのに、ヒノケンはアツキを揺すりつつ律動を再開しだした。
ずぷっ、ずぷっ、どちゅ、どちゅっ、ぱちゅっ!
「は、ひゃうッ…アッ、アッ、奥ッ…奥ぅ…!」
結果としてはアツキが想像…妄想した通りに。
逞しいヒノケンの体躯は駅弁での性交をそこまで苦にする様子は無く、自身でアツキのナカを貪る事が出来ているけれど、それでも大きな抜き挿しにはならず。
どちゅどちゅと短いスパンで奥を突かれて喘ぐ。
ずん、ずんっ! どちゅっ、ぷちゅ、ぱちゅん!
…ぐりゅっ…ぐりっ、ぐちゅん…っ…
「あ、アンッ、だめ…ぇ…! そげなので掻き回すされッツまうと、かぁ…イク、イクぅ…!」
奥を散々に突き穿っていた自身が円を描き。
突かれるとはまた異なって掻き回されナカで暴れる自身に、口を開き舌を出してハァハァと発情した息を吐きながらイキ続けるアツキだけれど、ヒノケンを抱き締める力は緩めず。
こんな小さな連続ではなくて、求めているのは。
「ケンイチ、ぃ…オラ…おっきいの、欲スぃ…!」
「へっ! いいぜ…俺もお前のナカに出してぇ…!」
ずぷっ、じゅぷっ! じゅぽじゅぽっ! どちゅっ!
ばちゅっ! ぱちゅんっ! ずちゅ…ずちゅん!
「ン、ぁっ…あッ、イ、く…イクぅっ…! オラおっきいのサ来たァ…! あッ、あン…っ…!」
ビクッビクンッ…! キュンッ、キュン…キュウッ!
「アツキ…ぃ!」
びゅくっ、びゅーっ! びゅるるるっ…! ぶびゅ…!
「ふ、ぁ…ゴムばスてても…分かるべ…いッぱ…ぃ…」
アツキの求めに応じ、また自らも二度目の射精に及ぶべく円での掻き回しから奥を激しく突き穿つ抜き挿しに戻し、ヒノケンは悦を絶え間なく与え。
身体を抱えられたままゆさゆさと揺さぶられながらの交わりに、お腹の奥底に滾る悦楽の波は刺激されて堰切れ、ヒノケンにしがみついてアツキは絶頂し。
最高潮の締め付けを受けてヒノケンも射精を。
コンドームの中ではあるが、だとしてもアツキのナカへと放つ白濁の量は二度目でも多量。
薄い膜を隔てても感じる迸りに、「あー…っ…あー…」と、言葉に成す事が出来ない声を上げて余韻に浸っていたアツキだったのだけれども。
「……ふ、にゃ…ケン、イ……」
「…おい…アツキ?」
くてん、と。力尽きてしまったアツキ。
意識が失せてしまった人間の重み、だが。
ヒノケンの事だけは変わらず抱き締めていて。
降ろしてその愛しい身体を綺麗に洗ってやる前に、ヒノケンは目を細めてらしくない程に柔らかく笑むと、アツキの背を二度三度と優しく擦り上げた。
───…
「(……ン…あ、れ…? …オラ、着替えただか…? ちゅうか、風呂から…どうスただか、な…)」
ゆっくりとした目覚め。
アツキが周囲と状況を確認すれば、どうやらベッド。
隣に今はその姿は無いけれど、残る温もりの跡からするにヒノケンも眠っていたらしい。
「起きたか? 嬢ちゃん」
「…あ。う、うン…オッサン…」
声のした方向に顔を向けると、ベッドの足元側に腰掛けてノートパソコンを開くヒノケン。
アツキが起きるまでの時間を潰していたのだろう。
「俺も、今さっき起きたばっかだけどな」
「ン…そっか。……ッて、オッサン」
「……今、何時なンだべ?」
「昼過ぎ…っつうか、もう夕方に近いくらいだな」
へっ?
…えーと…風呂サ入ったンが、夜で…
今は、夕方近く。という事は…
「日が変わってるでねぇか! 今日は午前中から出掛けたかッたンにオッサンのアホー!」
既に休日の陽は傾き始めていて。また、夜の帳が落とされていく時刻の方が近付いている。
その事実を知ったアツキはガックリ肩を落とし、倒れ込むようにして顔を枕に埋めて呻く。
「俺だけのせいじゃねぇだろ。あんだけ気持ち良さそうに悦んでたんだからよ、嬢ちゃん」
「る、るッさいべッ!」
性交中の事を思い出させてくるヒノケンへの抗議。
だが、アツキは完全には否定が出来ない様子。
「へっ…取り敢えず腹減っただろ、飯に行こうぜ」
「ゔ〜〜〜…うン…ペコペコだなや…」
「それと───」
腰掛けていたベッドからヒノケンは立ち、まだ半ば顔を枕に埋めて不貞腐れ気味なアツキの頭を撫でて機嫌を取りつつ、少し短いけれど本日のデートに誘い。
口唇をアツキの耳元に近付け、次の休日が晴れたら遠出のデートをしようぜと付け加えた。
キスを重ねる二人の後ろ。
起動したまま置かれているノートパソコンは、ウェザーくんの週間天気予告が表示されて。
週明けからは再びの梅雨空だけれど。
次の休日には、梅雨明けの晴れマーク。
■END■
2006.07.01 了
2023.06・旧作から全面リメイク