【Rockman.EXE@】
梅雨の合間のバスタイム
才葉シティのお天気情報は「予報」ではない。
シティの住人にとって、これは既に至極当然の慣れきった事実で。
天候コントロールのメインシステムである、ウェザー君の「予告」を住人は日々享受している。
天候をコントロール出来る…とはいえ。
ニホンの季節、四季的景観を乱してしまう様な事は無く。
平均的なデータを統計した上で日々の天候を決定し、シティ内で重要行事・祭事等が行われる際に、多少天候を動かす事がある程度である。
それらを踏まえて、季節は梅雨。
才葉シティでも、ウェザー君は連日雨の「予告」を住人に伝えていた。
しかし住民感情というものもあるだろう。
ウェザー君とスカイタウンの職員が決定した、今週末の「予告」は…いわゆる"梅雨の晴れ間"。

休日を前にして、雨は上がり。
授業を終えたアツキは、久し振りの快晴にテンションを上げて寮には帰らず。
真っ直ぐヒノケンの家へと向かっていた。



「や〜〜〜っと晴れたっちゅうンに…オッサン、帰ってくるの遅いべな〜…」

リビングのソファに腰掛けて足をプラプラさせながら、アツキはヒノケンの帰りを待っていた。
この季節。
基本的にアツキもそうだがヒノケンもそうで、連日の雨は正直憂鬱になってくる。
…彼等のナビも似たような状態なので、炎属性全般特有の症状なのかもしれないが。
とにかく、やっと晴れが確定した時点でアツキの気分は高揚しており。
ヒノケンに、「どこかに連れていけ!」と。
そうした算段であった。

「確かオッサンの予定だと今週は明日だけだったべな、空いてるンは…まあでも午前中から出掛ければ良いべ!…それはそうと…ちっと…はしゃぎスぎたかンな…」

目線を落とせば自分のスカートが映る訳だが、随分と泥はねが付いている。
雨上がりのシティを全速力で走った為に付いたらしい。
実際のところは、スカートのみならず視界に入らない制服全体や脚にも結構な量の泥が飛び跳ねており。
どれだけ晴れが楽しみだったのかが窺える。
と、言えなくもない。

「ン〜…ま、着替えは置いてっから…ン?」

ガチャガチャ…

生来の細かい事を気にしない性格を余すことなく発揮して。
アツキが、ぽすっと音を立ててソファに座り直した時、玄関から物音がした。

…バタン…

「嬢ちゃん、来てんのか?」
「あ…オッサン、帰ってきたンかー?」

物音の主はヒノケン。
跳ねる様にソファを飛び越えて、アツキは玄関先へとヒノケンを出迎えに行く。
アツキが来た時点ではまだ外は明るく、必要無かったのだが…今現在は夜の帳に包まれ始め。
玄関先の照明をヒノケンが点けたところで、アツキが顔を出した。

「おかえりだべオッサン……って、ソレどスたべ?オッサン」

帰ってきたヒノケンを見て、一言。
アツキは素直に、ヒノケンの状態は何事かと疑問符を投げ掛けた。
その状態を端的に表現するならば。

「…オッサンっちゅう名前の泥、みたいな事になってるべ」
「…言い過ぎじゃねぇのかオイ」

どちらの言い分に賛同するかと問われれば、アツキの方が共感出来る。
何しろ、率直に言ってスーツ全身泥塗れがそこに立っているのだから。
伊達なんだから外せばいいのに、眼鏡にまで泥がぶっ飛んでいる。

「なスて、そげな事になったべ?」
「雨が上がったんで生徒の奴等が放課後に野球をしていてな…人数が足りねぇから入れっつうから、加勢してやったんだけどよ」
「…スーツのまま野球やったンか…」
「気が付いたら思いっきり熱中してて、三塁ベースに本気でスライディングしちまってよぉ」

…小学生vsオッサン。
どっちがガキかっちゅうたら、オッサンの方がガキだべな。
ボソリと、アツキは心の中で素直な感想を述べる。

「途中で相手側にマッハ先生が入った辺りから、更にマジでやっちまったからな」

言いながらスーツを脱ぐと、シャツも全面的に泥塗れ。
恐らく途中で脱いだらしい。
…前に思いっきり泥が付いているということは、まさかヘッドスライディングなのか。
どこまで本気で野球をしていたんだ。

「相変わらずオッサンは大人気ねぇべな…」
「るっせぇ。…そもそも、お前だって泥塗れじゃねぇか」
「…そうだけンと、オッサンには言われたくねぇべ…」

確かにアツキも雨上がりで浮かれ気分だったが。
ヒノケンの有様を見るに、同類にはされたくない。

「もー、分かったからオッサン、さっさと風呂サ入ってくるべ」
「言われねぇでも、そのつもりだ」

ぐい。

「…な、なンね、オッサン!」
「オメエも、風呂入って泥落とせよ」

アツキの腕を掴んで、ヒノケンは明らかに企んだ笑みを見せる。
平たく言えば、下心的。

「オ、オラは後でいいべっ!」
「偶には、背中のひとつも流してくれたっていいじゃねぇか」
「し、知らねぇべっ!って、言ってる側から脱がスでねぇべーっ!!」

制服のスカーフに手を掛け、問答無用で脱がしに掛かっているヒノケンに対してアツキは抵抗するが。
最初に腕を押さえられていて、逃げる事が出来ない。
そうこうしている内に外されたスカーフは床に落とされ、腕はスカートを外すべく伸ばされる。

「〜〜〜っ!…わ、分かったべ!一緒に入ればいいンだべっ!だ、だから…脱がすでねぇべっ!!」
「へっへっへ…そうそう、素直になるのも大切だぜ」

結局、脱ぐ事になるんだけどな。
と、付け加えるのも忘れない。

「…こ、このオッサンは…っひゃあっ!?オ、オッサンっ!下ろすべアホーっ!!」

自分の身体から手を離したヒノケンに、アツキが安堵したのも束の間。
視界が突如上方向に揺らぐ。
何事かと思えばヒノケンに姫抱っこされていて。
その状態に関して、ぎゃーぎゃーと恥ずかしさから顔を真っ赤にして騒ぐアツキを余所に。
そのまま、ヒノケンの足は浴室へと向かっていった。



ザ―――……
パシャ…パシャッ…

ここ数日聞き慣れた、激しい雨音にも似るシャワーの音。
ヒノケンは衣服の隙間から入り込んで付着した泥を、一先ず軽く洗い落として。
アツキにボディソープとボディタオルを差し出す。

「ほらよ、頼むぜ」
「う゛〜〜〜〜〜…」

一緒にお風呂に入る事ならば今迄でも何度かあったけれど。
アツキの気持ちとしては…まだ慣れていない。
見られる事も、見る事も。
洗い場の隅でもじもじしているアツキは、「どうしてもか」と言う様に上目でヒノケンを見る。
目線の答えは勿論、「どうしても」である。

…従わなかった場合。

どう考えてもヒノケンの事なので。
この後の展開を考えるに、コトの順番が変わってくるだけだという予想は容易。
了承してしまった時点でアツキもいい加減、その辺りの事が分からない訳ではない。
渋々、受け取ったアツキは。
半ばヤケクソ気味にガシガシと泡立て始めた。

「ほ、ホレ…オッサン…」
「おう」

ゴシ…

めいっぱい泡立てたボディタオルをヒノケンの腕に当てて。
極力お互いの裸身から目線を外して、黙々とアツキはヒノケンの身体を洗うが…偶に、チラとヒノケンの裸身を窺う様子が見える。
総てを直視は出来ないが興味には勝てない、そんな初々しげな様子。

「…へっへっ…」

その様子まで、を含めての魂胆かどうは分からないが。
こうした場面で見せるしおらしいアツキの態度を、ヒノケンは気に入っており。
可愛い視線に漏れた笑みに、アツキの方は癪に障った様だが。

「な、なンね!」
「いやー?普段どんだけじゃじゃ馬でも、こういう時はしおらしいモンだと思ってよ」

くっくっと、少しだけからかう様に笑む。
勿論、それには若干の挑発が込められていて。
勿論、アツキはそれに軽々乗るタイプである。

「な、何ぬかスべっ!べっ、別につィっとも恥ずかスくねぇべっ!!」

がしゅがしゅ。

「恥ずかしくない」という事を誇示する様に、気合を入れてアツキはヒノケンの身体を洗うのだが。
それが背中である辺り、直視出来ない事は否めないらしい。

「へっへっへ…オメエは本当、可愛い奴だな」
「るっさいべ!オッサンっ!!」

がっしゅがっしゅ。

顔を真っ赤にして俯きながら、ヒノケンの背中を思いっきり洗うというか。
摩擦させているというか。
そんな態度を取れば、益々もってヒノケンの思うツボなのだが。
どうあっても、反抗してしまう性なのだ。

「背中ばっかやってねぇで、前もしてくれよ」
「ぇ、え!ちょ…!」

アツキの不意…というか、俯いたままなので基本的に隙は大いに有り。
ヒノケンは身体を反転させて、アツキの身体を腕の中に収める。
ぴったりと抱き寄せられている訳ではないが、肩をしっかりと掴まれ脱出不可能。

「な、ちょ、ま、待たねっか!は、離すべっ!!」
「やだね」
「こ、こンのオッサンは〜〜〜っ…」

アツキが見上げたヒノケンには、相変わらず翻弄する笑みが浮かんでいて。
反射的にキッっと睨むが、当然ながら逆効果である。

「そんな可愛い顔すんじゃねぇよ」

ちゅ…

「…ぅ…あ、アホ〜〜〜…」

睨み上げたアツキの顔に。
ヒノケンはキスを落とした。
その行為にアツキはまた、しおしおと目線を落として縮こまり。
どうにもやり場の無い恥ずかしさを紛らわす為か、がしがしとヒノケンの胸板を洗う。

「も、もうそろそろ洗うのいいべ!」
「ンだよ、全身やってくれてもいいじゃねぇか」
「ぜっ…ば、馬鹿言うでねぇっ!!離すべもーっ!!」

べしっ、と。
ボディタオルをヒノケンにぶん投げて、腕の中から抜け出した。
そのまま、膨れっ面でそっぽを向いたアツキに。
ヒノケンはもうひと笑い零すと、全身を洗い上げて泡をシャワーで流す。

「……オラも、身体洗うべ……」

"ヒノケンは浴槽に浸かるのだろう"と判断したアツキは、自分も身体を洗う準備をしようとした。
のだが。

「…あれ?…オッサン、ボディソープ…どこサ置い…っひゃあっ!?」

にゅる…

気が付けば、自分が置いた筈の場所にボディソープが無い。
その所在をヒノケンに問おうとした、振り向き様。
ほぼ原液のままのボディソープを絡ませたヒノケンの掌が、背後からアツキの身体に這った。

「お返しに、俺もオメエの身体を洗ってやるよ」
「よっ、余計な事をスるでねぇべっ!」
「遠慮すんな」
「遠慮とかでねぇ…!…っ…ぅン…!」

きゅう…っ…
にゅむ…むにゅ…っ

「ふ、ぁ…っ…や、やっぱ…エロオヤジ、だ、べっ…オ、ッサン…っ…!…ンンっ…!」

掌はアツキの胸に触れ、這い回る。
その行為に先端は直ぐに芯を持って。
揉まれると同時に、集中的に先端を擦り上げて弄ばれた。

くにゅ…むに…ぐにゅ、むにゅうっ…

「ン、も…胸、ばっか…ぁっ…」
「ああ、それもそうだな」
「へ?…ちょ、ち、違うべ!そういう意味で…!…ンっ…!ひゃぅ…っ…」

物分りがいい。
という事では勿論、無く。
都合の良い解釈、である。
ヒノケンは背後からの腕を離してアツキの身体を反転させると、そのまま正面から抱き寄せて。
アツキの下肢へと腕を伸ばした。

くちゅ…ぬる、ぬるるっ…

「あ、やぁ…っ…!」

ボディソープの潤滑で普段よりも滑る感覚。
入り口を、紅い突起を、激しく指が行き来して原液は徐々に泡立ち。
そして、潤滑はボディソープだけではなくなった。

ぬるる…っ…ぬりゅ…ぬりゅっ、にゅちゅ…ぷちゅ…っ
…つ…ぅっ…

「蕩けてきたみてぇだな…」

一度引いたヒノケンの指先には、泡に混じって粘質の糸が纏う。
ソレを胸の中に居るアツキに見せて、羞恥を誘った。

「〜〜〜っ…や、はぁっ…!…あっ、アンっ…はンっ…!」

にちゅ…くちゅ、くちゅ…っ…ぷちゅぅっ…ぐちゅ…っ…!

激しさを上げられて、アツキの身体はビクビクと痙攣を繰り返す。
震える足は自分を支えきれず…ヒノケンの身体に縋り付く。

「はっ…はぁっ…あっ、あ…っ……あ、ンンっ…!」

ずぷぷっ…じゅぷ、じゅぷぅっ…!

その様子に頃合を見て、ヒノケンは指をアツキのナカに挿し入れる。
指を入れられたままナカを掻き回されたかと思えば、抜き差しを繰り返されてじゅぷじゅぷと卑猥な音が立ち。
そしてその振動で、愛液を纏う泡がぱたぱたと零れ落ちた。

スリ、スリ…ッ…
むに…っ

「ぁ、アッ…!や、だべっ…な、にスて…っ…!」

不意に。
抱き寄せていた腕を下ろして、ヒノケンはアツキのお尻を軽く撫で擦る。

「可愛いケツしてんな、お前」
「る、るっさ、いべ…ぇっ…ば、かぁっ…!」
「何だ、褒めてやってるんじゃねぇか」
「ンなこと言われ、て、もっ…ふ、ぅンっ…!ぅ、れスぃわけ、ねぇべ、ぇっ…!」
「ふ〜ん…」

スリスリッ…むにゅ…
……するっ……

「…!ぁ、あっ!ばっ、ばっかでねーのかオッサンっ!どどど、どこ触って、ぇっ…!」

双丘を愛でていた掌を割れ目に沿わせ。

…つ…ぅ……くに…

「そげ、なトコっ…!やっ、やだべぇ…っ…」

そのまま侵入すると、後ろに辿り着いて指を這わせた。
くりくりと、円を描く様に撫でられて。
アツキの羞恥は直ぐに限界に達する。

「〜〜〜っ…!やっ、やだ!ソレやだべっ!アホー!オッサンのアホ〜〜〜〜〜っ!!」
「分かった分かった…しょうがねぇな」

ずっ…ぷちゅ、じゅぷっ…!

「ン、ぁっ…!?」

後孔から指を離した感覚にアツキは安堵したのだが。
指は戻らずに進行し、蕩ける前に到達してナカを弄びだす。

ぐちゅ……ぷちゅっ、じゅぷじゅぷ…っ

「ぁ、ンっ!はンっ、ふあぁっ…あっ、やっ…あ、ンンっ!」

両手の、指で抜き差しを繰り返される。
交互に侵入してナカで暴れるソレに、アツキは抗えず。
朦朧と…そして、恍惚に揺れる顔をヒノケンに向けた。

「イイだろ、コレ…」
「ば、ばか、ぁっ…はっ、あっ、あンっ!あんッ、ふぁっ…!…ふ、ンぅっ…」

哀願、懇願。
口でいくら抵抗しても…アツキの顔には、そういった感情を含んだ表情が浮かび続け。
ヒノケンは、そんなアツキに口付けを落とす。

にちゅ、ぷちゅ…ぬりゅ…くぷっ…

「ふっ、ふ、く……ぅ…ンっ、んっ…」

ぞく…っ…

重ねられる口唇からは、くちゅくちゅと味わう音が漏れ。
上からも、下からも、甘い快感の波がアツキの身体に流れて。
ヒノケンの身体に縋り付く腕の力は強まる。
それだけ、足はもう支える機能を果たしていなくて。

ず、る…っ

「ひゃ、ぅ…」
「…足、辛ぇだろ」

指をアツキのナカから引き抜いたヒノケンは、洗い場の壁を背にして座り。
その上に、アツキを乗せようとした…のだが。

ずるっ。

「うひゃあっ!?」
「っだあああ!?」

べしゃ、びったーん! がしゃん!ザ―――ッ!!

「あいっツツツっ…」
「…オマエなぁ…ったく、大丈夫かよ」

ヒノケンとしては、アツキの身体を導いたのだが。
アツキの方はというと。
身体と同じ様に蕩ける意識と、おぼつかない足元。
座り込んだヒノケンの上に乗ろうとしたのだが、泡を思いっきり踏ん付けて滑り、倒れ込んでしまったのだ。
その際に空を泳いだアツキの手はシャワーホースを引っ掴み。
その衝撃で外れ落ちたシャワーが暴れ、二人が纏う泡を洗い落としていく。

「…ッ……オイ…もう少し上に来い」
「…へ?…え、あ…」

ヒノケンの予定よりも下に、アツキの身体が乗っていて。
腹の辺りに顎を乗せてヒノケンを見上げていたアツキは、それがどうかしたのかと思ったのだが。
つまり丁度、胸の下にはヒノケンの自身がある事に気が付いた。

「…〜〜〜っ!」

今もそうだが、行為の途中などでも。
恥ずかしさがまだ先行するアツキは、ソレに積極的に触れる事も無いし…それ以前に、直視する事が無い。
それが突如眼前に、目の当たりにする事になり。

アツキは、「何事か?」と視線を落としたまま固まっている。

しかし、その固まる思考の中で。
一瞬、ヒノケンが見せた反応を思い出した。

…むにゅ…にゅむ…

「…無ぇ胸で、無理すんじゃねぇよ」
「…なンね…こういうのが…イイ…ンだ、べ…?」

胸の合間にあるヒノケンの自身を、アツキは挟んでゆっくりと擦り始め。
既に熱く芯を持っている塊からは先走りが零れて、アツキの胸を徐々に塗らしていく。
自発的なアツキのその行為は、「気持ち良くさせたい」というよりも…「意地」である。
翻弄されっぱなしというのは面白くない。
アツキはその行為を、反抗の意志として行っているのだ。

にゅる…にゅむ、むにゅ…っ…

「…口も使えよ」
「はあっ?!な、何を言い出すべっ!!」
「お前のカマボコ無しのカマボコ板じゃ、イケねぇぞ」
「カマボコ板でねぇって何回言ったら分かるべ!オッサンっっ!!」
「大体、確かに視覚的にはパイズリはイイけどよ。感触的にはそこまでだぞ。そんなんじゃ俺はイかねぇぜ?」
「うぐぐ…」

結局、反抗を試みたところで大概はいなされてしまうか…余計な泥沼にはまるか、な訳で。
今回は後者である。
意地が先行しているアツキは、ヒノケンの思惑通りに行動を起こした。

「〜〜〜〜〜…っ……ンっ…」

ぷちゅ…

恐る恐るアツキの口唇は、先端に口付けられて。
ちゅく、と…少しずつ口唇を動かす。

くにゅ…にゅる…むにゅっ…
ちゅぷ、ちゅくっ…ちゅぱ…っ…

「ふぅンっ…ふっ…ふ、く…ぅっ…」

胸での行為も、口での行為も、初めてで。
それでもアツキは、拙いなりに行為を進める。

鈴口をなぞり、カリに舌を這わせて丁寧に舐め。
擦り合わせる胸も、休めずに続けた。

れる…ちゅく、ぴちゃ…

「…ちゃんと咥え込みな」
「……ン…ふ、ぅ…」

それは何か、やはり胸は宜しくないという事かと、瞬間アツキは思ったが。
意図としては自分の行為でヒノケンをイかせるのが目的。
アツキは胸から手を離して、おずおずと竿に手を添え。
咥内に…熱い、ヒノケンの自身を含み込んだ。

じゅぷ…

「ン、く…っ…」

先端を咥え込んだだけでも、アツキが想像していた以上の質量に顔が歪む。
それでも舌を這わせて、丁寧に舐ろうとするが…

「ふ、ぅっ…!…ぷはっ…げほ…っ…げほっ!」

喉元から込み上げる、咽返る感覚に襲われて。
アツキはヒノケンの自身から口を離し、ポロポロと生理的に零れてきた涙を流しながら咳き込んだ。

「無理なら別にいいぜ?」

そう言いながら、ヒノケンはアツキの頭を撫でるが…その中には、気遣いの他に少しだけ。
意地悪な笑みがあった。
そういう態度にアツキは敏感で。
何だか馬鹿にされた様な気がして。
ムキになるのが、アツキだ。

「…だっ…大丈夫…だべっ…!」

ちゅく、ちゅぷ…っ…

再びヒノケンの自身にアツキは口唇を寄せるが、先程の圧迫を思うと…流石に、すぐには咥え込めない。
口唇を、舌を這わせて、全体をゆるゆると舐め上げていく。

そして―――

「……ん、ンっ…!」

ちゅぷっ…じゅぶ…っ…

意を決したアツキは、ヒノケンの自身を深く咥え込んだ。

「ふっ、ぅンっ…んンっ…ンぅっ…」

ぢゅぷ…ぢゅっ…ちゅく、じゅぷ…

始めは戸惑い気味のストロークだったが、徐々に激しさを上げて。
風呂場特有の反響で、辺りには粘質の水音が…シャワーの音に紛れて響く。

くしゃ…

「可愛いヤツだな本当、オメエはよ…」

シャワーが暴れた際に濡れたアツキの頭を、今一度軽く撫でて。
自分に奉仕するアツキに熱が上がる。

「ン…!ふ、く…ぅ…っ…」

硬度と質量が咥内で一層増して、脈動さえも感じられる。
本当はもう、咽返して…離したいのだけれど。
上目で見たヒノケンの顔には、興奮の色が浮かんでいて。
"自分の行為で、感じている"…ソレを確信したアツキは、達せさせようとストロークを続けた。

ちゅぷ、れるっ…じゅぷ…ちゅく…

「ふっ、ぅ…ううン…っ…」
「…ッ…アツキ…出すぜ…っ…!」
「ン…!?…ふ、くぅっ…!」

びゅるっ…っ…どく…とぷっ…
ぱた…っ…ぽたっ…

「ふ、ぁ…ンっ…」

咥内に吐き出された白濁に驚いて、反射的にアツキは口を離す。
尚も出続けた白濁は、アツキの顔を濡らして。
トロンと、蕩けた顔をヒノケンに向けた。

すり…

「ンな、エロい顔すんじゃねぇよ…収まんねぇじゃねぇか」

口の端から白濁を漏らし、荒い呼吸を繰り返すアツキの頬をヒノケンは撫で。
何時もの余裕顔をしてはいるが…ヒノケンにも、荒い呼吸が窺えて。
もう、意地も何処かへ失せて熱っぽく蕩けるアツキに欲情する。

「…挿れてやるよ…」
「ふ、ぇ……ぶえっくしょんっっ!!」
「っだああああ!オメエなああああっ!!」

優しくアツキを抱き寄せようとした途端。
思いっきり眼前でくしゃみをされて、自分のが顔に飛んでくる。

「スっかたねぇべ!…ちょ、ちょっと…寒いべ…」

夏目前の風呂場とはいえ、居るのは洗い場。
行為でお互いの身体の熱は上がっていたけれど、半端に濡れた身体は冷えも伴っていて。
ずび、と。
アツキは鼻を擦る。

「ったく、しょうがねぇ嬢ちゃんだな…」

ヒノケンは転がっていたシャワーを引っ掴んで顔を拭い、苦笑しながらアツキと自分の身体を起こす。

「…ンじゃ、続きは風呂の中でするか」
「え、ぅ、うン…っ…」

アツキの身体を抱き締めて、ヒノケンは耳元で甘く囁いた。



ちゃぷん…

「ホラ、来いよ」
「う、うン…えっと…」
「……ああ、俺は前でも後ろでも、どっちでも構わねぇぜ?」
「う゛……」

先に湯船に浸かったヒノケンの上に、アツキは身体を委ねようとしたのだが。
体勢を一瞬迷った事を見透かされて…少し、恥ずかしさとふくれっ面が混じった顔をする。
その様子をやっぱり、からかう様にヒノケンは笑み。
アツキの身体を導き始めた。

「ン…う、後ろ…から、だべか?オッサン…」
「偶には、な…イイだろ…」

ヒノケンに背中を向ける形で湯船に足を入れると、腰を抱き込まれる。
そのまま、ゆっくりと浴槽に沈められて―――

ずっ…ズプ…ッ…ヌプッ…

「あっ、ふぅア…っ…く、ぅン…ひゃ、う…っ…!」

軽く秘部を触れられたかと思うと、根元深くまでヒノケンの自身を一気に挿し込まれた。
湯に包まれる中での、何時もとは違う感覚は…全部が、一つになれた様で。
後ろから抱きすくめられる事が、その感覚を一層加速させる。
朦朧として、蕩けるアツキの意識。
理性はもう…剥がれ落ちていて。
激しく、自分を達させて欲しいと―――
今はもう、それだけを願っていた。

けれど。

…ぎゅ…ぅ…

「オ…オッサ、ン…?」

ヒノケンは、動こうとせずにアツキを背中から抱き締める。
普段で、なら…この行為は、恥ずかしくも嬉しく思う事なのだけれど。
貫かれたままの、今のアツキにとっては―――
もどかしく、生殺しに近い。

「な、なぁ…っ…オッサン…ぅ…」
「ん?何だ?」
「なっ、"何だ"…って…そ、そンの…」

アツキからヒノケンの顔は見えないけれど、こんな時のヒノケンが見せている顔の想像は大体、つく。
意地悪そうな、アツキを翻弄する時の…愉しんでいる顔。
先程のくしゃみぶっ飛ばしに関して、ほんの少しの仕返しと。
もどかしさに揺れるアツキを、愛しく思う気持ち。
アツキを前にすると、愛しさもあるのだが…それ以上に悪戯心が、どうにもヒノケンの心に働いて。

「結構、無茶させたからな…激しくはしねぇよ」
「ぇ、えっ……ンっ…」

腕に込められる力を強められ、浴槽の中で密着度は高まり。
埋め込まれたままのナカで波打つ脈動は熱く、びくびくとアツキの身体が反応する。

「ふ、っあ…オ、オラなら…っ…だ、だいじょう、ぶだか、ら…ぁ…っ…」
「だから…?」

くんっ…

アツキの腰を押さえたまま、ヒノケンは身体を少し起こす。
微妙に変わる角度だけでも…トロトロになっているナカは過敏に快感を伝えて。

「ぁ、あンっ…!…わ、分かってる、ンだべぇっ…ケンイチ、ぃ…っ…」
「分かんねぇな…ちゃんと言えよ」
「ば、ばか、ぁ…っ…ケンイ、チは…いっか、い出スた…かもしンねっけ、どぉ…ォ、オラは…オラは、ぁ…まだっ…」
「だから、どうされてぇんだ?」
「……ぃ…イかせ、て…ほスぃ…べ、ぇっ…」
「よく出来ました」

ぐ…っ…ざぱっ…
じゅっ…じゅぷ、じゅぶっ…!

「ふぅ、あっ!?…あ、アンっ…ひゃぅっ…あっ…は、ぅ…っ…!」

懇願の瞳をヒノケンに向けて、アツキは欲する感情を曝け出す。
その言葉を切欠にして。
ヒノケンはアツキの膝裏を抱えると、下から激しく突き上げた。

ずっ…じゅぷ、ぢゅぷっ…ぐちゅ…
くにゅ…ぬりゅ、ぷちゅ…っ…

「あ、あっ、やぁっ…!イ、れたまンま、で…っ…ソコ、弄った、らダメだ、べ…ぇっ…!…ひっ、あ、くぅ…っ…!」

膝裏を抱え上げる腕は片腕だけで。
変わらずアツキの腰を押さえていた腕を、下肢に下ろす。
突き上げるストロークはそのままに…芯を持って疼く、紅い突起を擦り上げる。

ぢゅぷ、ぢゅぽっ…ずぷっ…ごりゅっ…ずりゅ…っ…
くちゅ…ぬりゅりゅっ…ぬる、ぷちゅぅ…っ…!

「ふっ、ぁっ、やぁ、あっ…あっ…!…こ、げな、の…す、すぐイっちゃ、ぅ…べぇ…っ…ふ、ぐ、ぅ…」

絶え間無く押し寄せられる快感に耐え切れず、アツキの身体は弓なりに反って反射的に逃れようとする。
反らされた、その顔にヒノケンは貪るように口付けて。
両腕を下肢から離して、掌をアツキの胸へと向ける。

ちゅっ…ちゅく、ちゅ…ちゅぷっ…

「ふぅ…ンん…っ…!…ふ、く…ンンっ…」

ストロークを緩めて、甘いキスに没頭して。
胸を這う掌は高鳴る鼓動までも包み込み、先端を擦る。

「はっ…ふ、くぅっ…」

銀糸を引いて離した口唇。
くにくにと胸は弄ばれたままで、ピクピクと身体は反応し続ける。

「…ケン…イ、チ…」
「…ああ、イかせてやるよ…」

ざぱ…んっ…

「ひゃ、ぁうっ…!」

後ろから挿し込まれたそのままで、浴槽から完全に身体を起こす。
その感覚にビクビクと震えるアツキの身体を、ヒノケンは抱き締めて。
落ち着くのを待った。

「…壁に、手ぇ付きな」
「う、ンっ…」

ひたっ…

アツキは壁に手を付くものの、既に腕は震えていて。
がくがくと、足も快感で揺れるのが収まらない。

「…オ、ラ…すぐ…イっツま、うと…思う、けンど…」

気を落ち着かせようとする中で、アツキは不意にヒノケンに顔を向ける。

「……いっぱ、い、スて…い、いべ…っ…」
「…可愛いこと言うじゃねぇか…勿論、口だけじゃねぇよな?」
「あたり、め…だべっ……く、ぁンっ…!」

ぢゅぷ、ぢゅぽ…じゅぶっ…

「ンあ、ぁあっ…!あンっ、アンっ…!いっ、ぅ…っ!」

きゅぅ、うっ…!
びく…びくん…っ…

「…ッ…」
「はっ、はっ…はぁ…」

身体を進め、ナカを掻き回して直ぐに…アツキは達した。
ずっと溜め込んでいたモノが、一気に剥がれ落ちて。


でも身体は、まだ欲している。
もっと、もっと―――


ぐちゅ…ぢゅぷ、じゅぶ…じゅぷっ…!

「…っ…!…ア、ぁ、やぁンっ、あっ、あン…っ!」
「嫌、じゃ無ぇだろ…まだ、満足してねぇだろ?アツキ…」
「くぅ、ンっ…!…ふ、はぁっ…あっ…うンっ…も、っと…スて、ケンイチ…」

ずちゅ…ずちゅっ、ずっ…

「あっ、あぅっ…はンっ、かふ、ぅっ…」

後ろから突き立てながら指をアツキの口に添わせると、アツキはその指に舌を這わせる。
指先まで、口の中までお互いは熱くて。
絡み付いてくる"部分"が、"全部"に行き渡って熱を上げた。

「ぷは…っ、あっ、アンっ、また、ぁ…イったばっか、なン、にぃ…っ…!」

び、くぅ…ビクンっ…

「…ふ…ッ…また、イったのか?」
「う、ンっ…イきっぱ、なしで…オラ、ぁ…おかスく…な、りそ…だべっ…」

軽く起こる快感の波は止め処無く。
もう、何度もアツキの身体は…蕩け、達し続けていた。

「ンじゃ、最高に熱いのをくれてやるぜ…」
「え、ぁ…っ…」

ずる…っ…

アツキのナカから自身を引き抜いて、身体を反転させる。
ぼうっとヒノケンを見上げるアツキに壁を背にさせて、足を割り開くと―――

片足を抱え上げて今一度、自身をナカに深く埋め込んだ。

ずぷ、ぷっ…じゅぶっ…!

「はっ、アっ、ふぁあンっ…!…ふか、ぃべっ…おく、まで…ぇ…っ!」

抱えられ、支えられているとはいえ、自身の重力で更なる深みへと達する体勢。
浴槽の水面が揺れる水音と。
繋がった部分から発せられる、粘質の水音。
そしてアツキの嬌声が、反響する。
トロトロの愛液は零れ落ちる程で、ヒノケンの自身を包み込み。
熱く纏わり付くソレが…心地良くて、もっと、貪りたくなる。

ずちゅ、ぐぷっ…じゅぶ…っ…

「あっ、あンっ、はン…っ…!…く、るぅっ…おっき、いのが、くる…べっ…ケ、ンイチ…っ…!」
「…ッ…出す…ぜっ…」

ずっ…!

「ン、ぁっ…あっ、イ、く…イクぅっ…!あッ、あン…っ…!」
「…っく…!」

びゅくっ…びゅる、る…っ…ぱたたっ…ぱた…っ…

「ふ、ぁ…」

一層、深く突き上げた…衝撃にも似た快感の波。
ヒノケンの身体に縋って、その波に震えたアツキは達して。
そんなアツキの身体の上に、ヒノケンはありったけの熱を飛散させた。

「…ふにゃ…」
「…お、おい、アツキ…?」

射精の余韻から、身体を落ち着かせていたヒノケンに…アツキの身体がもたれ掛かる。
抱え上げる足を下ろし、ゆっくりと体勢を整えて抱き寄せると―――

「……気ぃ、失ってんのか?」

意識の無い人間の、身体の重さ。
くてんと自分に身体を預けるアツキに笑みを向けて。
丁寧に隅々まで互いの身体を洗い流すと、ヒノケンは入ってきた時と同じ様に。
アツキを姫抱っこで抱えて浴室を後にした。



「……ン…?」

(…オラ…着替え…たっけ…?…ちゅうか、風呂から…どうスた…っけ…)

朦朧とする意識ながら目覚めたアツキが周囲を確認すると、ヒノケンのベッドの中。
形跡から察するに、今現在隣には居ないけれど…ヒノケンも寝ていたらしい。

「起きたか?」
「…あ、う、うン…オッサン…」

紫煙と、独特の香りが室内に広がる。
煙の元にアツキが目を向ければ、数本目の煙草に火を付けたヒノケンが居て。
PCに向かい、適当にネット探索をしている様だった。

「俺も、今さっき起きたばっかだけどな」
「ン…そっか……って、オッサン」
「何だ?」
「……今、何時なンだべ?」
「昼過ぎ、っつうか…もう、夕方に近いな」


へ?

えーと。

風呂に入ったンが、夜で。

今は夕方近く。


「ご、午前中からどっかに出掛けたかったンに!オ、オッサンのアホー!!」

既に休日の日は傾いて。
また、夜の帳が落とされる時間は近付いている。
その事実を知ったアツキはがっくりと肩を落として。
ぼすん、と枕に倒れ込む。

「俺のせいじゃねぇだろ…あんだけ、悦んでたんだからよ」
「る、るっさいべーっ!」

いちいち、思い返させてくれるヒノケンに抗議しながらも。
否定し切れないのが悲しいところ。

「へっへっへ…ま、何だ…腹減ったろ、メシ食いに行こうぜ」
「う゛〜〜〜…うン…」

デスクから離れてベッドに近付いたヒノケンはアツキの頭をくしゃくしゃと撫でながら、少し短いけれども本日のデートに誘って。
次の休日、晴れたら―――どこかに連れてってやるよ、と。
耳元で付け加えた。

キスを重ねる二人の後ろで、ヒノケンのPCモニターはウェザー君の週間予告を開いている。
平日からは、また梅雨空で。


次の休日の予告は、晴れ。

■END■

2006.07.01 了
2020.02.12 加筆修正
clap!

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