【Rockman.EXE@】
燃え上がるココロとカラダは貴方のせい
「オッサーン!オラ、暇でスかたねぇべー!」
「俺は暇じゃねぇんだよ」
「…ぶー…」

先程から、PCに向かいっ放しのヒノケンの後ろで。
アツキは文字通り、ぶーたれていた。

「…そら、勝手に遊びサ来たンはオラだけンと…ちっとくらい、相手スてもいいでねかー!」
「俺は今日中に、このレポートを作らなけりゃならねぇんだっつうの」
「…むー…」

自分の方に振り返りもしないヒノケンの背中に向けて、アツキはふくれっ面で抗議する。

「…まーだ、作るの終わらねンかー?」
「もう少し掛か…だぁあ!間違えたあああっ!!話し掛けるんじゃねぇよ!!」

デスクチェアを回して、ヒノケンはアツキの方へ振り向き様に怒鳴るも。
ふくれっ面&じと目で無言抗議中のアツキと目が合って。
ちょっと、笑いそうになった。

「…何、笑ってるべオッサン」

堪えたつもりだったが。
若干、顔に出たらしい。

「…いんや、何でもねぇ」

そんな顔を見ていたら怒るのも冷めた、といったところか。
同時に寧ろ、相手をしてやれないのが悪い気もしてくる。
しかしながら物事の順番は順番で。

「…まだ終わらねぇからよ、いい子だからリビングに行ってな」
「……分かったべ」

ぷくぅと、ふくれっ面のままではあるが。
自分がワガママを言っている事は、アツキ自身も分かっている。
素直に引き下がったアツキは、ヒノケンの私室を後にした。



「ふーンだ…」

ギシッと、スプリングを揺らして。
アツキはリビングのソファに身体を投げ出して横になる。

「…オラ、だって…」

さっきから、ずっと。
身体が…芯から熱を帯びている。

「こげな日も…あるべ…」

ぎゅ、と。
近くにあったクッションを引き寄せて抱き締める。
ヒノケンがいつも定位置で座る場所にある、クッション。

「…あ…」

アツキ自身は、そんな事を意識せずに手近なそれを掴んだのだが。
不意に身体が覚えている匂いを捉えて。
また、熱が加速する。

「…オッサン…」

ぎゅう、と。
腕に込める力も加速して。
今、自分が何を欲しているのかを。
更に自覚させられた。

「……ン…っ…」

くちゅ…

恐る恐る、アツキがパンツの中へ掌を差し入れると。
指を伸ばしたソコからは、濡れた音が響く。

(…ンでも…こ、こげな事…オラからオッサンには…い、言えねぇべ…っ…)

でも、欲しい。
ヒノケンが、欲しい。

だから来たのだ。


それは変えられない。


くちゅ…ちゅっ…

「ン…っ…んんっ…」

ヒノケンの事を、思い返して。
…重ねた行為を、思い返して。
這わせた指が意志を無視して蠢き始める。

(…ッ、だ、め…だべ…ここで、こげ…な、ことスた、ら…っ…!)

けれど。
既に自分の行為を止めようとする理性は薄く、身体を包む熱は徐々に思考を希薄にしてゆく。

熱くて、自分が熱くて堪らない。

熱を冷ます方法は分かっている。
身体中の全ての熱を最高に高められる様な。
そして、その全ての熱を貪欲に奪われる様な。


ヒノケンとのセックス。


「…オッサンの、馬鹿…」

自分がどういう状態なのか、言いも態度にも出さないが察しろ、というのは無茶な話だとアツキも思う。
思うが。
アツキ自身、今まで知らなかった「求める」感覚をどうしていいのか分からないのだ。
自分の身体を拓いたのはヒノケンで。
結論としてアツキは、この悶々とするぐちゃぐちゃな感情の責任を…やはり、ヒノケンに押し付けた。

(ま、だ…終わンねとか…言ってた…べ、な…)

くちゅっ…ちゅく…ぷちゅ…っ

「ン、ん…もっ…知らね、ぇべっ…!」

ちゅ…ズッ…

「ふ、ぅ…っ…ふっ…!」

胸元で抱き締めるクッションを顔の近くまで引き上げてキツク抱き締め直し、声を押し殺す。
そして固く目を閉じたアツキは、ヒノケンが与えてくれる行為を想いながら…入り口で躊躇っていた指をナカへと挿し入れた。

ちゅぷっ…ちゅく、ちゅくっ…

「ふ、ぅ、ンん…っ…ンっ…ンンっ…」

ビクビクと、熱くなっている身体は直ぐに反応を始める。
抱き締めるクッションからは、想うヒノケンの匂いが流れ込んで。
行為の加速を助長させた。

「ふぅっ、はぁ、はっ…はーっ…く、ふ…」

ぷちゅ、ぐちゅ…ぐちゅ、くちゅっ…

激しさを増して止められない自分の行為。
上がり続ける熱に耐えかねて、アツキはクッションから顔を上げて荒く酸素を取り入れる。
纏わり付く衣服が邪魔で。
少しだけ残る理性も邪魔をしたけれど。
盛る欲には勝てず、ゆるゆるとアツキは下肢の衣服を取り払った。

「は、ぁっ…も、っ…オッサン、の…アホぉ…っ…」

身体の熱は、上がる。
でも…

足りない。


自分のじゃ、やっぱり、収まらない。


この場に居ないヒノケンに悪態をついてもどうしようもないけれど、つきたくもなる。
ヒノケン以外じゃ駄目だと感じさせる身体が、そうさせる。

するっ…

「ン、ふぅ…っ…」

着ていたシャツと下着を捲り上げて胸元も露にしたアツキは、クッションを握る腕を離して自分の胸へと掌を這わせた。
収まらなくても、ここまで来ては…収めるしか、ない。

「んっ…うン…っ…!」

きゅうっ…

先端を弄ると、熱さの中に痺れるような感覚が身体を伝う。

「ふ、ぅあっ…あン…っ…あっ、あぅっ…」

ころんと、仰向けの身体を横にして。
少し、身を縮こまらせる。
圧迫する様に身体と掌を密着させて、深く快感を得ようとした。

くちゅ…ぷちゅ、ちゅくっ…
すり…っ…きゅうぅっ…くりゅくりゅっ…

「く、ふぅンっ…はぁっ……や、っぱ…大きい方が…いい、ンかな…ぁ…」

さほど、ヒノケンと出会うまでは自分の胸に関してコンプレックスを持った事が無い…というよりも寧ろ。
「無くて結構、邪魔だし」くらいの事を思っていたアツキだけれど。
一度、意識してしまうと…気にはなる。

「ん、ンンっ…!」

ぢゅぷ、ぢゅぷぷっ…きゅっ…

胸への意識を振り払う様に、アツキはナカへの快感を強める。
咥え込ませる指を増やし、固く芯を持つ紅い突起にも指を這わせた。

「くふ、ぁっ…あンっ…」

トロトロと溶け出る愛液を纏って、指は滑らかに動き。
擦り上げた紅い突起からはジンジンとした熱さを持って、身体全体に広がる甘い痺れを発する。

くちゅくちゅっ…ぬりゅっ…ぬちゅ…っ…!

「ア、んっ…ンっ…オ、ッサン…ぅ…オッサンっ…!」

アツキは身体を、一層縮こまらせて。
想う相手が自分にシている事を、浮かべて。
身体を、達させようとした。

「ふ、くぅン…っ…」

ちゅっ、じゅっ…ぢゅぷっ…ぢゅぷぅ…っ…!

「ん、ア、も…も、うちょ、っと…ぉ…っ…もう、少し…で、クる…べっ…!」



「手伝うか?」



!?!?!?!?!?


「ぎ、ぎあああああああああ―――っっ!?!?!?」

ガクンッ…!

「っと!危ねぇな…つうか、お前ソレ女の悲鳴じゃねぇぞ…せめて濁点を取りやがれ」

いかにも「五月蝿い」といったジェスチャー的に小指で片耳を塞ぎ。
片腕はソファから転げ落ちそうになったアツキを支える。
その人は、ヒノケン。

「え、あ、ど、な、なスて!オ、オッサン、何時からそこサ居たべ―――っっ!?」

ソファの向こうに居るヒノケンを確認して、アツキは明らかに動転した絶叫を上げた。

「別に、俺の家で俺が何時何処に居ようが勝手だろうが」
「そ、それはそうかも、だけンと!!」

言われてみれば、確かに最もな話なのだが。
動転しきっているアツキには、やはり何故ヒノケンが此処に居るのかを問いたくなる。

「…寧ろ、質問があるのは俺の方だぜ?アツキ…」
「…ぅ、あっ…」

ずり落ちそうになっていたアツキの身体を、再びソファの上に完全に戻し。
ヒノケンは回り込んで、アツキ身体に視線を落とす。

「何、してた?」
「なっ、なっ…何、って…そ、そげな、事っ…」

普通、言えない。
というか。
言わずとも、ヒノケンの顔は…全て分かっている、顔だ。

「んん?」

ずい、と。
身体を支えた際に掴んだアツキの腕を離さず、顔を近付ける。

「一人で楽しそうなコトしてんじゃねぇよ…」

するっ…

「ひゃ、ぁンっ…!や、ま、まっ…待つ、べ、ぇっ…!」

くちゅ…ズッ…ぷちゅっ…ぷちゅぅっ…

「あっ、ぁああンっ!」

ヒノケンはアツキの下肢へ手を伸ばし、蕩けたソコに躊躇無く指を差し入れて抜き差しを繰り返す。
けれど…そう、激しさは無い。
明らかに焦らしている。

「イキそびれて、辛ぇだろ…」
「ん、ンンっ、く、ふ、ぅ…っ…」

ふるふると、微弱に繰り返される快感に身悶えるアツキの耳元に口唇を寄せて。
意地悪く囁く。
ヒノケンがアツキに声を掛けたタイミングは…完全に、確信犯だ。

じゅっ、じゅぷっ…

「あ、ぅっ…ぁンっ…!あンっ…あンン…っ…」

アツキは自分に覆い被さるヒノケンに、自由な腕を伸ばして縋り付く。
何であれ…「欲しい」事実に、変わりは無いから。
焦らされても、それでも良くて。
この行為を長く受け入れたかった。

ぎゅ…

「ン…あ、ぅ…」
「身体全部が熱いな、お前…」

掴んでいたアツキの腕を離し、身体を抱き寄せる。
全身が火照ったアツキの身体は、ヒノケンが欲する熱の有り様に相応しい。

「…オ、ッサ、ぁン…っ…」

捉えられていた腕が解放されて、ヒノケンの身体に縋り付く腕が増える。
自分が今、どれだけ欲しているのかを伝えたくて。
自分の熱を、もっとヒノケンに感じさせる為に。

「…可愛いぜ」

ぢゅっ…ぢゅぷ、じゅっ…ぷちゅ…!

「あっ、あンっ、あんっ!あ…ン、ふぅンっ…」

口唇を重ねられて。
上も、下も、全部ヒノケンに支配されてゆく。

ちゅく…ちゅっ…
ぷちゅぅ…ぬりゅっ…ぬりゅ…っ…

「ふぁっ…オ、ラぁ…それ…っ…!」
「弱ぇんだろ?」

アツキのナカを掻き回しながら、主張する紅い突起を撫で擦る。
しかしそれも、決して事を性急に進める為の行為ではなかった。
見計らった様に、アツキの身体には快感の波が幾度も走るけれど…決して、達しはしない。

「オッサン…っ…な、ぁっ…」

身体も気持ちも、充分過ぎる程…出来上がっている。
触れられる、この行為を止めてほしくはないけれど。
息も出来ないくらい感じさせられて、アツキは一時の解放を望む。


達させてほしい、と。


…ずる…っ…

「ぁ、ンっ…」

アツキのナカから指を引き抜き、ヒノケンは身体を起こそうとする。
しっかりとヒノケンを抱き締めていたアツキは、その妨げにならない様に腕の力を緩めて身体を離した。
求めている事を、してくれる。

その合図だと思って―――

ぐ…っ

「…ぇ、え…っ…?」

足を持ち上げ、割り開かれ。
そこまでは、いい。

そこから違ったのは…
膝裏を押し進められたかと思うと、ヒノケンはアツキの秘部に顔を埋め始めたのだ。

「ちょ、っ…!オッサン、な、なにスて…!…ひゃうっ…!」

ちゅっ…

太腿にキスを落とされて。
その口唇は、アツキの濡れた秘部に向かう。

れるっ…ちゅぷ…っ…

「ばっ、か…っ…!そ、げなトコ…な、舐め…っ…!…あ、ンんっ…!」

その行為に戸惑い、困惑するアツキを余所に。
ヒノケンは舌での愛撫を止めようとはしない。

じゅっ…じゅるっ…

「あ、あっ、く…ぅンっ…!ひ、はぁ、う…ンんっ…」

ねりゅ…じゅ…ッ…ごく…

「の…飲ンだり、スるで…ねぇ、べっ…!」
「…指より、舌の方が好きそうじゃねぇか…えれぇ量だぜ?」
「ン、くぅっ…ちがっ…!」

ねちゅ…ぬちゅりゅっ、にちゅ…

「アっ、あンんっ!や、ぁ、舌で…そ、こはダメ、だべぇ…っ!」

粘質の音を響かせて。
ナカ、と。
紅い突起を…舌で掻き回す。
滑る、指とはまた違う感覚に身悶えて。
晒している羞恥に、身体が熱くなる。

ぬちゅ、ぬりゅっ…じゅぷ…

「ン、やぁ、もぅ…っ!…イっちゃ、ぅ…っ!…ひぁンんっ、あ、ンっ…!」

びくっ、ビクン…ッ

じゅ…っ…ぢゅるう…ごきゅ…

「…は、ぁーっ…はぁ、はぁンっ…」

身体を解放されて、アツキはソファに足を投げ出す。
達して荒く繰り返す呼吸は止まらず、衝撃にも似た快感で涙が零れた。
そんなアツキの顔を見下ろして。
口に広がった愛液を軽く拭うと、今一度ヒノケンはアツキに覆い被さって顔を寄せる。

「オッサ、ンの…ばか、ぁ…」
「何だ…イキたかったんだろ?」
「そっ…だけ、ンと…舌な、ンかでねく、て…」
「俺が居るのに、一人でスる様な悪い子だからだ」

ちゅ…

「ン、ん…」

口唇を重ねて、軽く割り開いて侵入する。
拭いきれなかった愛液が行き来して、触れる感触を一層蕩けるモノにして。


トロトロに、なる。
カラダが。
ココロが。


本当に一つにはなれないけれど。
限りなく一つに近くなれる行為。


それが欲しい。

「ぷ、は…っ……じゃ、ぁ…い、れて…くれねぇ、べ…か?」
「馬鹿言え、それは俺の方が限界だ」
「あッ…ン、ん…ぅっ…!」

っ…ぐちゅ…ぐりゅぐりゅっ…

ヒノケンは、取り出した自身を濡れるアツキの秘部に当てて、撫で回す様に円を描くと…アツキも、分かった。
熱く、硬度も質量も増したソレはアツキを欲している。

ズ、プ…ズズッ…!

「く、ぁ、ああンっ!あっ、ああっ…!」
「…!お、前…っ…挿れただけで…またイク奴があるかよ…っ…」

きゅうきゅうと、アツキのナカはヒノケンを締め付けてくる。
軽く…達した。
ヒノケンとしても、高揚した気持ちは事実限界で。
その吸い付く様な良さに、全てをナカに吐き出しそうになった。
挿入して直ぐ…というのは、ヒノケンとしてはプライドに触る。
ギリギリで耐え、アツキが落ち着くまで…と、心中で名目するが。
自分も身体が整うまで、動かす事はしない。

「だ、って…ずっと…こ、うスてほスかった…ンだ、べ…な、ンに…」

ぽろぽろと、押し寄せた快感で涙を零しながら。
アツキは徐々に気持ちと身体を落ち着かせる。

「言ったろ?一人でスる様な悪い子だから、ってよ…いい子になるか?」
「…な、るべ…っ…だ、か…らっ…!…ひぁうっ…ン、んぅっ…!」

じゅぷ…っ…ずちゅっ、ずっ…!

アツキの答えを聞くか聞かないか。
最も、返答は何でもよかったのかもしれない。
ヒノケンは居心地の良いアツキのナカで、深い律動を開始する。

「あッ、あンっ、く、ふぅン…!オッサ、ン…っ…」
「イイ、か?アツキ…欲しかったんだろ?」
「う、ンっ…オ、ッサン…」
「…何だ?」
「ン、くぅ…オ、ラ…ぁ…気持ち…よくって…よス、ぎて…っ…身体がぁ、おかしくなる、くらい…熱い…べ、ぇ…っ」

重ねる行為以外が、どうでもよくなりそうで。
ずっと、浸っていたいと…思えて。

「…いいじゃねぇか、それでこそ俺の女だぜ」
「え、ぁっ…きゃ、うっ…!…あっ、ああン…!」

ぢゅぷっ、じゅ…ズッ…ずちゅ…!

ギシギシとソファのスプリングは激しい音を立てる。
そしてそれ以上に、繋がった身体からは熱い水音が響いて。

「あン、あん…っ、そンなに激スく、された、らぁ…!」
「…イキそうか?」
「う…ン、っ…ケンイチ、ぃ…ンふ…ぅっ…」

律動を止めず、ヒノケンはアツキにキスを落とす。
最奥へ突き入れて、そこで留めると…甘く、深い口付けを交わした。

「ンっ…んん…」

留められたアツキのナカは、もう全て蕩けてしまったんじゃないかと思うくらい熱を帯びていて。
時折感じられる微かなヒノケンの脈動ですら、過敏に感じられる。
ピクンと、その度に身体は跳ねて。
重ねられた口唇も、震えた。

「…ふぅっ…んンっ…ん、ふぅうっ…!」

不意に身体を起こされて、アツキは反射的にヒノケンにしっかりとしがみ付く。
角度を変えられてまた、一層深みに連れられて。
止めていた律動を、再び上下に繰り返される。

ぐちゅ、ずちゅっ…ぷちゅ、ぢゅぷ…ぅっ…

「は、ぁっ、あっあンんっ!あンっ…!ケンイ、チ…もっ、ら、めぇ…!あン、ま、またイっツまぅ…べぇ…っ!」

ビクン…ッ…きゅうっ…きゅ…っ…

「…ッ!…あ、ぶね…っ…」

びゅくる…るる…っ…びゅる…びゅぶッ…!

「ふ、ぁ…はぁっ…」
「アツキ…」

達したアツキの身体から自身を引き抜き。
ぱたぱたと、ヒノケンはアツキの身体に白濁を描いて。
全てを吐き出終えると、身体も心も放心するアツキを抱き寄せて…その身体を優しく撫でた。



「…むー…」

湯上りほかほかでソファに腰掛けたアツキは。
やっぱり、ふくれっ面だった。

「何だ、どうした?可愛かったぜ?」

アツキの隣に座り、ヒノケンはアツキの肩を抱き寄せる。

「る、るっさいべ!…オ、オッサン、は…い、意地悪…だった…べっ…ちゅうか…」

これまでの流れを思い返し、少々意地の悪かったヒノケンに抗議しようとするも。
そもそも見せてしまった自分の行為も思い出し、羞恥で真っ赤になりながらアツキは身体を竦める。

「へっへっへ…これに懲りたら、約束した通り…いい子にしてろよ」
「……むぅー……」

ニヤニヤと、半分以上からかい気味で言うヒノケンに。
ちょっとアツキは釈然としない。
しない…が。

「しかしまぁ、意地悪されんのも中々…刺激的で良かっただろ?」
「む、むぅ〜〜〜…」

…事実、良かった、らしい。
益々縮こまったアツキに笑みを漏らして、頭を撫でる。

「…構ってやれねぇのが多いのは悪ぃけどよ、シたい時はちゃんと言えよ」
「いいいいい言える訳が無ぇべーっ!!」
「じゃあ、悪い子なんだな?」
「む、むむぅ〜〜〜っ…」

完全にからかわれて、しかしどうにも反論しかねるアツキ。
漏らす笑みを隠そうとはせず、アツキを抱き寄せる力をヒノケンは強めた。

「…ま、可愛いお前が見れりゃ…俺はどっちでもいいんだけどな」
「う…オ、オッサンの…アホ〜…」

とす、と。
ヒノケンの胸元に頭を寄せて、アツキは鼓動を聞く。

アツキも。
ヒノケンになら…どっちでも、いいから。

「…ところで、よ」
「…何だべ?オッサン」

余韻に浸って、まったりとした時間を二人は過ごす。
そんな中、不意にヒノケンが口を開いた。

「……まぁその…乳は、これからデカくなりゃいいんじゃねぇか?」

むに。

……

「…オ…オッサンの…アホおおおおおお〜っ!!さ、最低でも、そっから見とったンかああぁぁああーっ!!」
「いでででで!テメエ!髭を引っ張るんじゃねぇ!!」
「るっさい!こンのエロオヤジは―――っっ!!!」

静かな余韻は何処へ行ったのか。
アツキはドスドスとヒノケンの腹に拳を飛ばして。
二人は何時も通りの、熱くて騒々しい恋人達に戻っていた。

■END■

2006.05.30 了
2020.02.10 加筆修正
clap!

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