【Rockman.EXE@】
初めては甘い甘い蜜の痛み【RE】
「…スかー…スかー…スぅ…」
「…へっ…まったく、嬢ちゃんときたらよ」
たった今、才葉学園から帰宅したばかりのヒノケン。
明日は休日なのだが、場合によってはリンクナビの授業を受け付ける為に学園へ向かう事もあるヒノケンだけれど。学園設備の定期点検が入っている事から、久し振りの完全な休み。
しかしそれ故に、第一研究室での自身の研究作業を今日の内に進めていた結果、自宅に帰り着いた頃にはそれなりに夜が深まる時刻となっていた。
玄関を開けて照明を点けたところで視界に入るアツキの靴、明日は完全な休日だと連絡を入れて、すぐさま来た返信にはヒノケンの家で待っている旨がメールに書かれていたので。
アツキが居る事は、意外ではないのだが。
「なんつう寝相をしてやがるんだかな」
リビングの電気は消えたままでアツキは居らず。
一先ず着替えるべくヒノケンが寝室のドアを開けると、仄かなオレンジの常夜灯が点いており、堂々と大の字で眠るアツキを発見してヒノケンは呆れ顔。
ネクタイを緩めながら静かに寝室内へ入って寝ているアツキの傍へ寄れば、アツキは才葉学園の制服のまま眠っていて、寮には戻らず学園から直接ヒノケンの家へ来たのだと窺える。
「スぅ…スぅ…スかー…ッ…」
「呑気に寝やがってよ、男の家だぜ?」
少し口角を上げて笑むヒノケンは、ベッドに腰掛け。
緩めたネクタイを外してベッド脇のナイトテーブルへ適当に放り、ついでに眼鏡も外し置いて、スーツとシャツのボタンも幾つか外せば意識せずにいた締め付けから解放された心地。
学園での顔から、一人の男としての想いを抱く顔へ。
「ンン……オッサン……へへ…むにゃ…」
「……この…ったく、襲っちまうぞ?」
冗談混じりの口調だけれども。
夢を見ながら、きっと自分の事を呼んで幸せそうな寝顔を見せてきたアツキに火は灯され。
ベッドを軽く軋ませヒノケンはアツキに覆い被さり。
ゆっくり、無防備なアツキの頬へ寄せる口唇。
…ちゅ…
「…ン…」
口唇を柔らかな頬に触れさせたままアツキの様子を窺うが、起きる気配は今のところ無く。
するりと流れに任せる様、重ね合わせて。
ちゅ、ちゅう…っ…
「ん…ふ…ンッ…?」
枕とアツキの後頭部の間に手を滑り込ませてしまい、引き寄せつつ口唇をじっくり味わう。
流石にアツキは夢から覚めようとしているのが知れたが、それで遠慮する気は無いらしい。
「…ンッ…ふ、ぅ…ン、んン…?」
ゆるゆると開かれたアツキの視界。
何故かふわふわした、しかし息苦しさを伴っている事とヒノケンとの近過ぎる距離の意味。
それらを理解するのに少々アツキは時間を必要とし。
暫し、目を開いてもされるがままにキスを受け止めていたが、漸く寝ている間にヒノケンからキスをされているのだと我が身の状況を把握し、完全に目を覚ます。
「ンンんッ?! …ぷぁッ…はぁッ、ちょ、な、なにスてるンだべ! オッサ…ン、ふぅ…ッ!」
一瞬目を見開き。どうにかヒノケンから口唇を離して酸素を求めつつ抗議の声を上げるも。
しかし、すぐに再びより情熱的に塞がれ。
酸素を求めて口が開いたのを良い事に、ヒノケンはアツキの咥内へ舌を捩じ込んでしまう。
にゅる…ちゅ、ちゅくっ…ぬるる…
「ン、ん…ッふ…ぅ…ッ…」
アツキの舌を絡め取り交わらせながらのキス。
目覚めたとはいえ、まだハッキリと定まりきっていないアツキの意識は簡単に快感に傾き。
咥内を貪り弄ばれるその感覚、甘く痺れ全身を巡る。
にゅるっ…ちゅ…っ…
「……へっ」
「…ぷは…ッ、はぁ、はあッ…」
本当は何時までも堪能していたいところだが。
このまま───「先」へと急くのは互いの為に違う。
キスまでは踏み込んだが自らを制し、ヒノケンはアツキの咥内から舌を引き抜き、熱を分け与えられて火照る柔らかな口唇に優しく口付けてから離した。
「…ね、寝込みサ襲うって、どンな神経スとるだ!」
「男の家に来て無防備にグースカ寝てる嬢ちゃんが悪い、襲えって誘ってるようなモンだ」
「誘っ…オ、オラはそげなつもりはねぇべ!」
ヒノケンの言葉と。今もヒノケンは自分に覆い被さり逃げ場の無い事に気が付き、アツキは顔を赤らめさせつつ焦りを混じらせた声色でヒノケンを退けようとするが効果は見られず。
眼鏡の無いヒノケン本来の表情。
そこには、総ての火は己のモノであると考える所有と渇望。目の前の青い焔も───当然。
…プチ…プチプチ…ッ…
「…! ななッ、オッサン何スて…ッ!」
「襲えって誘ってるようなモンだって言ったじゃねぇか。キスだけで終われそうにねぇぐらい、俺のココロに火が点いちまった。今夜は寝かせねぇぜ…嬢ちゃんの事が欲しいんだよ」
冗談ではない事を示すように。
ヒノケンはアツキの制服のボタンを外してしまい、本気で男女としての「先」を望んでいるのだと感じさせられたアツキは、顔に浮かばせる困惑の色。
「そ、それッてその…オラ…いきなス今日とか…」
「絶対に嫌か?」
「うッ…」
アツキに覆い被さり続けているヒノケンは、ゆるゆるとアツキの耳元へ口唇を寄せて囁く。
真に拒むというのなら、難しいがどうにか堪えよう。
何故なら、アツキとっては。
「ん? …どうなんだ? 嬢ちゃん」
「い…嫌ではねッけど…オラ…えと、は、初めて…」
「…分かってるぜ。安心しろよ、必ず後悔はさせねぇ。ココロも身体も燃えさせてやるよ」
「ひゃ…ンッ…」
アツキの耳朶を軽く食み、初めての緊張と不安を和らげ解すように優しく頭を撫でると。
躊躇いがちに伸びてきたアツキの腕。
けれどヒノケンの身体を捉えれば、抱き締める強さには覚悟を決めた想いが込められて。
───…
「バスタオルをどかすぜ」
「…え、あ、う、うン…」
交代でシャワーを浴び、少し時間を作った二人。
アツキに残された本当に本当の最後の選択の時間だったが、先に済ませて寝室で待っていたヒノケンの元へ戻って来たアツキはバスタオルを巻いただけの姿。
けれど寝室内に入ったところで、どうして良いのかモジモジとしているアツキにヒノケンは目を細め笑むと、そっと近付き肩を抱き寄せてベッドへと導き。
仰向けに寝かせて合わせる双眸。
アツキに余裕など全く無い、だが瞳の奥にはヒノケンが求める青い焔が煌々と揺らめいて意思の固さを伝えており、ヒノケンはアツキの身体を隠すバスタオルを剥いで露わにすると。
初めて見せる全裸に、やはりすぐには慣れず羞恥がまだ先行してしまい、アツキは身体を縮こまらせるようにして反射的に腕や手で胸と性器を隠そうとする。
「へっ…今更、隠す事はねぇだろ」
「や、やっぱ恥ズかスぃべ…」
初々しいアツキの反応に緩むヒノケンの口元。
けれど、それはそれとして身体を隠そうとしている腕を取って引き離し、改めて総てを。
…むに…っ…
「あ…ンッ…」
控えめではあるが触れればやはり柔らかな胸にヒノケンが手のひらを這わせると、アツキは小さく声を漏らしてジッと成り行きを見詰めていて。
初さに満足を覚えながら指を乳首へと滑らす。
きゅ…クニ…クニッ…
「ン…ぅンッ…は、ァ…」
軽く摘んで弄ぶと次第に芯を持ち始め。
微かに漏れ出るアツキの声には、乳首への刺激に戸惑いながらも快感を受け色艶を孕む。
「感度はイイみてぇだがなぁ」
「…か、感度"は"っちゅうのはどういう意味だべな! また、オラの胸がカマボコが乗ッてねぇカマボコ板だとかぬかスつもりなンか、オッサン!」
「へっへっ…そんな口がきけるとか余裕じゃねぇの」
「な、なにス…ひゃう…ッ…!」
…れるっ…れろ、れろ…っ…
指で弄ぶとは逆の乳首に顔を近付け。
舌を出すと、転がすように舐め上げ始めた。
「ふ、ぁ…待つだ、オッサン…胸、そげにぃ…」
れろれろっ…ちゅっ、ちゅうっ…
時には口唇で食み、吸い上げれば。
アツキの身体はピクンと波打ち。
舌が乳首を嬲っている感覚の中に織り交ぜられる、吸い上げのピリッとした感覚が全身に。
指と舌で執拗に弄ばれ、乳首は完全に芯を持つ。
ちゅう、ちゅっ、れるっ、れろぉっ…
「は、ひゃ…アンッ…乳首ばッか、スぃ…ッ!」
クニクニ…クニッ、キュ…キュウッ…!
「うぁ、ア、アン…アンッ…!」
ひと際強くヒノケンは乳首を摘み。
アツキから上がる声を聞けば、すっかりと発情した嬌声であり性交へ向けた悦に浸る声色。
ヒノケンには、自分を求めているとしか聞こえない。
「…随分、可愛い声で鳴くじゃねぇの。…へっ」
クニッ、クニ…クリクリ…
「ン、あアッ…! 捏ねくり回スで、ねぇ…だッ…」
「乳首、気持ちイイんだろ?」
「気持ち、い…? オラまだ、よく…分かんねッ…くすぐッてぇの、と…でも、なン…か、ぁ」
「それが"気持ちイイ"ってんだろ、そら」
クニ…ッ…キュウウッ…!
「ひゃあッ、ぁンんッ…!」
乳首に対する初めての性的な強い刺激で、アツキは自らが上げる声の意味を捉えられず。
くすぐったい以上に盛る、炎の如き奥底からの熱。
徐々に身体の総てが甘く痺れ。
高まり続ける熱によって、濡れ蕩けだす。
スル……クチュ…
「…! オッ、サン…そ、ソコは…ぁ…」
ヒノケンが顔を上げた為に舌で乳首を弄ばれる事は無くなったが、愛撫を止めたという訳ではなく。胸の次は自身を受け入れさせるべく性器に手を伸ばし。
割れ目に指を添わせれば、愛液の濡れた音。
「ちゃんと濡れてきてるみてぇだな、嬢ちゃん」
「…濡れと…る? そンならオラ、ちゃンと…」
「ああ、感じれてるってこった。…こんな風にしてやったら、ソレがもっと分かるかもな」
クチュクチュ…ぬりゅ…ぬちゅっ、にちゅっ
「…ッ! ひゃ?! アッ、アアンッ…なに…ッ?!」
「…へっ、どうやら…嬢ちゃん相当、ココが弱ぇな」
ぬちゅぬちゅっ、ぬりゅっ、ぬちっ…
「アンッ、ぁ、や、ひゃぁンッ…!」
溢れて来ていた愛液を割れ目の浅い位置でヒノケンは自分の指に纏わせると、その指を陰核に触れさせて、ぬちゅぬちゅと音を立てながら擦り始めれば。
どうやら陰核を使っての自慰は行った事が無かったのか、アツキは急激に知らない悦に襲われてしまい、訳が分からず与えられる快感に顔を仰け反らせて喘ぎ。
そうした様子からヒノケンもアツキが陰核からの刺激も初めてだと気付き。加えて───かなり、性感帯として弱い箇所なのだとも理解してしまう。
優しくしてやりたいが、剥がれ落ちる理性。
ぬちっ、くちゅっ、くちゅんっ、ぬちゅっ!
「あ、アッ、アンッ、アン…! オラ、これ駄目ッ、ダメっ…! 声、抑えらンねぇ、だ…!」
「抑える必要が無ぇだろ、もっと俺に聞かせな」
男性器の勃起に等しく、擦り上げられ続けたアツキの陰核は主張しているが、アツキ本人は自らの身体に起きている変化に構うような余裕は無く。
尚もヒノケンの指で重点的にぬらりと愛液に塗れて鈍く輝く陰核を擦られる度、制御のままならない悦に翻弄されて声を上げながら全身の熱も上がる。
「はッ、あ、はぁッ、あぅ…ッ!」
ぬちぬち…ちゅく、きゅううう…っ…
「ひ、ァ…んンンッ…!」
陰核を執拗に責められる中で乳首と同様に摘まれ。
アツキは舌を出して一層に背を仰け反らせ、ビクビクと跳ねた身体。他者からの初めての甘イキだったが理解は及ばず、その間にも次々と悦の波が押し寄せ二度三度とイッてしまう。
「オラの身体ッ…変…ズッと、ふわふわ…スて…ぇ」
「へっへっ…すっかり蕩けて甘イキしてんな」
「甘イ、キ…? オラこれ…イッてるンか…?」
「本気のヤツじゃねぇけどな。…だから一回よ、本気のヤツでイかせてやろうじゃねぇか」
「…え…え?」
…ぬちゅっ! ぷちゅっ、にちゅっ、ぐちゅぐちゅっ!
「ひンッ?! ひゃうッ、やめッ、アッ、ひゃンッ、アンッ、ア、ああッ、あああ〜〜〜ッ!」
ビクッ、ビクンッ、ビクビク…ッ!
陰核だけで充分に果てさせる事が出来ると確信し。
ヒノケンは甘イキなどではなく本気でアツキをイかせに掛かり、陰核を激しく指で責め。
抗う術を持たないアツキは、あっという間に今まで以上の悦に包まれ、あられもない声を上げて達し、ビクビクと身を跳ねさせてヒノケンから与えられた初めての性的絶頂に溺れ。
放心した様に身体をぐったりさせ、荒い息を吐く。
「はぁッ、はあっ、はぁあ…ッ…」
「へっ…クリでイッたばかりだってのに悪ぃが、まだ終わりじゃねぇからな? 嬢ちゃんよ」
「…! ちッ…と、待つだオッサン…! オラまだ…ッ」
ちゅく…ぬちゅ…ずっ、ぬぷぷぷっ…
「ふッ、ぅうンッ…!」
「ナカもトロットロだな、しかもこの熱さときやがる。…俺の指まで蕩けそうじゃねぇか」
初めて異性の指で陰核を責められ達したアツキに、ヒノケンは続けてアツキの割れ目から先へと指を挿し入れ、いよいよ性器を受け入れさせる為に解しだす。
まずは指一本を押し込むと濡れたナカはすぐに飲み込み、アツキ自身では無意識なのだろうが、キュウっとヒノケンの指へ吸い付くようにしてナカが締まり。
その心地に上がるヒノケンの口角、指を増やしながらナカを抜き挿しつつ掻き回してゆく。
くちゅ、くちゅっ、じゅっ、ずちゅっ!
…にちゅ…ぬぷぷぷっ、ちゅぷっ、ずっ、ぢゅぷっ!
ぐちゅぐちゅ…くちゅっ、ぬちゅっ!
「あ、あンッ…そ、ンなにスたら、ぁ…アンッ…!」
自分のモノではない指に荒々しくナカを蹂躙されて、性交を教えられ拓かれていく身体は。
次第に切なさと、「何か」の感覚が込み上げ。
どうされたいのか、どうしたいのか。
困惑を混じえた瞳をアツキはヒノケンに向ける。
「ん…どうした? 指じゃ足りなくなってきたか?」
「ンく…ッ…ふ…た、足りね…のか、分からねッけど…オラ、スご…く…切ねくッ…て、ぇ…」
「そいつを"物足りねぇ"ってんだよ」
「…オッサン…オラ、足りないンが欲スぃ…だ」
「…へっ」
…ずるるるっ…ちゅぽっ…
カサ…ピッ…スル…スルスル…ピチ…ッ…
アツキのナカを掻き回していた指を総て引き抜き。
ヒノケンはアツキの身体も気持ちも出来上がった事を悟り、一度、身体を起こすと傍に置いていたコンドームの封を切り既に完勃ちしている自身へ装着すると。
ビン…ビンッ…!
「コレが欲しいんだろ?」
「…え…えと、オラに、そげなの…」
ドキドキしながら音だけを聞いていたアツキに向け、しっかりと───これから、ナカへと挿入させる自身を見せて、セックスを意識させ。
あまりの屹立ぶりに目を逸らしたいと思いながらも凝視してしまう心理。それに加えて、どうした事かアツキはお腹の奥から疼くような感覚も覚え。
嗚呼、自分の本能はコレを求めているのだ。
ぬりゅ…ぷちゅっ…ぬぷ…
「あ…ッ…う、うン…ッ…」
ヒノケンはアツキの足を割り開き、コンドームを纏う亀頭を濡れそぼる割れ目に押し当て。
浅く沈められただけで感じられる圧迫感。
期待や不安を綯い交ぜに、アツキは固く目を瞑った。
「嬢ちゃ……アツキ、挿れるぜ」
…ずっ…ずぷ…ぷっ…
「いッ…ぁ…ッ…痛…ッ…!」
「…キツイ、か?」
亀頭を埋めて裏筋の辺りまで、竿はこれからという程度だが。完全に勃起しているヒノケンの自身を初めてのアツキが受け入れるには、充分に解したつもりでも荷が重かったのか。
圧迫は想像以上であり、痛みも伴ってしまう。
声を上げて顔を歪めたアツキに、ヒノケンもそれ以上は挿入を進めず動きを止めているが。
正直、気遣える余裕は残っていない。
「…ッく…ぅン…大丈夫、だべ…ンだか、ら…」
痛みの中、けれどアツキはそんなヒノケンの様子を察し。ここで止めたいとはアツキも思ってなどいない、だから自分を見下ろすヒノケンに精一杯の笑顔で。
両腕を伸ばし、続きを促す。
「アツキ…動くぞ」
ずず…っ…ずぷ、ずぷぷぷ…っ…!
「ンは、アッ…!」
ヒノケンの首にアツキが腕を回し、縋れる先を得たところでヒノケンは奥へと挿し入れ。
やがてアツキのナカは男性器の熱と質量で満ち。
何かが、破れた───ような。
みちっ…ぎゅうっ、きゅうっ…
「…ッ…やっぱ、狭ぇ…な」
「…オッサ、ン…エエから…ッ…オラなら平気、だからッ…遠慮なンかせンで…動くべ、な…」
「…言ったな、もう止まらねぇからな」
ずるる…ずちゅっ、ずぷっ、じゅぷっ!
ぱちゅ、ぱちゅんっ、ぱんっ!
「ア、く…ッ…うンッ…!」
自分のナカを往き来し始め、抜き挿しされる自身。
ヒノケンはかなり抑え気味のセックスを意識しているが、アツキには初めての性交の熱に焦がされ、ただヒノケンの事を強く抱き締めて堪えるようにしていて。
腰を打ち付けられる度に零れる、紅い初めての証。
じゅぷっ、じゅぷ、ずっ、ぱちゅんっ!
「ふぁッ、アッ、あうッ、アンッ…!」
必死に縋り付き揺さぶられる時間。
この行為をヒノケンが好いのならばと耐える思いでいたアツキに、徐々に訪れだした変化。
「はぁッ…ァあんッ…はンッ、アン…ッ…あ、れ…? オラ…なンか…段々、痛くねくなッて…」
「…ああ、可愛い声で鳴き出したじゃねぇか」
痛みだけだった性器が、交わる悦びを知り。
アツキの声には艶色の度合いが増し、縋るだけではない愛しい人と繋がっている多幸感からヒノケンを抱き寄せ、与えられる快感に身を委ねる事が出来ていた。
ぱんっ、ぱちゅっ、ずぷ、ずぷっ、ずちゅっ!
「アンッ、アンッ、あッ…オッサン…け…ケンイチ…ッ、ケンイチ…もッと、オラの事…ぉ…」
「〜〜〜ッ…! …この…ああ、ったく!」
じゅぽっ! じゅぽっ、じゅぷ、じゅぷっ、ぱんっ!
「アあンッ、はンッ、はァッ…くぅ、ううンッ…!」
キュウッ、キュンキュンッ、キュウウッ…!
一段、激しさを上げた為にアツキの声には僅かな苦しさも混じる。だが最早、構う事の出来る互いではなく、互いが持つ火を少しでも感じたいと願うセックス。
ヒノケンの自身は更に質量を増し、パンパンに膨らんだ亀頭の鈴口からは先走りをコンドーム内で溢れさせて、今にも射精に及びそうな熱塊。
アツキのナカは、そんなヒノケンの自身を懸命に受け入れながら締め付け、射精を助ける。
物語る、互いの果ては目の前。
ずちゅっ、ずちゅっ、ずぷ、ずぷっ…ずぷんっ!
…キュウッ、キュンッ…キュン…ッ!
「ぅ、あッ…アッ、奥ぅ…オラの身体の奥からッ、さっきよりおッきなンが、ぁ…! 来るッ、くる、イクぅ…イクッ、オラ…ぁ、アアッ、アアア〜〜〜ッ!」
「…っ、クゥウ…ッ! なんつう締め付けだ…っ!」
びゅぶるるるるっ! ぶびゅ〜っ、びゅるるるっ!
…トプトプ…トプ…トプ、ン…ッ…
幾度の激しい抜き挿しから、竿の根本まで強く穿たれ埋め込まれた衝撃でアツキ先程よりも大きなオーガズムを迎えてヒノケンの自身をキツく締め寄せ。
ヒノケンもまた、アツキのナカでコンドーム越しに射精に及び、多量の白濁を堰切らせる。
やがて、絶頂も射精も終わりを迎えたけれども。互いの熱が落ち着くまで余韻に浸り、荒い息遣いだけが寝室内には繰り返されていたが。
「……アツキ」
まだ繋がったままアツキを見下ろすヒノケン。
快感だけではない様々な感情から溢れたであろう、アツキの瞳から流れる涙を目にして。
拭い去るよう、ヒノケンは優しく口付けた。
───…
ちゃぷん…
「はふぅ…」
今度は一緒にお風呂タイムの事後。
先に入っていたヒノケンの上に乗るようにしてアツキも湯船に浸かり、ヒノケンの胸に背中を預けると、まだ身体に残る倦怠感から気の抜けた声。
初めての性交を終えた夢心地もあるだろうか。
「へっ…どうだった? 嬢ちゃん」
そんなアツキをヒノケンは後ろから抱き締め。
耳元へ口唇を寄せて感想を問う。
「ど、どうッて…わ、分かンねぇべ! ンな事!」
「気持ち良かったよな?」
「ゔ〜〜〜…だ、だからオラは…分かンねッて…」
ヒノケンが抱き寄せていなければ、ブクブクと湯船の中に沈みそうなくらい身体を縮めて。
アツキの顔は口唇が触れる耳まで真っ赤に。
口では正直に伝える事はできないけれど、その様子を見れば「良かった」のは間違いない。
「ふ〜ん…そうかい」
アツキがこうした態度を取る性格なのは分かっているし、良かった事もヒノケンには解る。
けれどもアツキは明言を出来なかったという事は。
ヒノケンに都合の良い解釈を許してしまうという事。
アツキからは見えない背後で、ヒノケンは僅かに口角を上げて意地悪な笑みを浮かべた。
ちゃぷっ…!…むにぃ…
「ひゃ?! な、ど、どッこ触ッとるだオッサン!」
不意にヒノケンの腕が動き、揺れる湯。
アツキの身体を抱き締めていた手が胸に這う。
「そんなら、嬢ちゃんがちゃんと分かるまで気持ち良くしてやらぁ。後悔させねぇって言ったのに、分からねぇままじゃ後悔しちまうかもしれねぇからな」
「ンな、そッ、そげな事でねッちゅう…アンッ…!」
「大体よ、寝かせねぇって言ったろ? …アツキ」
「〜〜〜ッ…ケ…ケンイチの…バカ…ぁ…」
アツキの甘い声が湯気の中に響く。
二人の蕩ける様な時間は、まだまだこれから。
■END■
2006.03.14 了
2023.10・旧作から全面リメイク
◆キリ番6500hitリクエスト作品でした
その為、お待たせしないようにとシチュエーションをあまり練る事が出来ず、アツキちゃんにはちょっとムードの無い初えっちになったな…とは思います
しかし古の同人サイト文化であるキリ番を自分も行っていて、そして初えっちを書き上げた思い出や記念を考えると根幹の大幅変更も違うかなと(悩)
という事で、やっぱり根っこは大きく変えない全面リメイクとなりました。今の精一杯(笑)