【Rockman.EXE@】
甘くて蕩ける愛しい時間を白猫に
)お約束的な自慰バレからのえっち展開
このシチュで書くの3作目ですが気にしない(…)
とにかくタイトル通りの甘えっちを目指してみた◎



やけにガランとしている気がするリビングには白猫。
ふう、なんて。さっから何度もため息ばかり。
ちらりと向けた目線の先には…壁掛けのカレンダー。

「…オッサンが帰るの、まだ先なンか…」

数日先に付いている丸印を見て、ため息もうひとつ。
カレンダーの隣に掛けられた時計の秒針がコチコチと乾いた音を刻み、空虚が漂うリビング内にただ響き、白猫は…アツキはソファの上で膝を抱えている。
こんなに寂しくなるなんて、思いもしなかった。
何日か前からヒノケンは家を空けていて。
アツキはヒノケンと一緒に暮らすようになってから知ったのだが、野良の頃の会話で近所の学園の教師だと聞いていた他に、研究者の一面もあるらしく。
どうやらそちらの方面でお呼びが掛かり、そこまで長期ではないがそれなりの期間を必要として家を空ける事になった為…今、家にはアツキだけ。

「……はぁ」

真っ白な猫耳も尻尾も声と同じで元気無く萎れがち。
ヒノケンが出掛けた初日のアツキは、野良の頃の自由さが戻ったように思えて楽しく半日を過ごしたのだが、夕闇が迫る頃になると大きく心境が変わり。
"今日は帰ってこない。明日も、まだ"そう理解した途端、急激な寂しさに襲われてしまい。
朝や昼の内は我慢が出来る、でも「何時もなら帰ってくる時刻」が近付くと、こうしてカレンダーを見詰めながらため息の時間が出来てしまっている。

……ぎゅっ…

「もしオッサンが帰って来ねかったら、オラ…」

自然と手に取り抱き締める、ヒノケンのクッション。
煙草の匂いも混じっているけれど、それも含めてヒノケンの事を感じ取れて少しは紛れる。
ご飯も大好きなオヤツも充分に用意をしてくれたものの、正直あまり食べれてはいなくて。
少々、痩せてしまったかもしれない。
それくらい、そんなにも、ヒノケンの存在がアツキの中で大きくなっている事にアツキ自身が追い付けていなくて。ぎゅうっとクッションを強く抱く。

「(……ッ…オッサンの事、考えっと…オラ…また…)」

そうして過ごす寂しい時間の中で。
アツキには、ひとつの焔がココロに灯っていた。
ヒノケンの事を求める気持ち、想い、それらを端的に表した…性的な意識が、灯っていた。
出掛ける前にヒノケンは沢山のキスをしてくれたけれども、口唇の熱はとうに無くなってしまって、あの熱がどうしても欲しくなってしまってーーー

「……」

ふらりと、不意にソファから立ち上がるアツキ。
クッションを持ったまま静かにリビングを去ると、向かったのは何時も一緒に眠る寝室。
カチャリとドアを開けても勿論ヒノケンの姿は無く、リビングと同じでどこか虚しい空気。
しかし此処にも、ヒノケンを感じられるモノが。

「…洗い損ねた服、帰ってから洗濯スッとか言っとっただな…洗濯せンで良(い)がっただ」

ベッドの上に置き去りにされている服。
アツキはおもむろにその服を手に取ると身体の左側を下にしてベッドへ寝転がり、持ってきたクッションと服とを交互に見て、クッションに服を被せ着せる。
ぎゅむっと完成したソレを抱き締めると、服の分だけ先ほどよりもヒノケンを感じ取れ。
思わず匂いを強く吸い込む。
クッション程度の質量ではヒノケンが持つ体躯には遠く及ばず、物足りないとは思うが。
それでもヒノケンの身体に触れている気分にはなれるから、目を瞑りイメージを膨らませ。
アツキは下肢の服に手を掛けて意を決すると、下着ごと下ろして熱を帯びる自身を露に。

……ぶるっ…ん…

まだ完全に勃ち上がってはいないが、ヒノケンの匂いを取り込む度に明らかに熱を上げている。という事は、間違いなくヒノケンに性的な欲求を抱いており。
邪魔だとばかりにアツキは下肢の服と下着とを脱ぎ払うと、ベッドの下へと放り落として。
そっと、握り込む自身。

きゅ…くに、しゅっ…しゅ…

「ン、ん…ふ……って、そ、そだった先に…」

早く行為に没頭したいところだが、はたと。
我に返ったアツキはベッドの上に置かれたもうひとつ、丁寧ではないが畳む努力はしたらしいバスタオルを掴むと、腰下辺りに広げ置く。
どうやら「はじめて」ヒノケンを想い耽った時にベッドシーツにそのまま射精してしまい、後始末がアツキ的にすこぶる面倒だった、というところか。
洗濯はしたらしいが、よく見ると敷き直したシーツはヨレ気味。だから以降はどうしたものか考えた結果、使い古して一線落ちしたバスタオルを敷く事で多少面倒を軽減した模様。
敷いた確認をするとアツキは今一度、目を瞑って。
ちょっと冷めた熱を取り戻すべく服付きクッションを抱き締め、改めて自身に手を伸ばす。

…しゅ、しゅっ…シュッ…

「は…ン…っ……オッサン…け…ケンイ、チ…」

直接、ヒノケンに名前で呼んだ事はまだ無い。
何時かはと思っているけれど恥ずかしくて、結局「オッサン」と呼ぶのに落ち着いてしまう。
だけれど、今この行為の間だけは。
もっと想う事が出来るから、呼ばせてほしい。

シコッ…シュ、シュッ、クチュ…シュッ…!

「ンンっ、はっ…あ…ケンイチっ、ケンイチぃ…!」

いよいよ行為に没頭してアツキは自身を慰め。
ヒノケンを想いながら扱く手は、次第に速度を上げ。
クッションを抱き締める片手にも力が入り、ヒノケンの匂いを感じると猫耳や尻尾の先までぴくぴくと欲情に震え、自身はすっかりと勃ち上がり。
扱く手は止まらない、白濁を吐き出すのは間近ーーー

カチャ…

「うぉーい小僧、寝てんのか?急いでケリつけて帰ってきてやったのに、お子様は…あ?」
「なっ…は、はぁっ?!お、オッサン?!?!」

急に寝室のドアが開いたというだけでアツキの身体はそれまでの性感とは別の跳ね方をしたが、更には現れたのが予定より早く帰宅したヒノケン。
いや、強盗の類いではなかったのは幸いだが。
想いながら耽っていた当の本人に自慰中を見られたアツキは、一瞬固まった後に理解が及ぶと、真っ白な猫耳と尻尾まで真っ赤になりそうなくらい赤面し。
反射的に服付きクッションをぶん投げた。

…バシッ!

「っ!と、急に何しやがんだ小僧」
「あああアホー!オッサンのアホ!見るでねぇっ!」
「ンな事を言われてもコレは俺が悪いのかよ、俺が居ねぇと思って勝手にシてたんだろ?」
「う…そ、そンれは…そだけン…と」
「それで?…コイツはつまり、俺って事だよな?」
「えっ…あ、う…そ、その…」

アツキにぶん投げられた服付きクッションを、ヒノケンはいとも簡単に受け止めていて。
寝室に入ってきた時のヒノケンの様子だと、アツキが名前を呼んだのは聞こえていない筈。
だが、誰を想って耽っていたのか…ぶん投げられた服付きクッションは動かぬ証拠、強く抱き締めていた事を窺わせるアツキの熱まで残っている。
ズバリと聞かれ、しどろもどろになるアツキは。
最初は自慰に耽っていた事を見られた恥ずかしさ一色だったが、想っていた本人に完全にバレてしまったと解った事で、別の感情が湧く。

ーーーそんな対象に見ていると知ったら。


……嫌われる……?


「……俺の猫が、そんな弱気な顔すんな」
「…っ…お、オッサン…」
「ちょっと痩せてねぇか…寂しかったのか」
「……ン…」

静かにアツキに近付くヒノケン。
逃げ場の無いアツキは、ただヒノケンの言葉に頷き。
じっとしていると。

ふわ…ちゅ…っ…

「(…は……えっ…?)」

優しく柔らかく、口唇が重なり。
欲しかった熱。
嬉しさと、どこか切なさと、けれどやっぱり嬉しい。

「……俺で良いのか?…つっても、そもそも俺以外なんか許さねぇけどな。…こんなタイミングってのも何だが…俺だって、大事にってんで我慢していたからよ」
「そ…ンれ、は…オッサン…オラ…え、と…」

そっと口付けを終えたヒノケンの告白は、アツキと身体を重ねたいと想っていたという事。
アツキはまだ半ば信じられなさそうで、ココロの準備が出来ず戸惑った返事しか出来ず。
色々と急なのはヒノケンも承知。
今すぐにでもアツキが欲しい気持ちをもう少しだけ抑え、"はじめて"を…本当に良いのか。
気持ちの整理をさせてやりたいから。

「…へっへっ…ま、取り敢えずだ」

ぐっ…ヒョイ…ッ!

「わわっ!?なっ、何スるだオッサン!」
「おいおいホント軽くなってンぞ」

ベッドに寝転んだままのアツキをヒノケンは軽々と姫抱っこで抱え上げると、寂しさから食事を疎かにしがちでいたのが改めて分かる。
今日というのは止めた方が良いだろうか、ヒノケンの表情に僅かな陰りが浮かび上がって。

……ぎゅうっ…

「…アツキ?」
「だ…大丈夫だべ、オラなら…それより、それより…今は、オラ…オッサン…と、そ…その…」
「…俺は帰ったばっかだから、まず先に風呂な。ゆっくり一緒に入ろうじゃねぇの。…それで…風呂から上がったら、もう1回聞くぜ」

離れたくないと、しがみついてきた猫の愛らしさ。
可愛い白猫の"はじめて"。
どうか、自分に。

ーーー…

ついさっきまで一緒にお風呂に入っていたのだから、裸なんてとっくに見られている今更。
それでも、ベッドの上では初めてで。
カーテンを閉め切り、一人と一匹だけの寝室。
オレンジ色のぼんやりとした仄かな間接照明が照らす室内は、これからの行為を後押す程好い明るさで、アツキの猫耳と尻尾もほんのりオレンジ。
仰向けに身体を横たえさせるアツキは、どぎまぎと期待と不安が混じる表情をヒノケンに。

「仰向けで尻尾は大丈夫か?」
「ン…これっくらい、平気だべ…」
「そうかよ、ならイイけどな」

ギシ…ッ…

「…っ…オッサ、ン」
「本当に良いんだな?…ここに来て無理とか言われんのは、俺がキツいから勘弁だけどよ」
「オラに二言は無ぇだ。…オッサンが、いい…」
「…へっへっ…アツキ…」

くしゃ…なで…っ…

ベッドを軋ませてアツキに覆い被さるヒノケン。
勿論、アツキと同じく既に何も纏っておらず。
緊張した面持ちで、ベッド上で裸を晒している事もだが、同様にヒノケンの裸を見る事にもまだ慣れなくて一瞬だけ視線を泳がせたアツキだったけれど。
ヒノケンの最後の確認には、しっかり目を合わせ。
身体を委ねるのは成り行きでは無く、自分自身で決めた本心なのだと意思を伝える姿勢にヒノケンは目を細めて笑み、先ずは少しでも不安や緊張を解してやろうと優しく頭を撫でる。

「…オッサン…へへ、撫でられンの…スキだ…」
「だよな」

初めはツンと立てる髪ごとくしゃくしゃ撫でていたが、次第に真っ白な猫耳にも触れ寄せてスリスリと手の甲で愛でてやると、アツキは心地好さそうに「にゃ」と小さく声を漏らし。
気付けば自ら進んで頭を揺らしてヒノケンの手にすり寄り、もっと撫でて欲しいとねだる仕草をしだすものだから、愛らしくて堪らない。

フカ…くしゅ、フカフカ…モフ…

「んっ、ン…ちっと、くスぐってぇべ…」
「お前の方から、ねだってきたんじゃねぇの」
「そ、だけンと…耳ば、そげに扱われンのはっ…!」
「知ってるぜ、弱いよなお前の猫耳」

興が乗ったヒノケンはアツキの猫耳を手のひらで包み込み、フカフカと感触を楽しみ始め。
頭を撫でられるのとは別の、くすぐったさに襲われたアツキは思わず身体を揺らしてしまうが、そんな事をしたらヒノケンの悪戯心が増してしまうだけ。
感じやすい猫耳だなんて、格好の。

ちゅっ、ちゅ…ふうーっ…ちゅ…

「んんンっ、ふ…!…っは、ぅ…」
「へっへ…耳責めにハマっちまいそうになるな」
「バッカな事っ…言うでね…ぇっ…!」

手のひらの中の猫耳に、わざとらしいリップ音。
それに吐息を添えればアツキの身体はビクンと跳ね。
か弱い反抗の声には色が含まれている。

…きゅ…む…くち、くちっ…

「あ…オッサ、ン…?」
「お前は先に一人でヤッてたからな、いい加減そろそろキツいだろ。まず出させてやるぜ」
「え、えっ…ちょっ…!ン、は…はあっ…!」

感度が猫耳に集中していたところで突然、アツキは自身をヒノケンに握り込まれて驚く。
言われてみれば自慰を中断しており、その中断した状況が状況だったので多少は萎えてしまい、今の今まで射精せずにいたけれども。
猫耳を弄られて再び火が点いたのか。
アツキの自身は自らが溢れさせた先走りで濡れていて、握るヒノケンが軽く扱くと、くちくちと可愛らしくも淫らな音が寝室内に響く。
現状にいっぱいいっぱいのアツキは、ヒノケンに言われるまで己の自身の状態など知れず。
理解が及ぶと意識は自身に傾き、勃ち上がっている自身が熱くて切なくて、解放されたい。

くちゅ…にちゅっ、しゅっ…くちゅっ…!

「は、あっ、あっ、ん…ふ…あンっ…」
「へっへっ…気持ち良さそうだな…イきそうか?」
「…い…い、く…?」

不思議そうなアツキの様子。
それが何なのかヒノケンはすぐには解らなかった。
扱く手も止まり、双方が不思議そうな顔で見合わせるという謎な時間が流れたが、「もしかして」という仮定が思い浮かんだヒノケンが口を開く。

「何だお前…オナニーは覚えちまっておいて、"そうなる事"をどう言やいいのか知らねぇのか。出したくてしょうがねぇって時は"イク"っつうんだよ」
「そ…なンか…?…ンと…い、イきそ…とかだべか」
「そうそう、そんな感じで言いな」

どうやら仮定は合っていたらしく、ヒノケンの言葉を聞いたアツキは疑問が解消した様で。
素直に教えられた言葉を活用しだし。
ヒノケンとしても不思議が晴れ、と同時に時折見せる白猫の無垢さが堪らず汚したくなる。
にぃ、とお決まりの笑みが自然に浮かび。
手のひらの中のアツキの自身を、再び扱きだす。

にちゅ、クチュッ、チュッ…チュクチュクッ…!

「は、ぁ…いく、いくっ…オラも、ぅ…イク…っ!」

…びゅるるるっ!びゅく…びゅるる…っ!
ぱたぱたっ…ぱた…たたっ…

「ふぁ…あっ、あっ…あ…ンっ…」
「へっ…沢山出たじゃねぇの」

仕上げとばかりに勢いを増して自身を扱かれ、アツキは教えられたばかりの「イク」を連呼してヒノケンの手で果て、自分の腹に白濁を撒き散らせ。
自分で扱き果てた時よりも、ずっとずっと強い快感。
きっとヒノケンの手でだから、だろう。
放心混じりの言葉にならない喘ぎだけが口からは零れ、びゅ、びゅっと小出しに出てくる精が落ち着いてくれるまで、アツキは身体をびくびくと震わせる。

「……はっ、はっ…はー……オッサン……」
「どうだ?少しは落ち着いてーーー」

腹の上に散る精と、吐き出した自身とを見ていたが。
ふと、ヒノケンが目線をアツキの顔に向けると。
快感に蕩けながらも、ふにゃりとした柔らかな笑みを屈託なく向けてくるアツキが居て。
この白猫は、どれだけ愛しくさせるつもりなのか。

「…ああもうクッソ、優しく出来るか分からねぇぞ」
「は?な、なンねオッサン、オラ何か…」
「いいから脚を開きな、そろそろ落ち着いたろ」
「そっ、そンれはまぁ…こ、こう…?だか…?」

おずおずとだが、言われた通り脚を開くアツキ。
精を吐き出した自身が、くてんとして可愛らしい。
だが今からのお目当ては、その自身より下の。

ツツ…ゥ…トロ、トロ…トローッ…

「ひゃっ、な、何スてるだっ」
「ローション無しじゃキツいぜ、お前の為だ」
「…そ…そうなンか…分かっただ…」

いきなり粘質の液を自身目掛けて流し落とされたものだから、思わずアツキは開いた脚を閉じて、ヒノケンに抗議しそうになったけれども。
閉じる前に自分の為だと言われ、大人しくなる。
従順さに満足げな表情を浮かべたヒノケンは、ローションを充分に流し落としたところで。
アツキの後孔へ指を伸ばした。

ぬち…くに、クニッ…ぷちゅ…クニ…

「んっ、ンッ…」

性交としてまだ使った事の無い孔は固く閉じ、入り口からじっくりと解し始めるヒノケン。
マッサージする様にくにくにと孔を揉まれ。
そんな事をされるのは当然ながら初めてのアツキは、どう身を置けば良いか分からなくて。
逃げる程では無いが無意識に腰を揺らし、開く脚の間から覗く尻尾もピクピクと跳ねる。
ああそうだ、尻尾もいずれたっぷり可愛がろう。

「…そろそろいけるか?キツい時は言えよ」

トロッ……ぷちゅっ…ず、ずぷ…ずず…っ…!

「!…はっ、あっ。えっ…ゆ、指…だ、べ…?」
「まあ初めてだし圧迫感があるか」
「(…指でコレって…お、オラ…オッサンのとか…)」

孔の入り口の解れ具合を見てヒノケンは追いローションを流し、特に自分の指に纏わせ。
指の腹を孔の中心に宛がうと、ゆっくりアツキのナカに指を沈め、徐々に埋め込んでゆく。
受け入れたアツキは一応、大丈夫そうだが。
指であっても初めての感覚に戸惑いは隠せない。
知らない圧迫感に、この先の…ちらりと覗き見た、既にそそり勃つヒノケンのが入るのか。

ぐち…ぐちっ、ぐに…ぬち…

「ふ、ンんっ…ナカで、動かれっと…!」
「ちゃんと拡げねぇと痛ぇどころじゃねぇぞ。…そりゃ俺も、早くお前が欲しいから解すとかすっ飛ばしてぇが…そういう訳にはいかねぇ」
「(…オラの事…を)…ン…オッサンに任せる…だ」
「良い子だぜ、もうちょい我慢な」

ぐに……つぷ、ず…ずぬ…ぐち…ぐにっ…

「にゃ…あ…っ…」

しっかりと頃合いを見て増やされる指。
アツキからは切なげな声が漏れてはいるが、痛みを伴っているという風では無さそうで。
安心したヒノケンは逸る想いを抑えて、もう一本。
ナカには三本の指が飲み込まれ、ジワリと拡げ。
次第に余裕が生まれてくるや指をバラバラに蠢かせて一層に拓き、ヒノケンを受け入れる事が出来るであろう程まで念入りに解す。
我慢、とアツキに言ったけれども。
とうに剛直と成り果てビキビキと筋を浮かばせているヒノケンの自身を見ると、寧ろ自分自身に言い聞かせていたところが大きいだろう。
しかしもうすぐ、やっと。
熱く欲情した息を吐き、ナカから指を引き抜く。

…ずる、るるっ…にゅぽん…っ…

「ふっ…ふ…ぅっ…準備、出来た…ン、か…?」
「ああ、待たせたな。…俺も待ったけどよ、極力痛まねぇようにはするが…無理だって時は言うんだぜ。止める努力は…一応、してみるからよ」
「…い、言ったべ二言は無ぇって。きょ、今日で…ひとつになったら、オッサンは完全にオラのモノになるンだかンな。無理とか言わねぇだ」
「へっ!生意気な口がちったぁ戻ったな。面白れぇ、俺もお前を完全にモノにしてやるぜ」

ぷちゅ…ッ…

「っ…」
「そう上手い事は出来ねぇだろうが、力抜いてろ」

開かせているアツキの脚を抱えながらヒノケンは間に割り入り、残っていたローションを自らの自身に軽く流し落として馴染ませ。
てらてらと鈍く輝くそれをアツキの後孔に宛がうと、何も知らない筈の入り口が早くと急かす様にヒクついて先端に吸い付くのを感じ取り。
一瞬だけ目を細めーーー腰を進める。

ぐ、ぐっ…ず……ぐぷん…ッ…!

「ーーー…!…ッ、う…ふ…はぁっ、はーっ…」
「どうやら挿れる事が出来るくらいにゃ解れていたな。…しかし、大丈夫かよ?アツキ…」
「ん、ンッ…へ、いきだべっ…」
「本当に、か?」
「い、いから…オッサン…もっと…オラのナカ…サ」
「……分かったぜ」

時間を掛けた甲斐は確かにあった様で、先ずは亀頭が入り口からナカへと沈む事が出来た。
とはいえ、アツキの声には強がりも混じり。
ヒノケンは動きを止めて声を掛けたが…正直に言って、先端だけでも感じるアツキの蕩けたナカの熱さを自身全体で感じたくて感じたくて堪らない。
アツキの"もっと"に、奥まで。

ずぷ…ず、ずっ…ずちゅ……ずぷんっ!

「あっあ…ん、ンンっ…!…はー…ッ…」
「奥まで入ったぜ。…スゲェ熱いな」
「…ひとつ、なった…ンか…?」
「ああ、そうだぜアツキ」

敢えて猫耳は避けてアツキの頭を撫でるヒノケン。
余計な性感は与えず、純粋に安心を与えたいから。
ちゅっと、小さくキスもして。
願い望んでいたアツキとひとつになり、自身を包み込むナカは信じられない程に心地好く。
何よりもヒノケンが求める熱さを持っていて。
その上。

きゅうっ…きゅんッ、きゅう…っ…

「おいおい、そんないきなり締めてくるなよ」
「締めとるって…オラそげなのっ、分かンね…っ…」
「へっへっ…身体は俺が欲しくてしょうがねぇってのか。…俺もお前が欲しいぜアツキ…!」

ずっ、ずちゅっ、ぷちゅ…じゅぷ、じゅぷっ!
…ぱんっ、ぱちゅっ、ぱちゅ…ぱんっ!

「にゃ、あっ、あんっ、あっ、オッサンっ…オッ、サン…急に、そげに激しく、ぅ…っ…!」

いよいよもってヒノケンの理性も限界。
早く寄越せとせっつく様に自身に吸い付くナカの心地に、アツキの脚を抱え直すと律動を開始し、今までのじっくりとした丁寧さから一転して激しく抜き挿す。
だがその丁寧の積み重ねの賜物か抜き挿しは思う以上にスムーズで、じゅぽじゅぽと淀み無くリズムを刻んでアツキのナカを自身が行き来し。
繰り返し腰を打ち付けられる乾いた肉の音が鳴って奥を突かれる度に、アツキの声は艶を増して鳴き、性交の虜になってゆく。

じゅぽっ、ぐぽっ…ズヌッ、ジュブッ、ズプッ!
ぱちゅ、ぱちゅんっ、パンッ、パン…ッ…!

「アツキっ…!ったく、堪えきれねぇ…出すぜ…!」
「う、ンっ…オラもっ…また、イクっ…イク、イクっ…オッサンと、一緒にっ…イク…だ…!」

……びゅぶるるるるっ!びゅるる、びゅーっ!
ドプドプッ…トプ…トプっ、トプ…ン…
…びゅるっ、びゅるる…びゅく、びゅっ…

「〜〜〜…っ!…あっ、あーっ…!あン…アぁっ…」
「ッ、ク…ウウッ…マジかよ、一緒にとか…よ」

出来過ぎだろ、って呟いて。
睾丸の中に詰まるありったけの精を注ぐ勢いの射精。
アツキの自身からも、ほぼ同時に二度目の白濁。
お互いの熱を染み込ませて、余韻に浸っていると。

「……オッサン」

呼ばれて目にしたアツキの表情。
良かった。
満ち足りた様に、幸せだと笑っていた。

ーーー…

「すー…すー…すぅ…っ…」
「…寝ちまったか」

もう一度、身体を綺麗にする為にお風呂に入り。
ベッドに戻って、お互いが足りなかった時間を埋める様に他愛ない話をしていたけれど。
気付けばアツキは眠り落ちていた。
"はじめて"の緊張や、行為を受け入れての倦怠感、それにこの数日間のよく眠れない日々。
そういった事が積み重なり、恐らくアツキ本人も眠ろうという意識を持つ前に、深くこんこんと寝入ってしまったに違いない。

「……へっ…」

そうっと、ヒノケンはアツキの猫耳に触れる。
多少、強く触れても起きそうに無いが。
スリスリと指を滑らせれば、柔らかな熱。

「ん…ンッ……ふにゃ…」
「…っと、こんなんでも感じちまうのか。コイツはいよいよ、耳責めしてやりたくなるな」

ころんとヒノケンの方に身体を向けて眠るアツキは、猫耳に触れられてピクリと反応し。
あまりの感度の良さに、上がるヒノケンの口角。
しかし今は静かに眠らせてやろう。
名残惜しいが、猫耳から指先を離して。

「…しっかし、参ったもんだぜ」

何がって、ヒノケンもアツキと同じだったから。
生意気な猫から解放される、なんて思っていたのに、初日の夜には寂しくて堪らなくなり。
こんなにもアツキの存在を大きくしてしまっている事を、どうしたって認めるしかない。
それがアツキも同じで。
一目惚れ同士で想いが通じて、結ばれて。

何時まで続くのかはーーー分からないけれど。

ただ、ただ、今は願いたい。
愛しい白猫と過ごせる時間を、僅かにでも多く。

■END■

◆トップに記載している2004.09.06の開始から、今年で17周年を迎える事が出来ました!
サイト名も書いている奴の名前も変わり、移転も行っているのにこのカウントで良いのか少々疑問ですが、もう「この日」だと染み付いているので。
サイトの誕生日というよりも、ネット上に本格的に作品公開を開始した日、みたいな位置付けで自分の中では1年続けられた区切りになっています。
そんな今年の区切りは、ヒノアツにゃんで初えっち。
えっちなお話が前提だったアツキの犬耳尻尾なシリーズを、昨年16周年の時に完結させたので…17周年は白猫アツキにゃんの初えっちだろうと(笑)

冒頭にも書きましたが、自分ひとりえっちバレから致してる展開がコレで3作目とかなんですよね、シチュ自体が好きなのもですが…まあもう「そういう対象」な事が明らかな行為で。
致す展開に入る経緯として転がし易いというか。
とはいえ流石にそろそろ封印かな(´∀`;)
あとは可愛い甘えっちを目指して書いたので、通常ヒノアツでは甘過ぎるトコロを敢えて詰め詰めしたから、ちょっと"らしくない"感じだったかも。
でも、そういうヒノアツも書きたいから猫だ先生生徒だ女体化だとヒノアツひとつのカプの中で広げて書いているんですよね、書いてる本人は楽しい(笑)

どこまでサイトを続けられるのか分かりませんが。
また来年も、周年記念が出来たら良いなと思います。
何時も御来訪ありがとう御座います!

2021.09.06 了
clap!

- ナノ -