【Rockman.EXE@】
放課後の恋人/先生の家
「……っだー!終わった!解いただオッサン!」
「いちいち大袈裟な声を出してんじゃねぇよ小僧。どれ、どんなモンだか見せてみ…ッ…」

…プツン…ッ!

「…どスたべな?」
「…いや、髪を纏めていたのが切れただけだ。ヘタレてきていたのは分かっていたからな」
「家では普段ほどいとるから丁度良いでねぇの」
「まあな、それより問題集を見せな」

少しだけ普段よりも放課後の時間に余裕が出来た日。
ヒノケンに呼び出されたアツキは、今度は何処でナニをと思ったのだが…予想に反して。
そのままヒノケンの家に連れて行かれると、成績の芳しくない教科の強制補習が開始され。
苦手教科だと知ったアツキは最初こそ反抗したが、正直なところ次のテストで不味い点数を取ると今回以上に長く拘束される補習が待っている。
その点はアツキがよく解っている為、渋々ながらヒノケンが指定した問題に取り掛かり。
どうやら、解き終えた模様。

「ふん…まあ良いだろ、やりゃあ出来るのに何でちょいちょい酷ぇ点数を取りやがるんだ」
「得意なモンだけ伸ばせばイイ主義なンだべ」
「俺も基本はその考えに近いけどな、つっても最低でも補習行きの点は取るんじゃねぇ。担当教科でもねぇのに、見てやらなきゃならねぇとかよ」

言いながら、アツキが解いた問題集を閉じ置き。
伸び千切れたヘアゴムは一先ずポケットに放り入れ。
ヒノケンは、補習を取り組み終えてリビングのソファで解放感を露にするアツキの傍に。

「…俺の生徒で、俺の恋人だってんならな。ンな点数取るようじゃ相応しくねぇからな?」
「ッ…オッサン…」

どうやら付き合っている、という事でいいらしいと。
そこに至るまでに少々の時間が掛かったが、以前よりも少しは恋人らしい扱いが増えた。
…ような、気がする。
そんな想いで戸惑うアツキを、見透かしている様に見詰める双眸に眼鏡の隔たりは無く。
纏められていない燃えるような赤髪。
先にシャワーを浴びて既にスーツも脱ぎ去っており、自宅での寛いだ装いのヒノケンを。
自分だけが見れているのだと思えば、アツキにも「恋人」として接し…求める想いが灯る。

「…そンならセンセー、頑張った生徒で恋人に…御褒美を寄越スてもイインでねぇか?」
「へぇ、そんな気じゃねぇとか何時もは言うのによ」

何を望んでいるのか。
明確にせずとも、お互いの事だから。
「御褒美」の意味を察してヒノケンはアツキの肩に腕を回し、抱き寄せて距離を詰めると。
同じ、ボディソープの香りが鼻孔を擽って。
シャワーを使っていたのはアツキも、だ。

「校内でヤるのが、そンな気でねぇンだべ」
「誰かに見られるかもしれねぇ校内なんかで…っつうスリルが有る方が燃えるじゃねぇか」
「前も言ったべ!オラはそンで燃えたりスねぇべ!」
「お前は毎度そう言ってるけどよ、毎度毎度最後には可愛くアンアン鳴いてるじゃねぇの」
「る、るっさい!その言い方やめるべな!」

わざとアツキの羞恥を煽る言い方をして、愉快そうにくつくつと笑んでいるヒノケンに。
反したところでヒノケンの思うツボなのだが、アツキとしてはやはり言い返したくもなる。
一応、喚いてみたが…その様子を見るヒノケンは。
想像通りの反応から、愉しげに上がる口角。

「まあまあ、今日もたっぷり鳴かせてやらぁ。…校内じゃねぇなら、構わねぇ訳だろ?」
「……ちゃンとオラを満足させるだ、オッサン」
「へっへっへ…寧ろ俺が満足するまで付き合ってもらうぜ小僧、音を上げるんじゃねぇぞ」
「っ…ふ…」

ちゅ…っ…

とにかく、今のアツキはヒノケンを求めているし。
ヒノケンも実際「そのつもり」だった。
合致しているのに遠慮する必要など無いのだから。
抱き寄せていた腕の力を強めて、アツキの口唇にヒノケンは自身の口唇を深く重ね合わせ。
行為のはじまりに誘う。

スル…プチ、プチッ…

「ん、ン…」

重ね合わせる口唇を味わいながらアツキのシャツのボタンにヒノケンは手を掛け、ひとつひとつ丁寧に外し、無理なくシャツの中に手を入れられる程度に開いたところで掌を入れ。
インナーの内まで入り始めたかと思うと。

スリッ…くに…クニッ…きゅ、っ…

「ぷ、ぁ、オッサンま、た…!乳首ばっ…ンぅっ!?」

アツキの慎ましい乳首を探り当てて、指先で捏ね。
何をし始めるつもりか気が付いたアツキが、咄嗟の勢いでヒノケンから口唇を離して抗おうとするも、改めて捉えられた上に口を開いた事で咥内に深々とヒノケンの舌が捩じ込まれ。
にゅるりと舌同士が絡み、掻き混ぜられながら。
芯を持った乳首を執拗に捏ね回され、時に摘ままればアツキはビクンと身を跳ねさせる。

クチュ、クチュっ…
クニ…クニ…ッ、ぎゅむ…ッ!

「ンんうっ…!…ふぅ、ン、ぅ…!」

捏ねと摘まむを巧みに織り交ぜアツキの乳首を弄び、その間も咥内はヒノケンの舌が蠢き。
蕩け落ちそうな思考の中でアツキは。
けれど、まだ―――もっと、と。
抗いを見せる様に咥内のヒノケンの舌を積極的に絡め取って吸い、行為への意思を示す。

…にゅる…ちゅ、く…

「へっへっ…まあ、こんなモンじゃな」
「っ、は…はあっ…あ、当たり前だべ…」
「取り敢えず…よっ、と」
「ちょ…オ、オッサンまさか、まだっ…!」

漸く咥内から舌が引き抜かれた事で、アツキは大きく空気を取り入れ荒い呼吸を繰り返す。
一方のヒノケンはまだ余裕を保っており、アツキのシャツのボタンを総て外して脱がせ。
下のインナーを捲り上げると。
先程まで捏ね回していたとは逆の乳首に指を。

「片方だけだと不公平だろ」
「ンなモノ不公平で構わねぇだ!」
「おーおー、だってよ。可哀想になぁ」
「オラの乳首サ話ス掛けてるオッサンの方が可哀想なアタマだべ!…って、話を…ッ…!」

くに、ぐに…きゅうッ…クニクニ…っ…
…ぺろ…れろ…ぉっ…

「ふぅっ、く…舐め回スで、ねぇっ」
「先に可愛がってやった方は、ちょいと苛め過ぎたんでな。指より舌くらいがイイだろ」
「指も舌もっ、要らねっちゅうに…!」
「へっへっ…そう言うなよ折角素質が有るんだからな。乳首だけでイける様にしてやるぜ」
「ばっ、かでね…ぇ…ン、ぁ、あ…っ!」

じゅうっ…れろれろ…ッ…れ、るっ…
コリ…くにっ、クニ…ぎゅうッ…!

慎ましい筈の乳首は既に両方とも芯を持ち主張し。
ツンと愛らしく立つソレをヒノケンの指と舌で緩急を付けて玩ばれ、アツキの身は戦慄く。
くすぐったい、だが確かに奥底から沸き上がる性感。
両の乳首が弄られる度にジンジンと伝う痺れる様な熱は、アツキの下肢へと集まって行き。
乳首だけで、本当に。

……ちゅぱっ……

「は…オッサ、ン…?」
「まあマジで乳首だけでイかせてもイイんだけどな、もう少しゆっくり開発してやるよ」
「…趣味悪いっちゅうか、性格悪いっちゅうか…」
「へっへっへ…何とでも言いな。ンな事よりそろそろ全部脱げよ、どうせ勃ってるんだろ」
「いちいち一言余計だべ!…ちゅうか…ココでヤッたりスたら、後始末が大変でねぇの」
「…ソイツもそうか。そいじゃベッドまで、と」

ひょい…

「なっ?!なっ、なな、何スてるべオッサン!」
「姫抱っこってヤツじゃねぇか、喜べよ」
「ンな押し売りみてな言い方されて喜べる訳がねぇべ!…で、でねくて!下ろスだー!」
「イイだろうが、俺は一度やってみたかったからな。…ああ勿論、お前でって事だぜ?」
「う、えっ…むむ…そ、そンなら…まあ…」

それで納得して良いものか。
アツキは複雑そうな表情のままではあったけれど。
取り敢えず。
抱き上げるヒノケンの腕の中で大人しくなり。
そんなアツキの様子にヒノケンは一瞬だけ双眸を細めて柔に笑むと、寝室へ足を向けた。

―――…

トロ…トロッ…ツゥ―――…トロトロッ…

「ンん、ふ…っ…ちっと…冷たっ…」
「我慢しろ、どうせすぐ熱くなるんだからな」

ベッドの上で、お互い服を脱ぎ去り裸身。
仰向けで見上げるアツキの脚をヒノケンは開かせ、ローションを流し落として解す準備を。
自身に目掛け流されたローションは冷えており、勃ち上がっているアツキの自身の熱を冷ましてしまう程の冷たさから、ぶるりと身体を震えさせた。

…ニチュッ…ニチュ、クチュッ…ニチュ…ッ…!

「は、あっ、ふぁっ…ア…」
「これでもう冷たかねぇだろ」

冷たさで身を震わせたアツキに、ヒノケンはローション塗れの自身を握ると手コキを始め。
にゅるにゅるとスムースに扱いてやれば、掌の熱と自身の熱がローションの冷たさに勝る。
既に震えるのは冷気にではなく…扱かれる性感から。
厭らしい粘質の水音とアツキの抑えられない小さな喘ぎ声が一定のリズムで室内に響き、身を捩る事でベッドシーツの擦れた音も微かに添えられ。
もう冷たさは無いと頃合いを計り、ローションを纏った指をヒノケンはアツキの後孔へ。

にち…つぷ、クニ…クニッ…つ、ぷぷ…

「く、ぅ…ンんっ…」

蕾を撫で解されて侵入する指の感触。
自身を挿入される時よりも、この解す段階の方がアツキにとっては羞恥の思いを強く感じ。
ヒノケンから顔を反らし、解し終えるのを待ち堪え。
ぐちぐちと肉壁を拡げる音に、熱い息を漏らす。

「…俺も早く済ませてヤリてぇけど、流石に解さず突っ込む訳にはいかねぇモンだからよ」
「わ、分かっとるべ…」

アツキの羞恥とは異なる意味で準備を終わらせたいヒノケンだが、逸る気持ちを抑え込み。
一声掛けると再びじっくりとナカを拡げ解し、徐々に指の数を増やして慣れさせてゆく。

つぷ…ぷぷッ…ぐち、ぐちっ…
…にゅる…にちゅっ…クチュ、にちゅ…

「扱きなが、らっ…解すでね…えっ…!」
「イイじゃねぇか。目の前でこんだけガチガチにされてたら、可愛がりたくなるもんだ」
「どンな理屈だべな…ッ!」

三本目の指が挿入され、そろそろ。
というところでヒノケンの我慢が少々切れたのか、アツキへの手コキを衝動的に再開した。
ローションが冷たかった事など、もう忘れてしまう程に熱くなった自身は先走りを零し。
咥える指は意図的に前立腺を擦り、更に火照らせる。

……ぐちゅ…ずるる…っ……

「こんなところか、お待ちかねだぜアツキ」
「え、あ…」

トロッ…シュ、シュッ…ニチュッ、ニチッ…

アツキのナカから指を引き抜いて、準備の仕上げ。
自らの自身にヒノケンはローションを流し、とうに勃起したソレを扱いて纏わせ終えると。
ひくひくと蠢き、その剛直を望む蕾に宛がう。

ぬち…ず、ぷ…んっ…ずぷ、ぐぷぷッ…!

「ふッ、あ…あぅ…んンっ…」
「…まあ…お待ちかねは俺もなんでな、飛ばすぜ」
「っ、ま、つべセンセ…ェ…ッ」

ズ…じゅぷっ、じゅぽ、じゅぽッ…ずちゅ…っ!

「ひぁっ、あンっ、いきな、りぃっ…!」

アツキのナカがヒノケンの自身を受け入れるや否や、問答無用の短いスパンで突き立てる。
蕩け解された肉壁は急な律動の中、しかし快感を逃さず得ようときゅうきゅうと締め付け。
乳首に始まり自身も挿入に至るまでに扱き弄ばれ、出来上がってしまっている身体が…そう長く堪える事が可能な筈は無く、奥を抉られるとあっという間に。

ずちゅっ、グプッ…じゅぼっ、じゅぽ…!

「セン、セッ…もっ、無理ぃ…あっ、あァアっ…!」

…びゅるるるっ!びゅく、びゅる…るっ…
ぱたたッ、ぱた…びく…びくッ…

「う、ぁ…」
「…ッ…」

呆気なくアツキは果てた。
自らが放った白濁で胸元を染め、ビクビクと波打つ身体はアツキの意思を伴わず一層にヒノケンの自身を締め咥えてしまい、昂る熱を感じ取り。
身を落ち着かせる事がままならずに悶え。
荒い息を繰り返しながら、ヒノケンの事が見えているのか…虚ろげな眼差しに浮かぶ涙。
その姿を見下ろすヒノケンに灯るのは。
こうもアツキの身体を拓かせた事への満足感と。
もっと、アツキを望むが故の嗜虐心。

「…へっへっ…突っ込んでる側としちゃあ、こうも満足して貰えンのは光栄な事だけどよ」

……ゴソ…ゴソ……

「…?」

「何か」をヒノケンが探し始めだした事は理解したが、「何を」まではアツキには分からず。
ただ、状況としてヒノケンは未だ達していないしアツキのナカから出る様子は見られない。
となると、まだ行為を続けるつもりで。
ゴソゴソと探し漁っているのは、ベッドの上に脱ぎ放った先程までヒノケンが着ていた服。
何か、あっただろうか?

「伸びきってるから、ヤベェ締まり方はしねぇだろ」
「…な、そっ、ソレをどうっ…!」
「こうすンだよ」

クル……ぎゅ…ッ…!

「ばっ、か…やめっ…ンなので縛るでね、ぇ…!」
「ちっとは我慢のお勉強もしねぇとな。俺がイクまで、コイツを解くのは無しで続けるぜ」
「冗談でねぇ、べっ」
「ああ、冗談じゃねぇよマジだからな」

射精したばかりで敏感なアツキの自身。
その根本を、服のポケットに放り込んでいた…完全に伸び千切れたヘアゴムで結ばれる。
伸縮性が失われており、紐に近いソレで射精を無理矢理に塞き止めて行為を続けるのだと。
そう、アツキに理解させ。

…にゅ、るるる…じゅぷンっ!

「〜〜〜…!は、ぁっ…はあ、はあっ」

アツキのナカにぐっぷりと埋め込んでいた自身を、亀頭が抜け出てしまわないギリギリまで引き抜いたかと思うと、再び一息に奥まで突き抉られ。
衝撃にも似た快感にアツキは瞬間、息を失い。
どうにか呼吸の仕方を取り戻すと浅く息を吐く。

「…こんなのも、お前は好きだよな」

ぐちゅっ、ぐり…グリンっ、ぐちゅ…グチュ…ッ…

「う、あっ、ソレ…駄目っだ…べ…!ふぁ、あ…!」

根本までアツキのナカに埋め込み直した自身で、ヒノケンは円を描き肉壁を掻き混ぜる。
以前にも試し、イイ反応が返った事からなのだが。
その時よりもアツキの性感が高められているからなのか、それとも以前に与えられた快感を身体が思い出して「そう」反応する様になってしまったからなのか。
決して激しい動きでは無いソレは、アツキには絶え間無く快楽を与えられているのと同じ。

ぐりっ、グリンッ…!

「ひぁあっ、アッ、あぁ〜〜〜っ…!」

びくっ、びく…びくん…っ…

「っと…メスイキなんか覚えちまったか、コッチのお勉強は優秀なんだがな。へっへっ…」
「……う、うるっさいべ…エロ教師……」

ガクガクと痙攣してシーツを強く握り締めるアツキ。
何とか意識を保とうと堪え、ヒノケンを睨み付けるも…ヒノケンにしてみれば、己の奥底から盛り燃える嗜虐心を心地好く受け止める材料にしかならない。

「ンな口が利けるなら、こンくらい平気だよな?」

ぢゅぶっ、ずちゅ、じゅぽじゅぽ…っ!

「まだ、身体が全然ッ…落ち着いてねぇンに…そげな…い、あっ…は、ぁ、アッ、あッ…!」

敏感になっている身体を休ませる事などせず、ヒノケンはアツキのナカを突き立てて抉り。
獣の性交の如く腰を打ち付け肉壁の感触を貪ると。
根本を縛られているアツキの自身が、その戒めを引き千切る勢いで勃ち上がり射精を望み。

「センセ、ェ…ッ…もっ、オラ…出スて、ぇ…!」
「今日のお勉強の仕上げといくか。タマん中の精液全部、お前のナカに出すからなっ…!」

ずちゅッ、じゅぶっ、ぢゅぽ…ずぷんッ!
びゅぶるるるっ!びゅーっ…びゅー…びゅるる…!
ドプドプ…トプ…ドプ…ドプン…ッ…

「…クゥ、ウ…マジで全部出てんじゃねぇか…?」
「っ、あ…ぅ…熱…ッ…セ、ンセ…」
「!…っていけねぇ、ホラよ」

…シュル…ッ…

「ひ、あっ…ああっ、ああ…うああ…ッ!」

ビクッ…びゅる、びゅぶるるるっ…!びゅるッ…
ボタッ、ぱた…ぱたたっ…

精を躊躇無しに最奥で注ぎ込まれる熱さ。
ドプドプと白濁が暴れ、いよいよ何処にも熱の逃げ場が無くなりアツキは懇願の眸を向け。
その眸に気付いたヒノケンが、漸く戒めをほどくと。
勢い良く解放された精液が噴き出され、溜め込まれた反動による快感はあまりに強過ぎて。
トロトロと勢いは衰えても溢れ出る精に塗れながら、ビクビクと身体を震わせ余韻に浸る。

にゅる…るるる…ぬぽんっ!
…びゅぶ…びゅぷっ…

「…へっへっ…エッロい事になってンぜアツキ」
「はー…はぁ…は…センセ…」

アツキのナカに精を出し切り、ゆっくりと今度こそ自身を総て引き抜いて離れたヒノケン。
弛緩した蕾から注いだ精が溢れ出す様は、ありとあらゆるアツキを求める熱と欲を満たし。
身体をどうにも出来ずにいるアツキに。
ヒノケンは覆い被さり、耳元へ口唇を寄せて囁く。

「…お前は俺の生徒で恋人に相応しいぜ、全くよ」
「…へへン…当然…だべ…」

精一杯の普段通りをアツキは返し。
静かに腕を伸ばすと。
熱の冷めぬヒノケンの身体を、しっかり抱き締めた。

―――…

「寮には適当な事を言っておいたぜ、泊まるだろ?」
「…足腰ガッタガタで、帰れそうにないかンな」

激しい情交の後。
アツキは気怠い身体を気合いと根性で奮い立たせて、どうにかこうにか風呂だけは済ませ。
リビングのソファに辿り着くと身体を投げ出す様に座り、ぼんやり余韻に浸っていたところへ、シーツやらを洗濯に出していたヒノケンも戻って来た。
洗濯ついで、アツキの事を寮に連絡を入れた模様。

「ガタガタねぇ、放心もしているみてぇだし、そんな真っ白になるくらい好かったかよ」
「…真っ白過ぎて、どう問題解いたか忘れただ」
「おいおい、そこは忘れんなよ補習追加すんぞ」

くったりしているアツキの様子にヒノケンは満足げな笑みを浮かべ、ソファに腰掛け隣に。

「…寮…なンか言っとったべか?」
「いいや特に何も言われなかったぜ、そもそもお前は俺の研究助手って事で入れてるんだしな、俺が連絡すりゃあ基本的には通るから問題無ぇ」
「…それもそうだったべな」
「……ん?…って事は…」

何かに気が付いたヒノケン。
その気付きが何であるか、アツキには分からない。
分からないが、こういう場合は大概自分にはロクな事ではないとアツキは分かってもいる。

「俺の方が寮に出向いても構わねぇ筈だから…じゃあ次は、寮のお前の部屋で決まりだな」
「何が"じゃあ"で"決まり"かオッサン!アホか!」
「夜中に緊急でー、なんつって夜這いプレイとかイイかもなぁ。夢が広がるじゃねぇの」
「…ソレをヤッたら本気で殴るかンな…帰ったらソッコーで部屋の鍵を増やしておくだ…」
「ふーん、殴るだけかよ」
「……は?」

勝手に鍵を増やすのは寮の規則で禁止だとか。
そんな返しが来る事を先に予想していたアツキには、ヒノケンが食い付いた箇所が意外で。
「そこ?」という思いで目線をヒノケンに。

「別れる、とは言わねぇんだなって事だぜ」
「…っ…」

―――そんな事、考えた事も。

(…やッツまった、オラの顔に出ただな…)
「考えた事も無かったってツラしたな」
「…目ざといオッサンだなや、まったく」

はあぁ、と。
観念した様に大きく息を吐くアツキ。
本当、どうしようもない。
自分も―――目の前の恋人も。

……とす…ん……

「お、何だよ珍しいじゃねぇか」
「…"恋人"なンだから、フツーだべ」

傍のヒノケンにアツキは頭を寄せて、もたれ掛かる。
少し高い心地好い体温が気怠い身体にトロトロと染み渡り、やがて自然と瞼が閉じられ。
ストンと簡単に眠り落ち、寝息を立てて。

「……すー…すぅー…せん…せ、ぇ……」
「……へっ」

完全に夢の中、ちょっとやそっとの事では起きそうにないアツキを確認したヒノケンは。
額へ、頬へ、口唇へ。
優しく優しく、恋人への口付けを静かに贈った。

■END■

◆2005年11月23日は、ロックマンエグゼシリーズの最終作である6の発売日という事で…2020年の今年は発売15周年、自分にとっては何よりヒノケン先生の15周年になりますね。
ならば更新するのは先生×生徒なヒノアツだと(…)
再燃してから、この日の更新は放課後の恋人にするとはボンヤリ決めていた…のですが。
結構ギリギリになっても話の流れが浮かばず、先生×生徒は諦めて普通のヒノアツでえっち無しも考えないといけないかな…という状況になっていました。
そんな中で、ふと一番最初に更新した放課後の恋人/屋上の更新日を見て「あっ」と思って…
上げた日付が2005/11/23なんですよ。
えっ、自分これエグゼ6の発売日当日に更新したの?
確かに前情報でヒノケンの先生設定と姿は出ていて楽しみだった記憶は有るけれど、プレイ前の勢いで先生×生徒なヒノアツに辿り着いて話を書いてしまったの?どんだけなの自分??
…という事実に気が付きまして。
これは…これは当時の自分に向ける意味も込め、やはり放課後の恋人を書くべきだなと。
そう思い直し、今回のお話に至りました(*´ω`*)

とはいえ話の流れ作りには窮したままだったので、学校でのシチュエーションが浮かばず。
先生の家という切り札を切ってしまったから、普通のヒノアツとも変わらなかった…かも。
まあ、ヒノケン先生の家に行っている事は他の放課後の恋人でチラホラ書いてきたので、その様子を今回は書いてみたよ!と思っていただければ。
寮のお部屋でえっちも、いずれ書きたいですね!

2020.11.23 了
clap!

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