【Rockman.EXE@】
放課後の恋人/体育館倉庫
ああ、そういえば。
このオッサンは「次は体育館倉庫なんてどうだ?」とか。
前に言っていたな、と。
ヒノケンが何故、自分を指名して春休み前の体育用具整理を命じたのか。
重厚な音を立てて倉庫の扉が閉まり、すかさずロックが掛けられて。
真っ暗に近い倉庫内に灯される簡易ライト。
その光を持つヒノケンの顔には…普段は決して見せない、焼けるような瞳を眼鏡の奥で輝かせながら口角を上げた笑みが浮かべられ。
アツキは、これから我が身に起きる事を理解した。
─…
ゆるりとアツキに近付く、閉じられた倉庫内では一際眩しいライトの光。
それは獲物に、既に逃げ場が無い事を自覚させるかの様で。
とうに観念した面持ちのアツキの前に立つと、ヒノケンは傍に敷き置かれたマットの上に簡易ライトを放り置き。
アツキの身体を軽く抱き寄せ、触れるだけの口付けを交わすと。
静かにアツキを導き、雪崩れるようにマットを背にさせて押し倒す。
「…なスて、こげな場所でヤリたがるべな…」
「こんな場所だから燃えるんじゃねぇか」
決して新品とは言えないマットに沈められたアツキの身体。
覆い被さるヒノケンの顔を見上げながら、呆れたように。
倉庫内に漂う好ましくはない空気を考えればアツキの呆れは当然に思えるが、それを言ったところでヒノケンが止めてくれる等とも思えない。
何より、予想通りの答え。
「…オラはオッサンと違って、こげな場所では燃えねぇべ」
「ンな事を言ってるけどよ、もう勃ってるじゃねぇか」
「っ…!」
用具整理だからジャージに着替えて来いよと言ったのはヒノケン。
その通りの格好で来たアツキの下腹に手を伸ばすと、下着ごと掴んで引き下ろす。
ぶるんっと勢い良く現れた自身は、ヒノケンの言う通り既に勃ち上がって熱を帯びている。
期待などしていなかった…とは言えない程に。
「ジャージだと、ひん剥き易くて楽だな」
「変態かオッサン…今更だけンど」
「うるせぇな、その変態に押し倒されて勃ってるのがお前だろ」
「……久し振り…だかンな、オッサンと…」
「それはそうだな、お陰で俺もコレだ」
「え…あ?」
アツキと違い何時ものスーツを着ているヒノケンは、言いながら身体を起こすとベルトを外し始め、露にさせた自身は逞しく上を向いていて。
その剛直具合に、アツキは少し固まりつつ凝視してしまった。
「へっへっへ…」
にち…っ…
「…な、何スてるべっ…」
「こういう前戯もあンだよ、久々なんだしよ…少しゆっくり楽しもうぜ」
凝視するアツキの様子に興が乗ったのか、ヒノケンは取り出した自身をアツキの自身と重ね合わせる。
昂った互いの熱が交わると竿にはピクンと脈動が走り、そんな微かな刺激にも反応して、どちらの自身も更に熱を上げ。
その昂りは、相手の熱を喰らい合う様で。
だから堪らなく欲してしまう。
くちっ、くちゅ…にちゅっ…
「は、あっ」
ヒノケンの掌は互いの竿や亀頭を重ねて、ゆるゆると擦りだす。
楽しむ、と言った通り事を早急に進める行為ではなく、あくまで前戯。
熱い息を漏らし、徐々に腰を捩って感じるアツキに欲情しながらも。
重ね合わせた熱の味を、ヒノケンはじっくりと味わう。
にちゅ…くちゅっ、ぐちゅっ…!
「ンんっ、ふ…ンうっ…!」
「大分、その気になってきたみてぇだな…」
「る…るっさい…べ…っ」
「いいから正直にお前も楽しめっつうの」
ぐいっ…れろ、れろ…っ…
「く、ふぅ…ンっ…」
アツキのジャージを捲り上げて胸元をはだけさせるとヒノケンは乳首に舌を這わせ、時折、じゅうっと音を立てて吸い上げる。
くすぐったい様な感覚にアツキの身体は小さく跳ね。
重ね合わせている自身の鈴口からは、どちらからも先走りを溢れさせて。
擦る度に響く水音が、次第に淫らさを増していく。
ぢゅっ、ぐちゅっ、にちゅッ…!
…つぷ…にちゅ…ぐりぐり…っ…クチュ…
「オッサ、ン…!胸とか…それもっ、ズルい、べ…!」
「別にズルかねぇだろ」
「オラばっかで、ねぇかっ…!」
自身同士を擦りながらヒノケンはアツキの鈴口に指を軽く沈ませて。
先走りを纏いながら鈴口をなぞり上げると、アツキはびくりと身体を震わす。
乳首といい、勝手に追加される快感に抗議するが。
「サービスしてやってンだよ」
「そ、げなサービスとか、要らねっちゅう…に…!」
「へいへい、相変わらず口は素直じゃねぇな。…身体は素直だけどな」
ヒノケンがその抗議に耳を貸す事は無く。
すっかり互いの先走りで濡れた掌の律動を一層、激しくさせる。
ぐちゅぐちゅっ、ちゅくっ、にちゅっ!
「ンあっ、ああっ、はン…っ」
「お、ちったあ口も素直になってきたか」
「…いちいちっ、やかまスぃべ…オッサンは!」
「へっへっ…ところでよ、ジャージなら多少は汚しても構わねぇよな」
「アホか!構うべっ!…ッ、こ、こンのっ…!」
れろっ…れる…じゅう…ッ
にちゅっ、ぐちゅッ、ぐちゅ…ぢゅくっ!
再びアツキの乳首を舌でなぶりながら。
自身同士を握るヒノケンの掌は、緩やかな前戯から吐精を促す行為へと変わり。
己の自身だけではなく、ヒノケンの自身が上げる熱も直に感じてアツキはあっという間に追い詰められた。
「〜〜〜っ!…ぅ、あッ、はあっ…も、出っ…!」
「…ッ…!」
びゅるるるっ、びゅるッ…びゅぶっ…!
ぱたた…っ…ぱた…ぱたっ…
ヒノケンの掌の中でアツキの自身が一際、大きく脈打ち。
それを合図にして欲は堰切れ、アツキは腹から捲り上げられたジャージ近くまで、勢い良く白濁を吐き出す。
乳首を可愛がっていたヒノケンはアツキの吐精が近い事に気付いて寸前で口唇を離し。
達してビクビクと震えるアツキの身体が落ち着くまでは、大人しく───
…にちっ、にちゅ、ぐちゅっ!
「…!…オラは、イッたばっかなの分かる、べ…っ!」
「俺も、もう少しでイケそうだからよ」
「だった、ら、オッサンのだけにせンかっ…!」
大人しく…している筈もなく。
白濁を放って脈打つアツキの自身を感じ取ると、ヒノケンの吐精欲もだが悪戯と嗜虐の間の様な感情も湧き。
まだアツキの身体が落ち着いていない事は承知の上で、自身を重ね合わせたままヒノケンも自らを達するべく掌の律動を再開させた。
ぐちッ、くちゅっ…ぐちゅ…ッ!
「ん、うっ…!ンあっ、あ、うッ…!」
「…ふ…ッ…出すぜ、アツキ…!」
「ちょっ、ちょっと待つべオッサ…ンっ!」
びゅぶるるっ!びゅるるッ…びゅるっ!
ボタッ…ボタ…ぱたた…ッ…
「…くぅ…ッ…何か…スゲー出たな」
「〜〜〜ンっとに、このエロ教師…!オラの顔まで飛んでるでねぇか!」
自分が吐き出した白濁で濡れているアツキの身体の上に。
いや、それ以上。
捲り上げたジャージやアツキの顔に至る勢いでヒノケンは白濁を放つ。
勢いもだが濃さも相当で、塊の様にボタボタと落ちる欲の熱を感じ。
達したばかりな上に更なる刺激を与えられたから…だけではなく、アツキの身体はビクビクと跳ねて荒い息を。
口は変わらず抗議しているが。
その瞳は、とうに蕩けてヒノケンを見詰めている。
「悪ぃ悪ぃ。…じゃあ綺麗にしねぇと…なぁ?」
「…!…ふ、ンむ…ッ…!」
どれだけ口が反していても、アツキが欲情している事をヒノケンは既に解っていて。
頬に飛んだ濃い精の塊を指で掬うと、無遠慮にアツキの咥内へ挿し込む。
二本の指から広がる苦味。
捩じ込まれた指の圧と併せてアツキは瞳を歪ませ、拒絶したい。でも。
「ん、ぐ…うっ…」
「…良いぜ…オメエの舌の、口ン中の熱さ…堪らねぇ」
やわやわと指で弄ばれていた舌が、自発的に絡み付く。
アツキの舌が精を舐め取ったのを感じたヒノケンは、指を一定の間隔で抜き挿して。
暫し指フェラを愉しむ。
ちゅぽ…っ…
「…オッサン、悪趣味」
充分に堪能したのか、ヒノケンが咥内から指を引き抜くと。
アツキはボソリと軽蔑の言葉と眼差しを向けたが。
「本当にそう思うんなら、噛み千切ればいいだろ」
「…う…」
口だけではない。
覆い被さってはいるものの、拘束している訳ではない。
そこまでを含んでの。
「……ヘッ。ホラよ、コレで拭き取っとけ」
「わっぷ?!」
反論が出来ず、フイと目線を外したアツキにヒノケンは小さく笑みを漏らす。
そんな外れた目元に向かって、どうやら先に持ち込んでいたらしいタオルを投げた。
「…準備のいい事でねぇか」
「流石にマットだ何だにブチまけると、片すのが面倒くせぇからな」
「だったら」
「こんな場所でヤるなってか?まあ俺も何回もって気は無ぇぜ。1回は、って事だ」
全く悪いだとかと思う様子の無いヒノケンに、アツキはひとつ溜め息。
更に言い返したところで何にもならないと、黙って投げ渡されたタオルで顔にまだ残る精を拭き取り始め。
ヒノケンも、顔の比ではなく飛び散っているアツキの身体の精を一通り拭き取る。
「ま、こんなモンか」
「…ってオッサン。何でもう1枚、新しいタオルを持ってるべ」
「そりゃ、オメエのケツを解すのにマットが汚れねぇように敷くからだろ」
「…オラはもう、さっさとシャワーを浴びたいンだけンど」
「おいおい、手でイッただけで満足しちゃいねぇだろ…っと!」
「っだぁ!何するべ!」
自身を露にしただけで留められていたアツキのジャージに手を掛けて。
ヒノケンは下着ごと完全に脱がしにかかり、ついでに室内用のシューズだ靴下だも脱がす通りがかりとばかりに剥いでアツキの下肢を露にし。
まだ新品のタオルを尻の下に手早く敷く。
つ…ぷ…くに、くにっ…
「…ッ…ン、あ…っ…」
「このまま解すのはキツそうだな…」
脱がす為に捕らえたアツキの脚を割り開き。
先走りや精が流れ伝って濡れる後孔に指を這わせ、蕾を軽く撫でると。
濡れそぼってはいるが、指を挿れるには充分と言えない潤滑具合をヒノケンは察知し、ポケットからローションを取り出すとアツキの自身に向けて垂らす。
トロ…トロ…ッ…
「っ、ひゃ、うっ…!」
流し落とされたローションの冷たさに、アツキからは高い声が上がり。
落ち着きかけた自身も反応してビクンと跳ね。
またそんな自身を可愛がってやりたくなる衝動をヒノケンは抑え、後孔に流れてきたローションを指に纏わせると、再び蕾を捏ね回して本格的に解し始めた。
くち、ぷちゅ…くにっ、ぐに…
…くにっ…ず、ズ…ッ…
「…ぅ…く…」
丁寧に捏ね解す蕾が軟らかさを持った頃合いでアツキのナカに指が侵入し始め、一息に挿し込む様な真似はせず、ぐにぐにと徐々に肉壁を拡げながら進む。
ナカを蠢く異物感にアツキは身悶え、ローションでテラテラと鈍く光る自身が再び熱を帯び。
…く、んっ…
「!…お、オッサン…っ」
「そうだよな、ココだよな?」
「やめ、るっ…べ…!アッ、ふぁっ…ンあぁっ…!」
ある程度まで埋め込んだところでヒノケンは指を曲げ、アツキの反応に口角を上げる。
的確に指を当てたのはアツキのイイ箇所。
コリコリと擦って刺激を与えると身体は直ぐに悦を感じて震え、熱を帯び始めた自身も勃ち上がり脈打つ。
あくまで解す事が優先だが、ナカを拡げつつイイ箇所にも指を当て続けてヒノケンはよがるアツキの姿を堪能し。
指の数を増やす。
…ずっ…ぷ……ずちゅ…
「ふ、うっ、んんっ」
「おっ、指三本イケるみてぇだな」
余裕という程ではないが、アツキの後孔は増やされた指も呑み込み。
追加された指が纏っていたローションがナカに塗りたくられると、次第に抜き挿しも容易になってゆく。
ずちゅずちゅと音を立てて三本の指が出入りし、時にはイイ箇所を意図的に掠めて。
アツキの自身は、すっかりと屹立を果たしていた。
……ズル、ッ……
「っあア…は、ァ…」
そろそろ充分に解れたとみてヒノケンはアツキの後孔から総ての指を引き抜く。
ローションで鈍く光る自身や睾丸に、後孔。
指を失った後孔はヒノケンを求める様に喪失からヒクついており。
その光景にヒノケンの自身も、とうに昂りを取り戻してアツキを求めている。
「おい、立てるか?」
「立てって…ど、どうする気だべ」
「そこの跳び箱に手を付けよ」
「…ンっとに、後ろからが好きだべな…」
「オメエだって後ろからの方がよく鳴くじゃねえか。…それに、マット以外も何か使わねぇと体育館の倉庫なんかでヤってる意味が無ぇだろ」
「…アホだとは思っとったけど、オッサン筋金入りのアホだべ…ったく…」
呆れ果てるアツキだが、ここまで身体を拓かれては挿れられない方が辛い。
緩慢に身体を起こし、傍の跳び箱に掴まりながら立ち上がると、そのまま跳び箱に身体を預けて尻を向け。
その間、ヒノケンは己の自身にローションを流し、にちゅにちゅと倉庫内に音を響かせて扱き。
突き出された双丘を割り拡げ、ヒクヒクと蠢く後孔に宛がい…埋め込む。
くちゅ…ず、ぷ…ぷっ…ぐぷっ…!
「ア、ああッ…く…ぅ、ッ…!」
「久し振り…だが、ちゃんと俺のカタチは覚えているみてぇだな」
「そげ、な事っ…分かる、ンか…っ!」
「分かるぜぇ…お前のナカが、みっちりと俺に吸い付いて咥えやがるんだからよ」
「…っ…!」
否定をしたいが、アツキも自分のナカがヒノケンを求めてきゅうきゅうと締めているのが分かる。
ぐっぷりと根元まで埋め込まれ、脈動を浮かべられるとアツキの身体は敏感に反応してビクビクと跳ねさせながら、更にヒノケンの自身を咥え締めてしまう。
「…ま、ココまで来たらゴチャゴチャ言ってねぇでって話だよな」
「う、ンっ…セン、セー…」
…ずるるっ…じゅぷっ、じゅぽッ、ぢゅぷっ!
「はっ、あっ、アンっ…あふッ…!」
吸い付く感触を堪能したヒノケンは、アツキの腰を掴み。
一度、亀頭の近くまでナカから自身を引き抜いたかと思うと、そこから激しく抜き挿しを開始する。
パンパンッと、腰を打ち付ける度に乾いた音が。
結合からは、じゅぽじゅぽとローションに塗れた自身と後孔が濡れた音を響かせ。
激しい突き立てに、カタカタ揺れる跳び箱へ身体を預けるアツキは絶えず喘ぎ、亀頭がイイ箇所を擦ると一際色を含んだ声を上げて。
それがまたヒノケンの律動を加速させて。
ずちゅっ、ぐぷッ…ぱちゅっ、じゅぷッ!
…にちゅっ…にちゅにちゅッ…
「あ、アッ、今、扱かれた、ら…オラすぐ、出ツま、ぅ…!」
「おう、ぶっちゃけ俺も余裕は無ぇからよ…先に出すのは癪だから、オメエから出せ」
「どンな理屈だべソレ…っ!ふ、ァっ、アンっ、ぁあ…ッ!」
びゅる、びゅるっ…びゅるるっ…
…ぱたたっ…ぱた、ぱた…
ナカを激しく突き立てられるのに加えてローション塗れの自身を扱かれ、ずちゅンっ!と一段深く突き挿れられた快感に二度目の白濁をアツキは放つ。
跳び箱に掴まる腕は射精の衝撃で震え、けれど尚もナカはヒノケンを求めて咥え。
「く…ッ…」
びゅぶるっ…びゅる、びゅる…!
どぷ、どぷっ…ごぷ…ッ…
「センっ、セぇ…熱…ぃ…」
吐精したアツキに続き、ヒノケンもアツキのナカに白濁を注ぎ込む。
当然のように自身を根元まで埋め込んでの射精。
じわじわと自分のナカで広がる熱に、アツキは全身が蕩けそうで。
どぷ…どぷぷっ…
…ぐちゅッ、ずちゅ、じゅぷッ!
「えっ、なァっ、出スながら…って、あぅ…ンんっ!」
「いっぺん中出ししながら掻き回してみたかったンだよな」
「〜〜〜っ…!…アッ、ふぁっ…あンッ…!」
睾丸の精を総て注ぐ勢いでアツキのナカに吐き出される欲。
その欲の熱を出し切る前に、ヒノケンは再び抜き挿しを開始した。
後孔は既に許容を超えたローションや精を溢れさせていて卑猥な音だけが上がり。
ヒノケンの熱を染み込ませられる度に、アツキは射精を伴わずイかされ。
それでもまだ、互いを望む。
じゅぽっ、ぐぽッ…ずちゅっ…!
「ふ、あッ、センセェ…もっ、と…オラのナカ…に…欲スぃ…べ」
「アツキ…ああ、俺の全部を受け止めやがれ…!」
「あアッ、はぁっ…セン、セ…っ!」
…ぶびゅるるっ…びゅるるうッ!
ドプッ、トプン…!
「〜〜〜あああああアッ…!!…ぅ、ンっ…あっ、ア…」
「…くう…ぅッ…アツキぃ…やっぱりオメエはイイぜ…」
一度は弱まった射精。
だが、軽くイキ続けるアツキの自分を求める言葉に。
ヒノケンは残るありったけの精を、躊躇無くアツキのナカへ勢いを取り戻して放つ。
総ての欲を注ぎ、流石にヒノケンも連続の射精で脱力する身体を暫し落ち着かせると。
にゅ、るるるッ…ぬぽ、ンっ…
ぶぴゅっ…びゅぶ…ッ…
「はぁ、ン…っ…」
漸くアツキのナカから自身を引き抜く。
ヒノケンのカタチに拓かれた後孔は弛緩していて。
抜かれた瞬間から注ぎ込まれたローションや白濁が小出しに噴き出され、アツキの尻や太股に伝い落ち。
情交の激しさから、跳び箱を掴む手の力が抜ける。
ずず…っ…
「っ、危ねぇ。…大丈夫かよアツキ」
「…だ、誰のせいだべ…無茶苦茶スといてからに…」
「へっへっ…どうやらヨかったみてぇだな」
「…るっさいべ、エロ教師…」
ずるずると跳び箱から崩れ落ち掛けたアツキの身体を背中から抱き留め。
表情を窺えば、余韻に浸る熱っぽくも気怠げな眼差し。
ヒノケンは、そんなアツキの双眸に目を細めて笑み。
減らず口な口唇に、そっと口付けた。
───…
「……ところで、オッサン」
「何だ?」
タオルを持ち込んだお陰で多少は時間短縮が出来たものの。
情交の完全な証拠隠滅には、やはりそれなりに後始末の時間が掛かり。
ヒノケンとアツキが校舎を後にする頃には、既に夜を迎える時刻になっていた。
水で濡らしたタオルと制服をヒノケンに持って来させ、一応は身体を清めて制服に着替えたアツキは、さっさと洗濯してしまいたいジャージを持ち帰りながら。
不意に、隣を歩くヒノケンに話し掛ける。
「ずっと聞きそびれていたけンど…オラの他にも、こげな事しとる相手が居るンか」
「はぁ?」
てっきりヒノケンは、校舎内でのセックスはもう御免だとか。
以前にも聞いた何時もの文句でも言うのだろうと思い、軽く聞こうとしたのだが。
少々、予想外の質問が飛び出してアツキの方を向く。
向いた先のアツキは顔を伏し気味で、ヒノケンの答えを聞きたいような聞きたくないような、複雑そうな表情を浮かべていて。
不安げでいて真剣なそれは、決して思い付きの驚かせ等では。
「……お前とヤるようになってからは、お前しか抱いてねぇよ。つうか、俺はお前と付き合ってるつもりだったんだが…そうじゃねぇのか?」
「は、はぁっ?!」
今度は答えを聞いたアツキの方が予想外だったらしい。
「ン、ンだってオッサン!全然そげな事を言わねっちゅうか…」
「…まあな。確かに言わねぇし、色々すっ飛ばして身体から始めちまったからな。…オメエが身体だけの方がイイってんなら、俺もそう考える事にするけどよ」
不安げな表情から驚いた表情に変えてヒノケンに顔を向けたアツキは。
お互いの目線を交わし、歩みを止める。
"身体だけ"と言ったヒノケンの方が今度は瞳を曇らせた様に、アツキには見え。
「…いンや…その…なら、ホレ…」
「あん?」
「付き合ってるンなら…遅れたけンど、バレンタインの…賞味期限は確か、まだ大丈夫の筈だべ」
交わした目線を外し、照れくさそうにアツキが鞄から取り出したのはチョコレート。
箱は小さくとも有名店の品であり、ヒノケンが甘いモノをそこまで好みにしていない事を考慮して質を選んだのが見てとれた。
「…用意スてたンだけど…こういうのはオッサン面倒なンかなとか、そもそも…渡すような関係なンかなとか、直前に考えっツまったべ」
「…バーカ、早く聞けっつうの。もう返さなきゃならねぇ日じゃねぇかよ、まあ白いモンはたっぷりくれてやったけどな」
「オッサン本ッ当に最低だべな!要らんならオラが食べるかンな!」
「冗談ジョーダン、貰うに決まってるだろ。ありがとよ」
くっくっと。
いちいち余計な一言を足してやれば、いちいち反応してくれるアツキに笑みながら。
差し出されたチョコレートをヒノケンは受け取り。
今は周囲に人目が絶えているのを確認すると、アツキの肩を抱き寄せて。
「っ、な」
「それじゃ目出度く、お付き合いって事で。…どうだ?今日は泊まってくか?」
「…泊まるかどうかは別だけンと…シャワーを借りには行きたいべ」
「おっ、何だ続きをヤル気満々じゃねぇか」
「違うッ!そういう意味でねぇべ!キッチリ身体を洗いたいだけだっちゅうに!」
「まあまあ、そういう事にしといてやるぜ」
「〜〜〜ッ…こンのオッサンは…」
「…おっと」
正面の通りから人が来る気配を察して、ヒノケンはアツキの身体を離す。
平静を装い、何事も無くすれ違うと。
人目は再び失われ。
「……ヘッ。…春休み、どっかに出掛けるか」
「……ン、そだな…」
アツキの指先が躊躇いがちに自分の指を掠めている事に気付き。
ヒノケンはその指を、掌を───恋人繋ぎで迎え入れた。
■END■
2020.03.14 了