【Rockman.EXE@】
放課後の恋人/教卓
このオッサンは、つくづく最悪だとアツキは思っている。


鴉の鳴き声が響き、夕闇に紛れ掛けている校舎。
放課後を迎えて人気の無くなった教室内は、既に消灯されて暗く。
必要最低限に点けられている、廊下からの照明によって微かに照らされているだけだ。
普通に考えれば、誰かが居る様な状況では無い筈なのだが…
そんな教室の一角からは何故か、熱い息遣いと―――粘質を含んだ水音が零れ落ちていた。

じゅぷ…ぐちゅ…っ…

「…っン…あっ…!…こ、こンのエロ、教師…っ…!ど、どこで…スてるンだ、べ…っ!」
「そりゃあ、俺だってこんな所でスるつもりは無かったけどよ」

ヒノケン曰く、「こんな所」。
二人が教室内の何処に居るのかといえば…教壇の中心に備え付けられた教卓の中、である。

「そ、ンの前、に…きょ、教室でスること自体が、ぁっ…間違って、る…べっ…!」
「何を言ってやがる、一回はヤってみてぇモンじゃねぇか」

じゅぶ…っ

「あンっ…ふ、あっ…あっ…!」
「…にしてもあのハゲ、何度も見回りするんじゃねぇっつうの」

会話から状況を総合すると。
ヒノケンの提案による教室内での情事を交わしていた最中に、教頭による校内見回りの足音が近付き…
慌てて教卓の中へと潜り込んだ結果、この状況が出来上がったモノらしい。
ヒノケンは机内部を背にして、挿入したままアツキを自分の身体の上に乗せている。
向かい合わせ、ではなくて。
背面からヒノケンはアツキの身体を押さえ、見回りが通り過ぎた後も自身を咥え込ませ続けていた。

じゅ…ぢゅぷ、じゅぷっ…

「っあンっ…あ、うっ…ア、アホっ…う、ごくで…ねっ…!」

狭い箱の中に居る様な閉塞感。
しかしそれが、より一層の密着を生み出して快感を誘う。
場所が場所だけに激しく動く事は出来ないが…普通ではない、このシチュエーションに。
アツキは僅かな律動にも、身体が熱っぽく反応を示していた。
そんなアツキの熱い息遣いを間近に感じながら、ヒノケンは微弱ながらに緩急を付けてストロークを続ける。
不意に転がり込んだこの状況を、ヒノケンは楽しんでいた。

じゅっ、ぢゅぷっ…ぢゅぶ…っ

「ふぅ、あっ、あンっ…あっ…はっ、あンっ…!」

強くは無い刺激の筈なのに、相変わらず閉塞と密着はやたらと熱を生み出し続けていて。
意識は、交わっているお互いに嫌でも集中させられる。
突き上げられる度に、もう全部がトロトロになってしまっている感覚。

「へっへっへ……よ…っ、と…!」

ガンッ!

「あでっ!」

興が乗って、体勢を変えようとしたヒノケンだったが…熱中し過ぎて、教卓の中である事を忘れていた。
思いっきり後頭部を打ち付けている。

「…バーカ」
「ンだとテメェ」

ぐい…っ…!…ぢゅぷぷっ、ずぷ…じゅぷ…っ!

「あっ、アンっ、あン…っ…!」

どのみち、そうするつもりではあったのだが。
膝裏を抱え上げて角度を変えると、減らず口を叩くアツキにヒノケンは予定よりも激しく突き上げた。

「ふァっ、あっ…あンっ!あ…ふぐっ!?」
「バカヤロウ、声がデケェ」

だったら、こんな所でスるなと言いたい訳だが。

「んんン〜〜〜!ンン、んん〜〜〜っ!!」

ヒノケンに掌で口を塞がれて、それはままならない。
最も、アツキが何を言わんとしているのか大体ヒノケンも想像が付いているが。
ひとしきり口を塞がれたまま騒いでいるのが落ち着くと、掌を離してやる。

「…ぷは…っ…ったく…だ、れか来たら…とか、オッサン…考えたコトないンか…っ…!」
「ま、そン時は俺がこの学校に居られなくなって…それっきり、だろうな」
「……そ…そげ、な…コトっ……」
「嫌だ、ってか?」
「…っく…」

肩越しにアツキの顔を覗き込んで意地悪くヒノケンが囁き掛けると、アツキは顔を真っ赤にしてそっぽを向く。
分かっているだろうに。


―――そういうところが、このオッサンを最悪だと思う所以で。

しかし。

困った事に。


「…へっ…」

じゅぷっ…ずぷ…ぢゅぷっ…!

「は、ァっ…あンっ、あっ…ふぅ、あっ、セン、セ…っ…ェ…っ…!」

びゅくっ…びゅる、びゅるるっ…

自分のナカで躊躇無く吐き出されるヒノケンの欲を感じて、アツキ自身も同じ様に白濁を吐き出す。
この熱を感じられなくなるのは…やっぱり、嫌で。


つまり―――そんな最悪のオッサンを、否定出来ない自分が居る訳で。


つくづく。
それも最悪だと、アツキは思っている。

■END■

2006.11.01 拍手御礼
2006.12.30 拍手移動
2020.02.01 加筆修正
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