【Rockman.EXE@】
放課後の恋人/屋上【RE】
◆才葉学園の高等部でアツキの担任なヒノケン先生
という設定でのヒノケン×アツキなシリーズです
当サイトのお話は基本的に連載は無いので、シリーズどのお話から読んでも大丈夫です◎



空気が凛と冷える秋と冬との狭間の季節。
陽が落ちる時刻が早まり、放課後を迎えてからそこまでの時間は経っていないというのに、才葉学園・高等部校舎の周囲は既に薄暗くなり始め。
校舎内にしても人の気配は少なく、寂しい様相。
しかしそんな校舎の中で突然、「廊下は走らない」と張り出された標語を無視し、バタバタと騒がしく走り目的の場所へ向かっている生徒が現れた。
目指しているのは自分の教室。
廊下の角を曲がり、在席する教室が視界に入ったところで走るのを止め、その教室のみ電灯が点けられている事を確認して───アツキは。

「…あのオッサン、教室サ居ただか」

やれやれ、とでも言いたげな口振りだが口元には笑みが浮かび、何処か気持ちは逸っているけれど。そんな事は無いと自らへ言い聞かせる様に今度はゆっくりと歩いて教室へ近付き。
辿り着いたドアに備え付けられているガラス越しに中を覗けば、教卓には見慣れた男の姿。
「彼」───は、自分の担任で。そして。
初めて会った時から、相手が持つ炎が欲しいと。
そう願ってしまった男の横顔に惹かれて静かにドアを開き、普段通りの態度で話し掛ける。

ガラガラ…ッ…

「オッサン、職員室にも第一研究室にも居ねと思ったら教室サ居ただか。何スとるンだ?」
「教師をオッサン言う奴があるか、ガキンチョ」
「…生徒をガキンチョ呼ばわりスてくる教師の方が、問題あるンでねかと思うべセンセー」
「じゃあ、小僧だ」
「あンま変わってねぇでねか…っとに」

このクラスの担任、ヒノケンこと火野ケンイチは。
アツキの方には振り向かず、教卓に内蔵されている才葉シティの最先端技術が用いられたパソコンを使用して、今までの作業を続行。声を掛けてきたのはアツキだと解っているから。

「ンで、何スてるンだべ?」
「お前等のテストの採点中だ…見るんじゃねぇぞ」

カチカチッ…

採点を終えたテストのデータを保存。
次の生徒の解答をモニターに表示の流れ。

「ったく、めんどくせぇ」
「…なスてセンセーやってるンだか、このオッサン」

ずり下がってきた眼鏡を押さえ上げつつ。
ヒノケンは言葉通り面倒そうに採点を進め、どうやら最後の生徒のテスト解答データを開いたのか、ガシガシとスピードを上げて終わらせに掛かりだす。

「…ちゅうか、テストの採点とか教室でやるモンなンか? 職員室とか、オッサンの第一研究室とかでやるモンでねのか、生徒に見られッたくねンなら」
「普段はそうだけどよ、ハゲ教頭が職員室で他の教師にネチネチ何か言ってやがって、あの場に居たら俺に飛び火しそうだから避難して教室でやってんだ」
「研究室は?」
「お前も分かるだろ。第一研究室は職員室の中に在るんだから、安心は出来ねぇだろうが」

アツキと話をしながら総ての採点を終え。
保存の実行と完了を確認し、パソコンの電源を落としたところで、ヒノケンは初めて教室内には入らずドアの所に立つアツキの方へと目を向けた。

「…それにスてもオッサン、ハゲとか呼んで避けとるくらい、教頭先生が苦手なンだなや」
「当たり前だろ。あのハゲときたら事あるごとに俺に突っ掛かって来て、うるせぇんだよ」

それは普段からの態度のせいでは。
と、アツキは瞬時に思ったが口には出さず。
ヒノケンではなく、廊下の別の人物に向かい大声を。

「教頭センセー! 火野先生が教頭先生の事、ハ…」
「っだああああああああー!!!」

教室のドア付近に立つアツキには、廊下も見える為。
つい先程から話題の教頭先生が各教室の見回りに来ていた事に、気が付いていたのだ。
当然、ヒノケンからは分からなかったが。
アツキが誰に何を言わんとしているのかを即座に理解したヒノケンは、教卓からドアまでの距離を全力で詰めてアツキを取り押さえ口を塞ぐ。

「…どうかしましたか? 火村君。…火野先生も」
「いや、何でも! 何でもないッスよ教頭先生!」

かなり不審極まりないが、三つ先の教室のドア前に居る教頭先生へと返事をするヒノケン。

「……そうですか」

怪訝そうな顔をするものの、取り押さえられているアツキから今のヒノケンの発言に対して反論する素振りが無かったので、一応納得した模様。
今後、更に目を付けられそうな予感はするけれど。

「そうだ、火野先生」

まだ何かあるのかよハゲ!
とは思うが、流石のヒノケンでもそれは言えない。

「今日は先生が屋上付近の見回りをしていただく日ですから、忘れないで下さい。…カードキー、持っていますよね?」
「ああ、はいはい、持ってるッス! そいじゃ、今から行ってくるんで…失礼するッス!」

言うや否や、取り押さえていたアツキを抱え直し。
これ以上、何かを言われる前に全速力で屋上へ向かい走り始めたヒノケンとアツキの背中へ、やはりというか教頭先生の怒声が飛ぶ。

「火野先生ーッ! 廊下を走らないで下さいーッ!!」

ああ、そういえば。
走りながら「廊下は走らない」の標語をチラ見して。
これは、後日ネチネチと注意されるのだろうなとヒノケンは悟るも、走り出した足は止めずに、とにかく教頭先生から離れたい一心で屋上を目指した。

─…

…PiPiPi…ガチャリ!

「クソッ…あのハゲ、後で説教くらうな絶対…」
「大変なこっただなぁ、オッサン」
「誰のせいだ、誰の!」

屋上へ続く扉のロックをカードキーで解除し、アツキに文句を言いつつ開放すると同時。
刺さる様な冷たさを含む風が校舎内に入り込む。

「いやー! 屋上はやっぱス気持良いだなや!」
「ナントカは高い所が好きってのは、本当だな」

自分の脇をすり抜け屋上へ飛び出したアツキに。
半ば呆れながら僅かな間を置いてヒノケンも続き、落下防止の鉄柵に手を掛けて才葉シティの景色を見始めたアツキの背中に辿り着く。

「学校の屋上ッちゅうンは、やっぱ特別なンだべ!」
「そんなモンかね」
「…ってオッサン、なンねその掃除道具」

背後に来たヒノケンに向かいアツキが振り向くと、何故かヒノケンの手には掃除の道具。
屋上に続く扉の前に設置されているロッカーから取り出したのか、二人分といったところ。

「この屋上には監視カメラは無ぇが、扉の前までは録画されてんだよ。…だから、時間が掛かったとしても、良い子にお掃除してましたってアリバイだ」
「…時間、掛かる事があるンか?」

ガシャッと無造作に掃除道具を捨て置くヒノケン。
鉄柵に寄り掛かり自分を見るアツキに向かい手を伸ばし、顔を掠めて鉄柵と共に重ね張られている二重の転落防止策である金網に指を絡め。
見つめ返す視線に宿る、欲を孕んだ炎。

「言う必要があるか? …ヤるんだろ、セックス」
「……エロ教師」
「へっ…さっきからずっと期待したツラをしてるクセに、俺にそんな事を言えたクチかよ」

金網に掛けた指を外し、才葉学園の校章が入ったアツキのブレザーをヒノケンは脱がし始めるが、アツキは抵抗らしい抵抗を見せるつもりは無い。
何故なら、その通りだから。この男の炎に触れたい。

「…屋上っちゅうのは予定外だけンとな…」
「イイじゃねぇの、寒いってか?」
「オラの東北の地元サ比べたら、才葉の秋冬とか寒い内には入ンねけンど。…ンだからって外で脱がされてエエっちゅう訳ではねぇべな、オッサン」

ブレザーを放り置かれ、ベルトのバックルを外され。
シャツのボタンをひとつひとつ外されながら、アツキの口からは不満じみた会話が成されるものの、抗おうという意思はやはり無く。
そうこうしている内にボタンが総て外されて覗く肌。
ヒノケンはアツキの腰に腕を回して自分の元へ引き寄せ、当然であるように口唇を重ねる。

…ちゅ、く…

「ン…っ…ふ…」

少し冷えていた互いの唇が互いの熱を灯して温もりを取り戻したところで、ヒノケンは軽くアツキの唇を舐めて口唇を割るように誘う。気付いたアツキは、すぐには割らず焦らすが。
やがて薄く、口唇を割り開き要求を受け入れると。
咥内に入り込んでくる、アツキのモノではない舌。

…ぬる…にゅる、にゅるっ…

「ふ、ンっ…ンんッ…ふ…」

想像よりも激しく咥内を掻き回され、アツキから漏れ出る甘い声と行き場無く伝う唾液。
だが構う事などせずに二人は互いの舌を貪り。
自然とアツキからもヒノケンの身体を抱き締めて求め合い、心ゆくまで堪能したところで漸くヒノケンはアツキの咥内から舌を引き抜き。
ふと見たアツキの、トロンとした表情。

「へっへっ…可愛いツラしてるじゃねぇか」
「! …な、なンねッ。オラがめンけぇだとか…」

蕩けた顔を晒していたのだと理解したアツキは、我に返ったようにしてヒノケンの身体から腕を離し、ゴシゴシと手の甲で口を拭って誤魔化すも。
チラリと窺ったヒノケンの。
眼鏡のレンズ越しに見た瞳は、とっくに見透かしていて───何だろうか、とてもイヤだ。
からかわれた事が、ではなくて。
レンズ越しという「生徒を見る目」で見られる事が。

…スッ…

「…どうした?」
「…眼鏡が伊達で、見えとるのは知っとるだ。…ンだから、外したって…問題は無ぇ筈だ」

ゆっくりと伸びるアツキの手。
ヒノケンの眼鏡のフレームに届く。

「…今は、オラだけの特別な"センセー"…だべ?」
「へっ…そうだな、違いねぇぜ」

外された眼鏡。
「普段の学園での関係」という枷も外れた。
自分だけを見る直の眼差しに、アツキは射抜かれる。

「…さぁて、そいじゃ小僧はヤる気満々みてぇだが。まずは俺のをソノ気にさせてみせな」
「…どう考えてもオッサンも、充分ソノ気でねか」
「ま、イイから口でシてくれよ」

強引に話を進めてヒノケンは鉄柵に背を預け。
そんなヒノケンの事を、アツキは諦めとも慣れとも取れる表情を見せて息をひとつ吐くと、ヒノケンの前に屈んでベルトを外し、ぎこちなく自身を取り出す。
現れたソレは、まだ勃ち上がりは緩いけれど。
アツキが添えた指が、焼かれるくらいに帯びる熱。

ごく…

一度、喉を鳴らしてアツキは意を決し。
先端に舌を這わせ、フェラチオを始めてゆく。

ぴちゃ…れる、れるるっ…ちゅ、ちゅっ…

舌だけではなく時には口唇も使い、アツキなりに丁寧な口での奉仕の音が風の中に消え。
亀頭からカリ首、そして竿へと。

「はぁ…ッ…ど…だ、べ…? オッサ、ン…」

根本近くまで舌による愛撫は行われ、ヒノケンの自身は芯を持ってすっかりと勃起しており、アツキは小さなキスを竿に贈りながら行為の出来を問う。
興奮を覚えている事が窺える、潤んだ上目で。
上手い下手の正直な話をしてしまうと、決して巧いとは言えない拙いフェラチオなのだが。
それを「アツキが行っている」という事が、ヒノケンの視覚と性感には堪らなく訴えられ。
薄く釣り上がる口角。

「悪くねぇ、その調子で続けな」
「…ン…わ、かった…だ…」

アツキの頭を撫で、行為の続行を求め望むと。
心なしかアツキの顔には安堵した表情。

ちゅう…ぺろっ…はむ…っ…

愛おしいものに贈るような鈴口へのキスから。
咥内へとヒノケンの自身を含む。

くぷ…じゅぷぷ…っ…
…れろ…れろっ…

「ンむ…ふッ…んぅ…」

まだそこまで深く咥えている訳ではないが、膨らんだ亀頭と勃ち上がった竿による圧迫感は否めずアツキの顔は歪み、苦しげ混じりな声。
それでも裏筋を舌で懸命に舐め、射精を促す。

「…ッふ…イイぜ…上手くなったじゃねぇか」

這う舌には「気持ち良くさせてみせる」という感情が滲み出ており、拙いが負けず嫌いで生意気なアツキらしいソレは、ヒノケンには炎を盛らせるスパイス。
微かに、艶を含む声がアツキの耳へ。

じゅっ…じゅぷ、ぢゅぷっ、くぷっ…

「ふ、う…ンッ…」

その声を聞いてアツキは咥内での抜き挿しを始め。
くぽくぽと顔を動かし、舌の愛撫も忘れない。
時には可能な限り深く咥え込んで吸い上げ、また密やかな水音を立ててフェラチオを続け。
むせそうになるのを堪えているからか、アツキの瞳からはうっすらと涙が伝い、頬に跡を残しても奉仕する最中にヒノケンの声が頭上から響く。

「───ッ…小僧、出すぜっ…!」

…ぐぽっ!

「ンぅ…ッ!? ふぅ…っ…!」

頭を撫でてくれていた手に篭もる力。
後頭部を押さえ付けられ、アツキは喉元近くまで自身を一気に咥え込ませられた次の瞬間。

びゅぶるるっ、びゅーっ! びゅく、びゅるるる!
…ドプッ、ドプ! トプトプ…ッ!

「〜〜〜…ン、う…ッ!」
「零すんじゃねぇぞ…へっへっ…」

咥内で吐き出される熱い白濁。
暴力的なまでの勢いだが、頭を動かす事が出来ないアツキには逃れる術はひとつしかなく、必死に喉を鳴らして注がれる総てを飲み込むのみ。
やがて射精は落ち着き、押さえ付けていた手は離れ。
アツキにも僅かだが余裕が生まれて咥内の精の迸りをどうにか総て飲み込み、ゆるりとヒノケンの自身を口から離せば、引かれた白濁の糸が玉となって落ちる。

…ずるる…ちゅぽっ…

「…げほ…む、無茶苦茶スるでねぇだオッサン!」

漸く自由になった口で酸素を取り込みながらの抗議。
しかし屈んだままヒノケンを見上げる、その顔は。

「ンなエロ顔で何か言われても、ソソるだけだぜ」
「…ッ! …る、るっさいべ!」

どう足掻いても、ヒノケンの自身を咥えるフェラチオに欲情のスイッチが入ってしまっている表情の事は隠しきれなくて。
恥ずかしさやバツの悪さに拗ねた思いが入り混じり、アツキはヒノケンから目を逸らす。
そんな態度だって、ヒノケンを喜ばせるだけなのに。

「へっ…来な、小僧。お前の準備をしてやるからよ」
「……ン…」

スーツのポケットから取り出された小振りの容器。
何が入っているのかアツキの理解は早く、ローションで。準備というのは───先程から、ずっと疼きを訴えている自分の後孔の為のモノ。
ふらり、アツキは立ち上がるとベルトのバックルまでは外されていた制服のスラックスを下着ごと下ろして下半身を露出させ、現れるのは上向いたアツキの自身。
実質、着ているのはボタンを外されたシャツだけといった姿を学園の屋上で晒している事に、言いようの無い感情を抱いてアツキはヒノケンに抱き付く。
悔しいが、それが最も安心出来てしまう。

ツツー…トロ、トロ…ッ…
…ぬちっ…クニクニ、グニ…

「…く、ふ…ッ…」

アツキの身体の熱を受け止めながら、ヒノケンはローションを自分の手とアツキの尻の割れ目に流し落として用済みの容器を放り投げ。
ローション塗れになった孔の入り口を解してゆき、時たま指の腹を浅く沈めて頃合いを図り、揉み解れたところで指をナカへ挿れていった。

つぷ…ぬぷ、ぬぷぷぷ…
…ぐち、ぬちぬち…くちゅっ…

「はぁッ…アッ…」

アツキはしっかりとヒノケンにしがみ付いて、自分のナカで蠢く指からの快感に身悶える。
漏れ出てしまう甘い声、熱を増す身体。
正面から抱き合う形の為に露出している互いの自身も重なり、意識していないのだろうがアツキはねだる様に小さく腰を揺らしてしまって。
ヒノケンは指を増やしてナカを拡げ解し、咥えさせた三本の指は程なくして問題無く抜き挿し出来るようになり、自身を埋め込む準備が整う。

…ずちゅ、ぐちゅっ…ずるるっ…にゅぽ…っ…

「あ、ぅ…ッ…セン…セー」
「…鉄柵を掴んで尻向けな、立ちバックだ」

指が総て引き抜かれ、アツキはそろりと顔を上げヒノケンと目を合わせると、どうすれば良いのかを教えてくれる。自分だけの秘密の授業。
抱き付けなくなるのは寂しさもあるが、言われた通りにするべくヒノケンの身体を離してアツキは鉄柵を掴んで軽く足を開き、腰と尻を後ろに突き出す。
満点の格好にヒノケンは口角を釣り上げ、アツキの後ろに立つと片手で腰を掴みながら、射精からとっくに屹立を取り戻していた自身を後孔へ押し当てる。

ぷちゅっ…
…ヒクッ…ヒク…キュウッ…

「へっへっ…お前のココが随分と歓迎してくれてんな、お望み通り挿れてやるからよ…!」

ぐぐっ…ぐぷ、んっ…!
ずぷずぷっ、ずぷぷぷ…ずぷんっ!

「うァッ、あ…! オラの奥まで…入っとるだ…ぁ」
「へっ…突っ込んで終わりじゃねぇぞ、アツキ」

ずるるるっ…ぱちゅっ! ぱん、ぱんっ!
じゅぽっ、じゅぷっ、ずちゅっ、じゅぶっ!

「くぁ…アんっ…! あ、あッ、あっ! はげ、し…っ…あ、あンっ! センセぇ…もっと…ぉ!」

淫らにヒクつき、ヒノケンを待ち望んでいた後孔から自身を押し入らせて根本まで埋め。
アツキはその侵入による悦や圧迫に浸る暇も与えられず、ヒノケンは最初から容赦ない抜き挿しを開始して腰を打ち付け、腰と尻とがぶつかる音を鳴らし。
ローション塗れのナカを剛直で抉り突くと。
アツキの口からは、もっととヒノケンとの深い交わりを求める言葉が出て性交を貪りあう。

ぱんっ、ずちゅ、じゅぽっ…ぱちゅんっ!
……スルッ…

「ひぁッ…ア、ン…ッ? セ、センセー…?」

遠慮無しに穿たれていた律動が突如として止み。
だが自身は深々と埋め込まれており、アツキのナカは行為を続けて欲しいのかキュウと締め、ヒノケンの自身のカタチをありありと感じさせ。
その太く硬く熱い心地に、思わずうっとりと目を細めていると、ボタンは外されているが唯一まともに着れているシャツを捲られて背中を露わにされ。
触れる感触は、ヒノケンの口唇。

ちゅ、ちゅっ…ちゅうっ、ちゅ…
…ニチ…ニチュ、シュッ、シュッ…シコッ…

「うぁッ…気持ち、いくて…おかスく、なるべ…ッ」

自身を埋め込まれたまま背中に幾度も降るキス。
それに加えてアツキはガチガチに勃起している自身を握られたかと思うと、溢れ零れていた先走りもろとも扱かれて、理性が吹き飛びそうな程の快感。
一層にナカを締め付けてヒノケンの自身も悦ばせ、また大きくなったのではないかと思えるくらい、みっちりとアツキのナカに詰まり。
どちらの自身も射精は近い。

「…このまま、扱かれてイクか? それとも…」
「ハァッ、ふッ…さっき、みてに…動くだ…そンで、オラの事…きっちり、イかせる…べ…!」
「へっ! 上等だ、全部お前にブチ込んでやるぜ…!」

締め付ける自身から伝わるドクドクとした脈動。
自分のナカへ注ぎ込みたいという、その前触れにも応じる意味も含めてアツキは手コキによる射精ではなく、抜き挿しによる律動で達する事を望むと。
ヒノケンはアツキの白い腰を掴み直し、ガツガツと獣の如く腰を打ち付け最後のスパート。

じゅぽじゅぽっ! ずちゅ、ぐちゅっ、じゅぶっ!
ぱん、ぱちゅんっ、ぱんっ! …どちゅっ!

「あっ、アンッ、あぅッ…! イク、イクぅ…!」
「〜〜〜…ッ…クゥッ…! アツキぃ…っ!」

びゅくるる…っ…びゅる、びゅる…ぱた、ぱたたっ…
びゅぶっ、びゅるるるっ…! トプトプ…ッ!

冷たい無機質な屋上にアツキは鈴口から熱を放ち。
射精により収縮する、自分の為に仕上がったアツキのナカへヒノケンは総ての白濁を注ぎ。
二人の口からは荒い息と共に浸る余韻。
まだ、繋がったまま。
ヒノケンは覆い被さるように火照るアツキの身体を抱き締めて、ひと時でも長く自らの赤い炎とアツキが宿す青い焔を重ね、ココロの中で紫煙をくゆらせた。

─…

「べっくしょいッ!!」

性交の後の気怠い身体ではあるが。
取り敢えずどうにかこうにか制服を着込み、アツキは屋上と学園校舎を繋ぐ入口の役割を果たす建物部分を背にして座るヒノケンの隣に同じく座り。
ヒノケンに寄り掛かりながら大きなクシャミ。

「う〜…風邪引くンでねか…」
「何だ、小僧は寒いの強いんじゃねぇのかよ。それに、かなり熱くしてやったじゃねぇか」
「いっくら寒いの得意ッちゅうても、こげな屋上で脱がされたら話は変わってくるべな!」

鼻をすすりながら抗議をしてくるアツキに。
飄々とヒノケンはかわして笑みを浮かべつつ。
寄り掛かってきているアツキの身体を、一層に自分の元へと引き寄せる様に腕を肩へ回す。

「な…ンね、オッサン…?」
「…なら、暖かい俺の家で補習といくか。お前の寮の方には、適当に連絡しておくからよ」
「な、ななッ!? ほ、補習って…まさかオッサン、まだヤり足りないッちゅうン…あでッ!」

ゴンッ、と。
抱き寄せられていない方の手でゲンコツを喰らい。
何事かとアツキがヒノケンと目を合わせれば、呆れ混じりであり「引っ掛かった」と悪戯が成功した様でもある、そんな眼差しが掛け直された眼鏡の奥に見えて。
何故か少しだけ、アツキの胸が高鳴る。

「何を期待してんだ? 小僧。お前、またテストで赤点スレスレの点数を取りやがって」
「…ぇ、え!?」
「ギリ赤点じゃねぇったって見過ごせねぇ点数だから、俺が直々に補習してやろうってんだ。…他に、何か"補習"になる事があったか? ん? エロ小僧」
「う、うぐぐぐ…」

ついうっかり、先走った考えを露呈させてしまって全く反論が出来ないアツキは、顔を真っ赤にして身体を縮こまらせながら俯くしかなく。
そんなアツキの可愛い様子を短く笑い、ヒノケンはアツキの事を抱き寄せる力を強めて。
口唇で耳を軽く食み、酷く優しい囁く声。

「ひゃ…ッ…」
「…ま、ちゃんとお勉強が出来たら…そういう御褒美ってのも、あるかもしれねぇな…小僧」
「…やっぱス、オッサンはエロ教師でねか…」

とは、言いながらも。
進んで自分に身体を預けてきたアツキに。
ヒノケンは、そうっと口唇を重ねて黙らせた。

───…

屋上の情事と。
更なる"補習"を終えた翌日の職員室。

「やはり、この時期は風邪で休む生徒が増えますね」
「そうですね…火野先生のクラスはどうですか?」
「あ? あー…風邪の欠席ッスか…」

本日、最初の授業を終え。
次に担当するクラスの授業の準備をしていたところに、風邪によって欠席する生徒が増えてきた事について、話を振られたヒノケン。

「そうッスね…」

パラリと、ヒノケンは今日付けの出席簿を開く。
欠席している生徒はヒノケンのクラスでも何名か出ており、今日も新たな欠席者が一名。

「…俺のところも、風邪の欠席が何人か出てたッスけど…今日は、火村も欠席したッスね」
「火村くんが?」
「元気な生徒ですよね、早く治ると良いけれど」
「……そッスよ…ねぇ」


───ぶえっくしょんっっ!!


「あ、あンのエロ教師…なスてオラだけ風邪に…」

ヒノケンの家の寝室。
ベッドの中でアツキは盛大に鼻をズビーッとかむ。
何となく今のクシャミは風邪のせいではなくて、学園でヒノケンが自分の話をしているからではないかと思いながら、次のティッシュに伸びる手。

「治ったら覚えとるだ…あのオッ…ハックショイ!」

また鼻をかんで布団の中に潜り込むアツキ。
早く治して、何かヒノケンに一泡吹かせてやれないかと風邪で朦朧としながらも考えるが。
そんな頭では上手い方法なんて思い付かないし。
ヒノケンの残り香がするベッドと布団の中は、困った事にどうしようもなく心地好くて。
けれど残り香なんかじゃ次第に満足なんか出来なくて、風邪のせいで早く会いたい、とか。
弱る思考は、そんな事まで考え出してきて。


やっぱり。

あの先生の事が───いや。

あの先生は、自分のモノなのだから。


「……っとに…オラの看病に、オッサンとっとと帰ってくるだ。……こき使ってやるかンな」

そう、ポソリと誰に聞かせるでもなく呟き。
ヒノケンの帰りを待つアツキは夢の中へ。

■END■

◆発売前情報でヒノケン先生の事が発覚して、先生×生徒なヒノアツを即思い付いてゲーム内で会う前に書いてしまった、当時の自分の情熱は評価したい(笑)

2005.11.23 了(EXE6発売日)
2023.02・全面リメイク
clap!

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