【Rockman.EXEA】
放課後の恋人/夏休みの勝負
)ローションガーゼ│ハート・濁点(少)喘ぎ



夏休みの真っ只中。
東北の実家へ帰省しなかったアツキは、そのまま普段の学園寮で過ごす気でいたものの。
アツキ以外の大概の生徒が帰省する夏休み中に、寮の施設や各部屋の改修工事を行うという通達があった為、アツキはヒノケンの家で夏を過ごしていた。

「おい小僧、暇ならこの資料を探してきな」
「は〜? っと、夏休みッくれぇ研究は後にスるだ」
「夏休みだからだろうが。お前は一応、俺の研究助手なんだからサッサと探してきやがれ」
「やれやれ、スッかたねぇだな」

担任と生徒とはいえ、家に長期的に迎え入れるというのは普通は無いが、元々アツキはヒノケンの電脳世界での炎研究に対する助手という申請で学園に通っているという事もあり。
そちらの名目を通して今の状況が出来ている。
実際、ヒノケンとしても長期の休みの間に研究を進めたい気持ちは大きく、資料探しやデータ入力程度でもアツキが常に居るのは僅かでも助けになっていて。
こうしたやり取りが明るい内は行われ、時にはアツキに出ている夏休みの課題をヒノケンが補習混じりに添削してやり、呻きながらこなすアツキの様子が見られる等もしているが。
───それは「明るい内」の話。
夜を迎えれば、二人のもうひとつの関係。
互いの内に秘める炎と焔を求めて触れる手段として、セックスに耽る濃密な時間を過ごす。

「なぁオッサン、オラと勝負ばスねか?」

夏休みの開放的な空気と気分。
ヒノケンとアツキのどちらにも、そうした高揚感。
気が向けばセックスに興じて長い夜を過ごし、朝は遅いという爛れた日々を謳歌する中で、今夜のアツキは普段に増して夏の空気に魅入られたのだろう。
互いに裸身でベッド上、これからというところで。
表情には余裕を浮かべたアツキがヒノケンへ向けて、何かしらの「勝負」を持ち掛け始めた。

「…勝負だぁ?」
「ンだ」
「小僧が俺に勝てる事なんてあるのかよ」
「へへン、そげに言えンのも今だけだべオッサン」

ヒノケンにどうと言われても、崩さぬ姿勢。
持ち掛けるからにはアツキとしても勝算の高い勝負。
そういった事が窺い知れる態度に、僅かだがヒノケンの顔に警戒の色が示され、見逃さなかったアツキはニンマリと笑んで「勝負」の内容を簡潔に口にする。

「コレを三分、耐えたらオッサンの勝ちだべ」

枕の下に隠していたモノを取り出すアツキ。
ソレは本来ならアツキがヒノケンを受け入れる為に用いられるローションに、ガーゼの袋。
秒も掛からず「ローションガーゼ勝負」だと理解したヒノケンは、文字通りのローションとガーゼを交互に見た後、ゆるりと顔を上げてアツキの顔を窺えば。
既に勝ちを確信した、普段以上に生意気な顔。

「…つまり、お前がコイツで俺のを扱くってのか?」
「そゆ事だべ、そンだけでもありがてと思うだ」
「何がありがてぇんだ。…ま、いいぜ」
「おっ、受けるンだなや?」
「三分だけイかなきゃイイんだろ」
「ふふーン、そげに余裕なンも今だけだかンな! オラの手で呆気なくイかせてやるだ!」

言うや否やローションガーゼの準備を始めるアツキ。
今夜こそは自分の方が主導権を握れるに違いない。
嬉々として心躍らせるアツキの事を、ヒノケンは何故か黙ったまま静かに見詰めていた。

───そんな「勝負」を持ち掛けてから、数分後。

「(…こ、このオッサン…どうなッとるだ…!)」

…ヌチ クチュッ、ヌチュ ニチュニチュッ…

アツキの表情には焦りの色が浮かぶ。
ガーゼにもヒノケンの勃ち掛けていた自身にもローションを流し、遠慮せずに拙いながらも懸命な手コキでローションガーゼを行い、ヒノケンの自身を勃起させる事は出来ているが。
その厭らしく立つ音や勃起具合に反し、ヒノケンの表情は涼しく堪える声も聞かれない。
これだけガチガチに勃ち上がっているのだから性感を与えていない筈は無いのに、アツキは手応えの様なモノが感じ取れずにいるまま、迫る三分という時間。

「…どうした? さっきまでの威勢が無ぇぞ?」
「ぬ、ぐぐ…や、痩せ我慢スるでねぇべオッサン!」
「別に俺は我慢なんぞ、してねぇがな」
「うっ、嘘こくでねぇだ!」
「んな事を喚いてる場合か? そろそろ三分だぜ」
「…! ぬぐッ…」

プチュッ… ヌチュッ、二チュッ クチュン…ッ

ヒノケンに言われてチラと盗み見たタイマー。
三分間あった時間は秒の単位しか残っておらず、慌ててアツキは扱く強さと速度を上げるも手応えの程度に変化は無く、無情にも減り続ける持ち時間。

「(お、おかスいべ…! オラなンか…)」

─…

……トロ───…ッ…

「…本当に、こげなのがエエっちゅうンかな…」

とある日、アツキ一人だけのヒノケンの家。
昼間の学園で友人達と交わしていた話の流れで、ふと出て来たローションガーゼオナニーの話題に、知らなかったアツキは適当に話を聞くつもりだったが。
良さを語るあまりの熱量から、次第に興味が湧き。
気付けばヒノケンの家へ向かう前にドラッグストアに寄ってガーゼを購入し、到着してPETを確認すれば「少し遅くなる」という旨のヒノケンからのメール着信。
これは今、やってみるしかない。
そう思ったアツキの足は寝室へ向き、何時も自分の後孔を解しているローションを手にすると、後始末と証拠隠滅のやり易さを考慮して選んだ場所は浴室。全裸で壁を背にして座り。
ローションをガーゼへ流し落とす。

「…オラ…のサも、掛けた方がエエべか…」

要領を得ずに行おうとしている自慰行為に、ガーゼの摩擦の方が上回る事を危惧したアツキは、蓋を閉めようとしたのを思い留まりローションを自らの自身にも流して一層の潤滑を。
トロトロと落ちてゆく粘性が、ゆるく期待感で勃ち上がろうとしている自身を鈍く輝かせ。
充分に流したところでローションの蓋を閉めて避け、いよいよガーゼを被せて握り込む。

ニチュ…

「…ン、ン…ぬるぬる、過ぎるべか…? どだべ…」

ガーゼも自身も正にローション塗れ。
今度は滑り過ぎて性感を得難くなっているのでは?と感じたアツキ。どうなのだろうかと、取り敢えずヒノケンの自身を擦る時のように扱き始める。と。

…二チュッ ヌチュッ、ヌチュッ クチュッ

「ひ、ぅッ?! や、ヤバ…ッ、これッ…

グチュグチュッ ヌチュ、ヌチュッ ニチュ

「ッ、は、エエっ 思っとッた以上に…エエっ

始めてすぐ押し寄せて来た快感が凄まじいインパクトで、あっという間に虜になりそうで。
深みにハマる前に自分の手を止めたいアツキも居るが、ヒノケンに拓かれ性を教えられた身体は新たな快感を得る方法に悦び、止められないアツキが勝る。

ヌッチュヌッチュ プチュ、二チュ グチュッ

「は、あ、あ゙ッ、イク、イクぅッ、あ゙〜〜〜ッ

びゅるるるるうっ びゅぶるっ、びゅーっ!

「…はぁッ…あ゙…ァ…え…えッらい出た…だ…」

放心してしまう程の射精。
初めてで慣れの無いローションガーゼの刺激はアツキの予想を遥かに超えていて、射精欲の高まりを抑える事も当たり前に不可能。ガーゼの内側へ多量の若い精を吐き出してしまい。
最初の勢いが削がれた後も白濁はトプトプと溢れ出し、アツキの身体はビクビク跳ね続け。
強過ぎる余韻の中で、気をしっかり保たなければ手はまたガーゼを纏ったまま自身を扱こうとしてしまいそうになる程の中毒性を孕んでいた。

「…こ、コレ…おッかねぇだな…」

好奇心で開いた扉だが、手に余る快感。
安易にローションガーゼオナニーは行わないようにしようと決め、どうにかこうにかヒノケンが帰って来る前に怠過ぎる身体に鞭打ってローションガーゼの痕跡をアツキは隠滅させ。
暫く記憶からも封じていた…けれども。

─…

「(オラなンか、あッちゅう間にイッたのに…なスて平気なンだべな、このオッサン…!)」

夏休みの高揚でアツキは封じていた記憶を解いた。ただしそれは自分が行う為ではなく。
勝負という事にしてヒノケンへ持ち掛け、あられもない声を上げて呆気なく射精させてやろうという、根底にあるヒノケンへの負けず嫌いからの挑戦。
だったのだが、アツキの目論見は脆くも崩れ。

PiPiPiPi…PiPiPiPi…Pi…

「…三分だぜ、ストップしな小僧」
「ぬッ、ぬぐぐぐぐぐ…ッ!」

タイマーとアツキの手を止めるヒノケン。
ローション塗れのガーゼを取り払えば、ビンと勃起した自身はテラテラと鈍く輝き、より雄の主張を見せ付けていて、未だ射精前の様相を保つ。

「取り敢えずは俺の先制点だな」
「…どッ、どゆ事だべ…?」
「その前に聞きたいんだけどよ、お前自身はローションガーゼをやった事があんのか?」
「…! …そ、それは…ンっと…」

先制点の意味も気になるが、それよりもアツキはヒノケンからの聞きたい事の方にギクリとして、しどろもどろになり顔を下げて目を逸らす。
蘇ってしまうのは己の自慰行為の痴態。

「…どっかで聞いて知ってる、ってだけの態度じゃねぇな。小僧は分かり易くて助かるぜ」
「い、一回スかヤッてねぇだ!」
「オナニーでか?」
「は? …そンれは…そりゃ…」
「…誰かにヤッてもらったとかじゃねぇよな?」

「勝負」を持ち掛けて内容を伝えた時から。
ヒノケンの態度には何か「思うところ」がある様な、そうした雰囲気はアツキも薄々勘付いていたけれど、それはローションガーゼを堪える事への不安感なのだろうと考えていたが。
どうやら違う。
アツキにヒノケンが教えた訳ではなくローションガーゼの知識が有るという事は、ヒノケン以外から知らされた知識であり。可能性としてヒノケン以外の「誰か」にされたという事も。

「ば、バッカぬかスでねぇだ! ダチから、その…教えて貰ッて…あンまりにも、えッらいエエっちゅうから…きょ、興味があッたで…こ、こげな事はセンセーとスかスてねぇだッ!」

ヒノケンのモヤついた態度が、言ってみれば嫉妬混じりの想いだと気付いてアツキはココロの何処かで嬉しさを抱きながら、しかしまず弁目しなければならない。
顔を上げてしっかりとヒノケンの目を見て、自慰で一度だけ行った事がある旨と。こうしたセックスの相手はヒノケンだけだと、慌てていて端折りながらだが間違いなく断言をする。

「……へっ。お前の事だし、そうだよな」

「分かっていた」風の空気を出そうとするヒノケンだけれど、緩んだ雰囲気は安心した表れ。
それを感じ取るアツキも、伝わった事へ安堵の息。

「…しっかし、お前。確かオナニーじゃロクにイケなくなった、とか言ってたじゃねぇの」
「…そこも説明させるだか…確かに言ッたけンど…」

以前、アツキの射精量からかなり溜め込んでいると思ったヒノケンは自分でしないのかと、多少の揶揄い混じりな軽い気持ちで情事中に聞いた事があったが。
顔を赤らめながら、ヒノケンとでなければロクにイケなくなったという思いがけない返答に、ヒノケンは一生覚えておくと宣言した通り覚えていたらしい。

「…今は夏休みでオッサンの家サ居れるからだけンと、普段はヤリてって思っても無理な時があるでねか…ンだから、ち…ちッとはエエっちゅうのを試スたンだべ…」

その結果、とんだ性感具合に屈した点は伏せ。
アツキはヒノケンの納得が得られそうな辺りまで説明をすると、ヒノケンはふっと短く息を吐いてゆるりとお決まりの口角を上げ、ローションとガーゼを手に。

「ま、小僧だし仕方がねぇな」
「…小僧でねくて、若いって言うだオッサン」
「おやおや、盛んなのを開き直りか? …へっ、そんなんで大丈夫かよ。次は小僧の番だぜ」
「……な…なーッ?! つ、次ッて…まさか…ッ」

どうやら理解して貰えたし丸く収まりそうだ。
そうアツキが思い掛けたところで舞い込む「小僧の番」とは、この状況からすると自分がそうしたようにヒノケンからのローションガーゼを三分間耐えろという話。
先程の「先制点」がどんな意味か判明し、ヒノケンは既にガーゼへローションを流している。

「い、いやいやいやいや! なッ、なスてオラも!」
「"勝負"なのに片側だけじゃ割に合わねぇだろが。…それに、このままならお前の敗けだが、三分間耐えりゃ少なくとも勝ちは無くても引き分けにはなるだろ?」
「ぐ…うぐぬぬぬ…ッ!」

負けず嫌いをつつかれるとアツキはある種、弱く。
特にヒノケン相手には、身体の関係を伴う情があろうが根底では対抗心の方が上回って。
勝負と言い出したのは自分の方なのに射精させる事が出来ず、ただ敗けてしまうくらいならば…一縷の望みをかけてローションガーゼ勝負を受け、引き分けに持ち込む選択しかない。

「…わ、分かっただ…受けてやるだ!」

半ばヤケ気味にアツキはヒノケンの前で脚を開くと、大の字の勢いでベッドを背に寝転ぶ。
まな板の上の鯉の想い、堪える助けは掴むシーツ。

「へっへっ…そんじゃ三分、スタートな」

呆気なかったとはいえ一度は経験済み。
或いは、堪えきる事も───

ニチュ…
ヌチュッ、ヌチュッ、ヌチュッ クチュッ

「ひぅッ… 最初ッから、そげに、ぃ…ッ

ニュル、ヌリュッヌリュ ヌチュ二チュッ

「は、あ゙、ァアッ ゔぁッ、アンっ

淡い期待は脆くも崩れ、アツキは開始されたヒノケンからのローションガーゼに鳴き喘ぐ。
両の手でシーツをギリリと強く掴み、堪える支えにしようとしても快感の強さに呑まれ、喘ぎには普段よりも獣じみた本能からの声が混じり。
何より、自慰行為での時は夢中だったとはいえ自分自身の手によるものだった為、僅かに残っていた理性が手の動きを制御した部分もあったけれど。
今は総て、ヒノケンの手の中。

グチュグチュッ ニチュッ、プチュ ヌリュッ

「あッ、あ゙ーッ…! 無理、無理ッ オラぁ…
「へっ…なる程な、ヤバ過ぎて一回だけにしたし、これなら俺にもキくと思った訳だ小僧」
「う、ぐ…わ、分かったッちゅうな…ら…」
「始めた"勝負"を止める訳がねぇだろ?」

ニチュ、ニチュ、二チュッ

「ひ、ぁあ゙ッ ソコっ、擦るンは駄目だべぇッ ゔぁあッ あぁーッ、あ゙ぅうッ

アツキの算段を見透かしたヒノケン。
だがそれは「勝負」には何も関係が無く、ローションガーゼが覿面に効いているとも理解した事で、扱く箇所を竿全体から裏筋を中心に短いスパンで擦り上げ。
元から弱い箇所に集中されたアツキはより喘ぎを強めて、身体を跳ねさせ続けるしかない。

プチュッ、プチュ ヌチュ 二チュッ、ヌチュ

「はあ゙ぅッ も、イクッ、出る、イクぅッ

びゅるーっ びゅぶぶぶっ びゅるるるうっ

「は〜〜〜ッ はあ゙ァッ…あーッ… ぁ、あ…

自慰行為の結果だけでも「勝負にならない」のは、ある程度見えてしまっていたようなもの。
裏筋への刺激がかなりの決め手となり、アツキはヒノケンが被せ握っているガーゼの中へ白濁を堰切らせ、びゅるびゅる次から次へと溢れ零し。
恍惚とした表情で射精の余韻に浸ろうと。

…ニチュ グリグリッ グチュッ、グチュ

「い゙ァッ?! センッ、セー、何スて…ぇッ

引き分けどころか完全に敗北してしまったが、浸り始めた余韻の心地好さで「勝負」の事はどうでもよくなろうとしていたアツキに、取り換えられたガーゼ。
勿論、自身を被ったそれはローションに塗れ。
今度は亀頭を握られて、蛇口を捻るようガーゼを左右に半回転する動きで与えられる刺激。
勝負はついたとばかり思っていたアツキには完全な不意打ちで、射精直後の自身に容赦無く続行されるローションガーゼの快感は先程よりも増す。

「三分間、つったんだから三分ヤるだろそりゃ」
「ンぁっ やめッ、無理ッ オラ、イッたでねかッ ァッ あーッ、あ゙ーっ

グリュグリュッ ニチュニチュ グチュッ
…びゅぷっ びゅるる、びゅくっ どびゅっ

亀頭をメインとして続くローションガーゼに、アツキは睾丸の中から搾り出されるかのようにして小出しに白濁を鈴口から噴き出させる射精の連続。
弱い裏筋も先程同様に擦られ続けていて、快感に溺れるどころか責められるアツキは口を開き舌を覗かせながら、あ゙ーあ゙ーッと壊れた喘ぎを寝室に響かせ。
三分を迎えるまで射精し、イキよがるしかなかった。

PiPiPiPi…PiPiPiPi…Pi…

「…っと、三分か。愉しい時間は早ぇな」
「…は…あ゙… はぁッ、はーッ…

ヒノケンには短く、アツキには長過ぎた三分。
終わりを告げるアラームが鳴り、勝負の規定に従い延長する真似はせずヒノケンがガーゼを取り払ってやると、尚も鈴口からはトロトロと溢れて。
だかといって今のアツキに制御など出来ず。
しかしそれでも、今度こそローションガーゼは終わったのだ。少しは身体を休める事が。

───ぬち…っ クニクニ…つぷ、ぬぷぷぷっ

「ひゃうッ!? ゆ、び…ぃ 休ませねッ、かぁ…
「"勝負"に勝ったのは俺なんだから、勝利の御褒美が有るのは当たり前だろ。…つうか、俺だって効いてねぇ訳じゃねぇんだ。お前がおっ勃てさせたモノの責任も取って貰わねぇと」
「だか、らッて こげにスぐは、あ゙ッ

散々に射精したアツキだがヒノケンは実質お預け中。
だが漸く、その滾りに滾った自身を勝利の報酬としてアツキのナカへ埋め込めるのだと劣情の炎は盛り、言葉は抑えているが眼差しはギラつき後孔への解しも何時もより逸った指先。
後孔もとっくにローション塗れなのは幸いで、孔もナカも潤滑を伴わせて解し拡げてゆく。

すぷすぷ… ずっ、ずぷっ ぐちぐち…っ
…にちゅ…ずぬぬっ

「指ッ、オラのナカに増やす、でねッ
「これから指なんざよりもヤベェのをブチ込むってんだ、解さねぇとキツいのはお前だぞ」
「…くう、ンッ そ、そげなの…ぉ

首を少しだけ起こして見えたヒノケンの自身。
普段も屹立時の様相は立派なモノだが、アツキのローションガーゼを受け、そしてローションガーゼをし返してイキ喘ぐ姿に興奮した今夜の自身は、一段とビキビキに勃起しており。
とんでもなさにたじろぐ、が、期待もしてしまう。

…にゅるる…にゅぽっ…
…ヒク、ヒクヒク… ヒクンッ…

「はぁあッ
「お前も、お目々ハートで待ってるみてぇだし…俺も、ブチ込んでまず出してぇからな。そのつもりでいろよ、余さず全部お前のナカに出してやるぜ。…アツキ」
「……セン…セー… 早く、オラに寄越ス…だ…
「…へっ! そらよぉっ…!」

総ての指が引き抜かれた喪失。
ヒノケンの自身の状態を見てしまったアツキは、たじろぎよりもソレがナカを埋める期待が上回り、指が出ていった後孔は卑猥にヒクついて自身を待ち望む。

ぷちゅ… ぐぐっ、ぐっ…ぐぷんっ!
すぷ、ずぷずぷずぷ…っ ぱちゅんっ!

「ああ゙あアッ 一気に奥ッ、オラのナカ熱ぅッ
「へっへっ、イイぜぇ…! そんじゃあもっと熱くしてやる、火傷じゃ済まねえかもな…!」

ぬ゙るるるるっ…ずちゅんっ!
じゅぶっ、じゅぽっ ずちゅっ、ぱちゅっ!

「はぁンっ! アン、アンっ ズポズポぉッ

正常位で奥まで挿入するや、激しく抜き挿す律動。
アツキの自身は、これでもう出せないと薄い精をぴゅっと噴き出させた後、ヒノケンに腰を打ち付けられる度にぷるぷる揺れ震える玩具に成り果て。
穿たれてはアンアンと当たり前にして喘ぎよがると。

どちゅ、どちゅっ じゅぽっ ばちゅんっ!
…ぶびゅるるるるるっ! ぶびゅー、びゅーっ
ドプドプドプッ! びゅるるるっ ドプン!

「お゙ぁ、あ゙ァッ なンねッ この量ッ…

伝えていた通りアツキのナカへ、ぐつぐつと滾り溜まった白濁を注ぎ込むヒノケン。量も濃さも熱さも暴力性すら孕む勢いでアツキのナカを蹂躙し。
射精の勢いが一先ず、落ち着きを見せ始めても。

じゅぶっ、じゅぶっ ずちゅ、じゅぽじゅぽっ
ぱちゅぱちゅっ、ぱんっ! じゅぶっ、じゅぶ

「ひぐ、ぅッ… も、出スたンでねの、かぁ…ッ
「アレだけで全部な訳がねぇだろ、まだ出し足りねぇ…抜かずの三発ってヤツだ…なっ!」

どちゅんっ!
…びゅぶーっ! びゅるるうっ びゅぶるるっ
ドプンッ トプトプッ

「うあ゙ッ、あ〜ッ…! オラのナカ、いっぺぇッ… ンでも、もう入んね…ぇ

萎える気配すら無い自身を再び抜き挿して更なる射精へ向けた刺激を与え、二発目は多少は量を弱めたものの、普通に見れば充分に力強い種付けの勢い。
アツキのナカはヒノケンで満たされ。
これ以上、注ぎ込まれるのは無理ではないかと口にしたが、正直なところアツキも分かっている。抜かずの三発だとヒノケンが言ったのなら実行すると。

「入るか入らねぇか、試さなきゃ分からねぇだろ?」
「はあッ、はあ゙っ センセ、センセー…ぇッ

じゅぽっ!じゅぽっ! じゅぶっ!じゅぷっ!

「あ゙ンッ! アンッ、はンッ せンせぇッ

多量の白濁を注ぐ射精に及ばれたままの抜き挿しに、泡立った音が後孔から際立ち始め。
尚もアツキの腰をガッチリと掴み、ガツガツと腰を振り打ち付けて本当に睾丸の中の精を一滴残らずアツキのナカへ注ぎ込もうというセックス。
突きまくられてグズグズに蕩けたナカは、しかしだらしなく弛緩せずにヒノケンの自身をキュンキュンと締め付けており、搾り取ってやろうとしている様。
その心地に口角を歪め上げたヒノケンは。
勝者が誰なのかを教えるべく、スパートを掛ける。

じゅっぽ、じゅっぽ! ずちゅっ、ぱちゅっ!

「クゥウッ…! コイツでまたイケよアツキ…ぃ!」
「せンせッ センセー…ッ、オラ、イクぅ

ばちゅんっ!
…びゅるるるっ! ぶぴゅっ、ぶびゅるるっ!
トプトプ…トプッ…

「あ、あ゙あ゙ア〜〜〜ッ! まだ、こげな量ッ… も、もう…本当に無理…ぃ
「…へっ。安心しな、俺も流石に打ち止めだ」

抜かずの三発を成し遂げたが、どちらも限界。互いに荒い息を繰り返しセックスの終わり。
夏の夜の暑さを抑える空調を効かせていても性交による熱気を篭もらせていた寝室内が、次第に落ち着き丁度良い室温だと感じられるようになった頃合いで。

ぬ゙…にゅるるるう〜…っ…にゅぽんっ
…ぶぴゅっ、ぷぴゅるっ こぷっ…ドロォ…ッ

「…ひゃ、あ゙…ぅ…
「へっへっ…えっろ。やっぱブチ込んだ量が量だから、何時もに増して溢れ出てやがるぜ」
「見…るでねぇ、だ…ッとに…このオッサンは…」

アツキのナカから自身を引き抜き、すぐに栓を失った後孔を確認するヒノケンは、自らが注いだ白濁が閉じ切らぬ孔から噴き出し溢れる様子を眺め満足気。
性交後のこの瞬間は、アツキへの支配欲と所有欲が特に満たされる事から気に入っており。
だがアツキからすれば止めてくれと言いたい。
どれだけセックスに溺れさせられても、アツキは既に普段の生意気な口に戻っているから。
それでこそ、ヒノケンが求めてやまない青い焔。
ふ、と、眼を細め笑み。
その口を黙らせるべく口唇を重ねた。

───…

「(……朝…なンかな、今日も暑そうだなや…)」

昨晩のローションガーゼから至るセックスでアツキは疲れ果て、辛うじて身体を洗い清める事だけは済ませ、ヒノケンがシーツを取り換えてくれたベッドへ戻ると。
その後はヒノケンがどうしていたかを見届ける余裕も無く、正に泥のような眠りに就いて。
どのくらい経ったのか、目覚めは自然だが。
まだまだ身体は気怠さに包まれており、身体に残り篭もる熱は昨夜の情交のせいもあるだろうし。遮光カーテンの向こうから感じ取れる、朝から暑い夏のせいもあるかもしれない。

「…部屋の温度、変えッか…ン?」
「…ぐー…」

学園がある日なら起床時間の近くだろう。
けれど今は、夏休みだから。
アツキは惰眠を貪るが如く二度寝をして更なる全身の回復に努めようとしたが、その通り朝から気温が上がっている為に、少し汗ばんでしまっていると気付き。
空調の設定を変えようとリモコンを求め、緩慢に身体を起こして探し出そうと周囲を見回したところで。隣で眠っているヒノケンの事を漸く認識した。

「…んが…すかー…すー…」
「…気持ち良さそうに呑気に寝とるだなや…はぁ」

結局、この夏のアツキのヒノケンとの勝負は上手くいかず終わってしまう事になりそうで。
アツキは無防備に眠り続けるヒノケンの寝息を聞きながら、ベッド傍に適当に置かれていた空調のリモコンを手に取ると室温を下げ、リモコンを戻しながらため息を吐いて隣の寝顔。

「…すー…かー…っ…」
「…こンのオッサン…」

ヒノケンも寝ながらにして暑さを感じ取ったのか、身体に掛けていたであろうタオルケットは辛うじてお腹に掛かる程度しか残っておらず、パジャマのボタンは幾つか外されている。
けれども寝苦しさに至っていないのは明白、しかもアツキが空調の設定を変更した事でヒノケンの眠りは改めて捗るに違いない。そう考えると。

「(…ちッとは仕返スせンと、割に合わンでねか)」

あまりの快眠ぶりを眺めてイラッとしたアツキ。
またしても先生には敵わずやられっぱなしで過ぎる夏休みだなんて、とても癪に障るから。
アツキは静かに起こさぬようヒノケンの身体へ覆い被さり、ボタンが外されて覗く胸元に口唇を近付けると───ちゅうっと吸い付き、自分を刻む赤い跡を残す。
顔を起こして確認したキスマークは思った以上に綺麗、アツキは何だか愉しさと嬉しさが同居した気持ちになり、またひとつヒノケンの身体に吸い付く。
アツキを抱いていた、逞しい胸板に増える赤。

「(…へっ…起きねぇと思ってんのか、可愛いねぇ)」

そこに、ゆるりと開くヒノケンの片目。
夢中で跡を残そうとするアツキは当然ながら気付かず、愛らしいリップ音を響かせ続けていて、その様子に思わず声を伴い笑み掛けるが───まだ早い。
口角だけを僅かに上げて決め込む狸寝入り、頭をわしゃわしゃ撫でてやるのは、お愉しみ。

もう少しだけ、アツキに所有の跡を刻ませたら。
今度は自分が焼き付けてやろう。
アツい今年の夏を、互いの身体へ残すように。

■END■

2023.08.10 了

◆ヒノアツ4種でローションガーゼ第2弾でした◎
clap!

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