【Rockman.EXEA】
余所の猫なんかに目を向けないで
!)攻めフェラ/対面座位(ヒノアツ4種で第1弾)
+
「ふーん、何が出来るのかと思ったら猫カフェか」
「……なっ…えっ…!」
それは本当に何気なく発せられた一言の筈だった。
外出先から帰宅したヒノケンは、ポスティングされていた溜まったチラシの回収を行ってから家の中へ入り、着替えなどを済ませてアツキの待つリビングへ向かい。
ヒノケンがソファに座ると、何のかんのと言い訳しながらも隣に座ってきたアツキに、ふわりとした笑みを浮かべつつ先程のチラシの束を手に取ると。
特に重要なお知らせ等が挟まっている様子は無かったが、念の為一枚一枚流し見ていたところで、見慣れた場所の地図が印刷されたチラシに手が止まる。
それはヒノケンが授業を行っている学園近くの地図、暫く空き店舗だった場所で最近になって工事が始まり、次第に完成してきた外観や内装からカフェ系なのだろうな、とは思った。
それがどうやら、お店のオープン記念を伝えるチラシの地図と場所が一致し、猫カフェが出来ると判明した事で納得の声を上げただけなのだが。
それを聞いたアツキの反応が何故か過剰気味。
「…? どうした? 小僧」
「ど、どスたって…猫カフェっちゅうたら…」
「(…他の猫のダチでも欲しいのか? 猫飼い同士のコミュニティにも、とか書いてるが…)」
「そげな場所、えええええっちなお店でねぇか!」
「……はぁ?」
不潔!不純!とでも言いたげな強い視線を、ちょっと顔を赤くしながらヒノケンに送るアツキだけれど、言われた当のヒノケンはポカーン。
何処かで半端に知識を取り入れて解釈が歪んでいるのか、それとも猫本人であるアツキからしてみると「お店の猫に構う」というのが「えっちなお店」判定なのか。
どちらかなのか、どちらもなのかもしれない。
ただ、とにかくアツキはヒノケンに「そんな場所に興味を持たないでほしい」という気持ちが有る事は確かで、真っ白な猫耳が高ぶる感情でぷるぷるしている。
…ぐいっ…
「…つまり、俺にそういう店に行くなって事か?」
「あっ…う…そ、そンれは…」
睨んでいるアツキを意に介さず。
ヒノケンは、勘違いならば勘違いで少し猫と…いや、猫で遊んでやろうという気になったのか、誤解させたままアツキの肩に腕を回して抱き寄せ。
アツキ曰く"猫のえっちなお店"に興味が有るとしたら、嫌なのかどうか言わせようと囁く。
だが、それを聞いたアツキは急に抱き寄せられた驚きも併せて睨む目線を下げてしまい、困った様子はピクピクと落ち着かぬ尻尾からも見てとれ。
アツキの心境としては"行かないでほしい"で間違いないのだが、それをヒノケンに言うのは必死なみたいで素直には言えないし、かといって興味が有るのが平気だとも言えずという。
そんな板挟みであり、ヒノケンの思惑通り。
静かに上がる口角は戯れの合図。
……ふーっ…
「ふッ、ふにゃあッ?! なっ、何スるだオッサン!」
「へっへっ…この猫ちゃんイイ反応するじゃねぇの」
「…は…はぁ…ッ?」
意識せず、ヒノケンに差し出す形となった猫耳。
無防備であり少し垂れかけている猫耳に、今度は息を吹き掛けられて全身がビクンと跳ね。
流石に抗議をしようとしたアツキだったが。
ヒノケンからは追い打ちの様に…まるで「初対面」みたいな言い方をされ、驚き続きでアツキの頭の中は混乱してしまい、愉しそうなヒノケンを見る事しか出来ない。
「贔屓にして、指名すっかな」
「…! ン、ンな…それっちゅうンは…」
悪いからかい方だとはヒノケン自身でも思う。
わざわざ、アツキが想像する"猫のえっちなお店"を擬似的にやってみせて、どんな反応をしてくるのか見てみよう等と考えているのだから。
戸惑うアツキの様子に、ついつい口が進む。
「ウブなコもキライじゃねぇしよ」
フカッ…はみ…
「うにゃ…! や、やめねっか…!」
「ちょいと反抗的なのもソソるな、へっ…」
「も、もう調子サ乗るでねぇだオッサン!」
お店の猫を品定めしている体で扱うヒノケン。
軽く白い猫耳を食んでやるとアツキはもう一度身体を跳ねさせ、しかしいい加減こんな扱いは御免だと意を決し、俯かず顔を上げて睨みつける。
…その筈だった。
───…ボロ、ボロッ…
「……は…小僧お前、泣いてんじゃ…」
「…え…なっ、オラ…なンっ…なスて…」
睨んだ筈の瞳から大粒の涙が溢れ零れ出し。
アツキも気付いたが、顔を向けてしまった為に当然ながらヒノケンも涙をすぐ理解して。
互いに刹那、時間が止まった様だったが。
理解が及んだ涙は堰切れ、次々と溢れ出す。
ボロボロッ…ポロ…ポロッ…
「違ッ、違うだ! オラ…オラ泣いてなンかねっ…! こげなの涙なんかでねぇだ! オラは…オラは泣いてなンかねぇス……平気……なンだかン…な…」
慌ててアツキは服の袖で涙を拭うけれど。
叫ぶ声にも涙は混じり、強がりは虚しく響き。
どうして。
こんなにも悲しくて哀しくて溢れ出てしまったか。
そんなの。
───自分以外の猫に"こんな事をするんだ"って想像したら、抑えるなんて出来っこない。
「う…く…うっ…違、ぅ…違…」
…ぐっ…!
……とす、ん……
「…ふ…う、ッ…なに…スて…」
また突然にアツキの身体が肩に回されていたヒノケンの腕によって更に引き寄せられ、隠したい泣き顔がヒノケンの胸元に埋められ。
言ってやりたい事は色々あるアツキだけれど。
泣き顔を見せずに済むのは安心したし、逞しい胸元の熱が伝わるのが悔しい位…落ち着く。
「…そうだな。泣いてねぇよな、見えねぇから」
「……ン、ンだべ…ッ…」
明らかに涙を零したのは分かっている筈。
けれど悪ノリが過ぎたと悟ったヒノケンはアツキの強がりを立てて見ぬふりをし、それでいて愛猫がより安らぐよう優しく背中を擦る。
「…けど、怖がらせて悪かったな」
「ふ…ふン…オラは平気だっ…ちゅうてるだ…」
「俺も素直に謝ってんだから、小僧も素直に聞けよ。…お前の誤解につけこむ真似をしたのは調子に乗っちまったが…お前以外の猫なんかに興味は無ぇよ」
「……ソレ…ホントなン、か…?」
胸元に顔を埋め続けるアツキがヒノケンの服を掴む。
信じたい気持ちと不安な気持ち、想いは半々。
ヒノケンは自分の言動を省みつつ胸元からそうっとアツキの顔を離すと、涙は止まっていたものの泣き腫らして赤く潤む猫の瞳と目が合い。
涙の跡に静かに口付けを落とし、紡ぐ言葉。
「証明してやるよ。…イイだろ?」
どんな証明方法なのか。
濡れる瞳で見たヒノケンの顔には、本当に悪かったと感じているのだろう思いを含ませながらも、夜に見せる色香を孕んでいる事でアツキは理解して。
誘われたアツキは。
欲の熱に負けじと軽く唇を噛み締めながらも───コクンと小さく頷き、萎れていた尻尾を立てて、ヒノケンの口唇へ自らの口唇を重ねさせた。
─…
…ちゅ、ちゅっ…れろっ…ちゅぷっ…
「ッ…ふ…にゃ、ぁあっ…」
「へっ…気持ち良さそうな声を上げるじゃねぇの」
「ぬぐぐ…ス、スッかたねぇべ! …こ、こげなの…初めてなンだから堪えらンねぇだ…!」
「別に堪える事じゃねぇだろ、もっと聞かせな」
れろぉ…っ…
「ン、ひっ、あ…ソコ…ぉ…ッ…」
まだ夜の営みには早い時間だったが、燃え上がった劣情のままに飼い主と猫はベッド上。
先に全裸にしたアツキを寝かせて脚を開かせると、既に自身は行為への期待で勃ち上がっており、それを見たヒノケンはフェラチオを始め。
ヒノケンに対して行った事はあれど、自分が口での愛撫を受けるのが初めてのアツキは、舌が自身を這う度に走る快感に身体を支配されて嬌声を上げてしまい。
堪えられない様子を揶揄する様なヒノケンの言葉に対し、アツキは弁明してみるけれど。
快感を得ていると更に肯定しているようなもの。
にぃっと笑んだヒノケンは分厚い舌を使い、ねっとりとアツキの自身の特に弱いであろう裏筋を舐め上げてゆけば、ねだる声色を含んだ猫の声。
…れろ、れろ……くぷ、くぷぷぷ…っ…
「にゃあ…あッ、ぅ…口ン中ぁ…気持ち、イイべ…」
裏筋から亀頭を重点的に舐めてやり。
膨らむ先端からヒノケンはアツキの自身を咥内へ。
躊躇なく竿まで咥えられ、舐められるのとはまた異なる咥内に包まれる心地も初めてのアツキは、その温かな感触に素直な感想を漏らし。
イヤな訳はないが、快感を制御出来ず腰が揺れ。
そんな愛い仕草をされてはヒノケンの情欲の炎をより盛らせ、音を立てて自身を貪りだす。
じゅっ、じゅぷっ、じゅぶ、じゅぼ…っ!
…シュッ、シュコ…シュコッ…
「そげにッ、いきなり…にゃあッ、ァアッ…!」
しゅこしゅこと竿の根本を扱くも加えられ、口での激しい抜き挿しに身体が跳ねるアツキ。
与えられる悦楽に身を委ね、当然ながら増す射精欲。
…なのだが。
……じゅる…ちゅぽ…っ…
「う…にゃ…? オッサ…ン、終わり…だ、か…?」
不意にヒノケンはアツキの自身から口を離す。
睾丸に溜まった精を迸らせる事が出来ると思っていたアツキは、射精をお預けにされてしまった状態で、思わず続きを催促する様な視線をヒノケンへ送れば。
懇願するアツキの眼差しと口淫によって完全に勃起したアツキの自身を、ヒノケンは愉悦と情欲に満ちた熱の篭もる瞳で交互に見やる。
「へっ…こんなガチガチにおっ勃てたってのに、ここで止められたら確かに生殺しだな」
「い、いちいち余計な事をぬかスでねぇだ!」
「まぁまぁ、続きはやってやる。…ただ、ついでに後ろも解してやるかと思ってよ、もうちょい脚を開いて軽く腰を上げな。ローション流すぜ」
「む…こ、こう…だか…?」
要領は得ないが、言われた通りにする努力は行い。
アツキはより脚を開脚させ、どうにか腰を動かし後孔が見え易くなるようにモゾモゾと。
「へっへっ…そんくらいでイイだろ。…そら」
ツツー…トロ、トロ…
「ンにゃ! シャ、シャッこ!」
「あ? …ああ、ちょいと冷えてたか。なぁに、すぐ熱くしてやるから大した事じゃねぇよ」
ニチュ…ニチッ、ヌチュ…
「…ぅ…ン、ンにゃ…」
昂ぶった自身の根本や睾丸付近に流し落とされたローションは、保管していた場所のせいか少々冷えており、アツキは反射的に声を上げたが。
ヒノケンはアツキの自身を握り込むと、ローションを馴染ませるように根本近くで扱いてやれば、返した言葉通りすぐさま冷えは掌と自身の熱で掻き消え。
ローションを纏った指先が、流れ伝った後孔へ。
ぷちゅ…ぬちぬちっ…クニ、クニ…
…ず、ぬ…ぬ…ぬちっ…きゅん…
「ッ…は…」
「へっ…そいじゃ口での続きもな」
「え…」
アツキの後孔の入り口が柔らに解され、ヒノケンの指がナカへ押し入ってくると、アツキからは熱の篭もる吐息を漏らしながら思わず指を締め付け。
ヒノケンはその反応に口元を緩ませながら、先程からビンビンと勃起したままのアツキの自身に再び口を寄せ、咥えつつナカを解しだす。
れろ…くぽ…じゅっ、じゅぷっ、じゅぶ…!
ぬぷっ、ずぷ、ずぷっ、ぐに…っ
「にゃっ、アッ…咥えッなが、ら…ナカ…ぁ…!」
咥内で自身を包みしゃぶられながらナカを指で抜き挿され、ヒノケンの自身を受け入れる為に拡げられて、自身もナカも熱く滾り。
解れた様子を見計らって指は増やされ。
三本のローション塗れの指が淀み無く抜き挿しされる頃には、アツキの感覚では既に自身を埋め込まれて律動されながら自身をも扱かれているに等しい。
じゅるるっ…れろ、れろ…じゅぶっ、じゅぽっ!
ずちゅっ、ぬちゅっ、ぷちゅ…ずちゅんっ!
「アッ、オラ、もぅ…ッ、あァ〜〜〜…ッ…!」
…びゅるるっ!びゅーっ…びゅく、びゅるる…っ…
……トプ、トプ…ッ……ごきゅ…っ…
時に裏筋へ舌を這わせ、後孔への指の抜き挿しも止める事は無く繰り返しアツキの射精欲を高め、とうに勃ち上がっていた自身は程なくして達し。
ヒノケンの咥内へアツキは白濁を放つ。
若い雄猫の射精はなかなかの量だが、注がれる精をヒノケンは受け入れ飲み込んでゆき。一滴残らず飲み下して、ゆるりと自身から口を離し。
指もナカから総て引き抜いてやる。
…ずる…るっ…ちゅぽっ…
ぬ、にゅるるる…にゅぽ、ん…っ…
「っ、ぷあっ…と。へっへっ…結構、溜まってたな」
「ふ…ッ…う、にゃ…」
「おいおい、まだメインじゃねぇぞ。お前は出したかもしれねぇが…俺はこれからだぜ?」
「にゃ…? …えっ…そ、そげなの…」
フェラチオと指によるナカへの愛撫で射精し、ベッド上で放心した様に余韻に浸り掛けるアツキへ、ヒノケンは自らの熱塊と化した自身を見せつけ。
ビンと勃ち上がる剛直は自分を求めているのだと。
即座に理解したアツキは、その昂りにたじろぐ。
「へっ…ま、少しは休ませるか。来な」
「う…ちょっ、オッサ…ン」
ぐ、ん…っ……ぎゅうっ…
一度目にしてしまった剛直から目が離せず、射精の余韻も含めて固まってしまっているアツキに、ヒノケンは可愛い存在を見るような笑みを零したところで。
半ば無理矢理にアツキの身体を抱き起こすと、座る自分の上に跨り乗せて強く抱き締める。
ニチュ…ニチ、クチュ…
「ンッ、ン…オッサン…の、と…オラのが…」
「へっへっ…兜合わせみたいになっちまったか」
挿入という訳ではなく、確かにヒノケンはアツキの事を「次」の準備をしながらも休ませてやる時間を取るつもりで、座りながら対面で抱き締めたのだが。
射精したばかりの敏感なアツキの自身と、これからアツキを求めて精を爆発させんと昂るヒノケンの自身とが重なる形になり、互いを刺激し合う。
ヒノケンの言う通り兜合わせの状態で。
アツキには、もどかしい様な熱を与えられた上に抱き締められて逃れる事も出来ず、反射的に腰を捩らせてしまえば寧ろ自身同士が擦れ合うだけ。
気付けばアツキは欲の篭った熱く甘い息を漏らし。
抱き締めるヒノケンにしがみつき返しながら、進んで腰を揺らして自身同士を擦り合わせて得られる快感に夢中になる。
クチュッ、クチュ、ニチュッ、ニチュ…ッ…!
「や、は…オラ…止まん、ねッ…」
…ツツ……ぐにっ…ヒク、ヒクッ…ヒクン…
「ンにゃ、あッ…」
「へっへっ…尻も俺のが欲しいってヒクついてんな。イイぜ、挿れてやるから腰浮かせろ」
「う、ン…ッ…こ、う…だか…?」
独りお楽しみ中のアツキを眺めるのは悪くない。
だが、刺激を与えられるのはヒノケンも同じ。
そろそろ我慢も限界と、まずはアツキの後孔に指を伸ばしてみれば、窄まりは指を感じると同時に早く欲しいと言わんばかりにヒクついており。
にたりと上がるヒノケンの口角。
アツキに腰を浮かせるように指示して抱き締める腕の力を緩めてやると、擦り合わせる事に夢中だったアツキだが、挿入してもらえるのだと理解し。
快感に囚われ気怠い身体を緩慢ながら浮かせ。
その先の指示は無かったが、後孔をヒノケンの自身に近付けて鈴口とキスさせると、窄まりが一層にヒクヒクと蠢き鈴口に吸い付く。
むにぃ…っ……くぱ…
「コレでちっとは挿れ易いんじゃねぇか、どうだ?」
「…や、やってみる…だ」
鈴口に窄まりの感触を得たところでヒノケンはアツキの尻を鷲掴み、左右に拡げる事で解された後孔の事をも拡げてやり、挿入を促す。
アツキは手を後ろに回し、そっとヒノケンの自身に手を添え後孔から外れぬように支え。
まずは先端を受け入れようと腰を落とし始めた。
ぷちゅ…ぐっ、ぐぷ…ぐ……ぐぷ、ん…っ!
「う、にゃ…入っ…た、べ…」
「へっへっ…先っちょだけでイイのかよ」
「…ここで止めたら、困るのオッサンでねぇの」
「へっ! 言うねぇ…まあ確かにな。…もっとお前の事を見てやるぜ、奥まで挿れてみせな」
「そ、だ…オッサンは、オラだけ見るだ…!」
ずぷ…ずぷぷぷ…ずぷ、んっ…!
……ぎゅううっ…
「にゃ、あッ…オラのナカ…いっぱ、い…」
先端だけで満足など、お互い既に出来ない。
一先ず入った事で手を添える必要は無くなったと判断したアツキは、後ろに回した手を離して目の前のヒノケンの首に両手を回して抱き付き。
ゆっくり腰を落とし進めて竿の根本までずぷすぷと飲み込んでゆき、ぐっぷり咥え込むと。
ナカをみっちり支配する自身の質量や熱さに、ヒノケンの頭を思わずキツく抱き締める。
チロ…れろ……ちゅうう…っ…!
「みにゃッ!? な、なに乳首サ吸って…!」
ちゅぱっ…
「いやぁ、目の前にあったから。ついな」
「つ、"つい"でねぇだ!」
「俺はあんま動ける体位じゃねぇから、せめてよ」
「余計な事をスるで…! ンひ、あ…にゃぁあッ…!」
受け入れた自身の熱さで動けぬアツキ。
そこにヒノケンが、頭を抱き締められた事で目の前に差し出される形となった乳首を軽く舐める…だけに留まらず、間髪入れず口唇を寄せて吸い付く。
唐突なあらぬ刺激にアツキは身体を跳ねさせ、ヒノケンに何事かと抗議してみるけれども。
ヒノケンは気にする様子は無く、一度口を離してあしらう様なやりとりを返すと、再び可愛らしい乳首に吸い付いて舌で転がしたり強く吸い上げ弄ぶ。
れろれろ…っ…ちゅ、ぢゅっ…
「にゃ、う…オラ…ッ、乳首…こげ、に…ッ…」
ぎち…きゅうっ、きゅん…っ…ピク…みちっ…
乳首への刺激でアツキの身体は快感を得て、猫耳や尻尾を立て震わせながらナカを締め。
きゅうきゅうと肉壁がヒノケンのカタチを伝え。
自身の表面に浮き上がる微かな脈動すら感じ取り、貫かれる熱さも加えて射精により萎え掛けたアツキの自身も硬さを戻し、互いの腹の間でビクビクと跳ね出す。
……ちゅぷ、っ…ちゅっ…
「み、にゃ…? …えっ、あ…」
「乳首も美味いが、また改めて可愛がってやるよ」
「オッ、オラは乳首で感ズてなンか…」
「へっへっ…あんなヨガり声を出して、俺のを散々締め付けておいてからに何言ってんだ」
「ぐ、むむ…そ、そンれはその…」
アツキが再び勃起に至ったのを悟り、軽い口付けを添えて乳首から口唇を離すヒノケン。
乳首からの新たな快感に耽っていたアツキは、何も考えず離された事に物足りないような声を上げてしまったが。はたと気付き、感じていないと取り繕うも。
とっくにヒノケンにはバレており、ただ愉快そうな声を聞く事となって悔しげに呻くのみ。
「へっ…ま、イイからよ。対面座位は小僧の方が主体だ、好きに動きな…それで、俺が余所の猫なんか見れねぇようにテメエでやってみせやがれ」
「…言ってくれるでねぇか、そのつもりだべ…!」
不貞腐れたアツキの声に笑みを零し。
ヒノケンはこの体位を選んだのは何故かを含ませ、アツキが動いて果てさせるよう促す。
元はヒノケンがアツキだけを見る証明をするという話だった気がするが、どちらも得たいモノは己の手で得るのだという性分でもある。
挑発に乗ったアツキは、改めてヒノケンに抱き付き。
ぎこちなくも腰を上下に振り出した。
ずっ…ずちゅっ、ぷちゅ、ずぷっ、じゅぷ…っ…
「はッ、はっ…ア…オッサン、の…気持ち、いッ…」
抜き挿しは拙いが、充分に解されたナカは行き来を容易にしており、ヒノケンの自身がナカを往復する心地好さにアツキはすぐ虜となって。
けれど自分だけではない、ヒノケンの事も自分だけを見させるべく自身を包み吸い付けば。
声こそ漏らさぬものの、アツキの胸に漏れ出た欲と熱の篭る吐息が掛かった事で、抜き挿す交わりに対して感じているのだと分かり。
もっともっと、猫は情交を貪ってゆく。
……ぎゅむ……
「いにゃッ?! ちょ、オッサン…尻尾…ッ!」
シュッ、シュッ…シュル…コス、コスッ…
「にゃあッ、アッ…そげに扱くでねぇ、だ…!」
「尻尾も気持ちイイんだろ? お前のナカは、扱き始めたら一層に俺を欲しがり始めたぜ…隠す事なんて今更無ぇ、俺にお前の全部を焼き付けさせろよ…アツキ」
「…そンなら、オッサンも…だかンな…ッ!」
ヒノケンの自身を味わう最中、突如アツキは性感が伝わり余計に敏感な状態となっている尻尾を握りこまれた上に問答無用で扱かれ始め。
口ではお約束のように抗う言葉が出たけれど。
何もかもが今更。
与えられる快感を糧として、自分自身とヒノケンとを果てさせるべく、尻尾からの悦も得ながらより激しく腰を揺らして抜き挿す律動を早める。
じゅぽっ、じゅぽ、ぐぽ…ずちゅ、ずちゅっ!
シュコシュコッ、シュッ、シュ…!
「うみゃあ、ァ…ナカも、尻尾もッ…気持ちイくて…オラ、イく…イくかンなオッサン…!」
「ああっ、俺も全部ぶち撒けるからなぁ…っ!」
ずっちゅ…ずちゅ、じゅぽ!じゅぷっ!…じゅぷん!
……びゅくるっ、びゅるるるッ…!
…キュウ、キュウウウッ…
「に、ぁ…アン…ッ…!」
「クゥウッ…! どんだけ締め付けやがる…! そら、俺の炎を全身で受け止めろアツキ…!」
…どびゅるるるっ!ぶびゅるるー…っ!
びゅるる、るるっ…ドプドプ…ッ…ぶびゅっ…!
「アッ、あ…熱ッ…あ、アアぁあ…ッ…!」
抜き挿しからヒノケンの自身を根本まで咥え込んだところでアツキは達し、二度目の精を放ちながらこれまで以上にヒノケンの自身を締め付け。
ヒノケンもまた射精に至り、アツキのナカへ暴力的な勢いを持って白濁を注ぎ込み、この一度で睾丸の中の精をありったけ迸らせているかの量。
自らも射精しながら欲を注がれるアツキは、滾り焼ける熱さに身を震わせヒノケンに縋り。
お互いの射精が落ち着くまで、身を焦がしあう。
「…はーっ、はーっ…はー…」
「…へっ…熱かったぜ…アツキ」
「…当たり前でねか、オラを誰だと思っとるだ…オラはどっこの猫よりも何時だって熱く燃え盛ってるだなや。…オッサンと釣り合うンは、オラだけだかンな!」
まだヒノケンに縋り身体を預けていたかったが。
アツキは荒い息を抑え込み、抱き付く腕の力を緩めてヒノケンの頭を自由にすると、アツキを見ようと自然に上向いたヒノケンの眼差しを見下ろし。
にっと、生意気混じりのアツキらしい笑みを見せてハッキリと自分だけだと宣言してみせ。
瞬間、細められたヒノケンの瞳。
「…お前は、やっぱり俺だけの猫だぜ。余所の猫なんかじゃ、俺を熱くさせられねぇよ」
まだ、熱の行き来をさせるかの様に繋がるまま。
ヒノケンはアツキの顔を引き寄せ、頬への口付けを。
生意気で意地っ張りな猫は、くすぐったそうに短く鳴いて。けれど、とても幸せそうで。
貴方が見て良い猫は自分だけ。
猫も、貴方だけを見ているから。
■END■
2022.10.25 了