【Rockman.EXEA】
放課後の恋人/終夏の花火
)ヒノアツ4種で寝バックえっち第4弾◎



「今度の土曜に近所で花火大会があるだろ?ウチに観に来いよ、二階からわりと見えっからな。九月にやる花火だし、今年最後って事でどうだ?」
「……そだな、ンで適当な時間に行ってやるだ」
「ああ、待ってるぜ小僧」

わざわざ珍しいな、とアツキは思った。
帰り際にヒノケンに呼び止められ、何かと思えば。
恋人、らしいといえばらしい花火観賞の誘い。
教師とは別に研究者としての顔も持つヒノケンの助手という関係性も有るにせよ、一応の恋人関係については、担任教師と生徒だという前提が存在する以上、公に出来る筈は無い為。
直接、花火大会の会場へ二人で行くのは難しく。
だから、家に誘うのは分からなくも無いのだけれど。

「(別に週末になったら、ほぼ毎週行っとるのに)」

地元から離れて通学するアツキの普段は寮生活。
なのだが、ヒノケンの研究を手伝いに行くと言えばヒノケンの方でも口裏を合わせてくれる事から、週末特に他の用事が無ければ大体はヒノケンの家に行っている。
この夏休みだって暇であれば入り浸り状態で。
なのにわざわざ、花火を観に来いなんて。

「(…オラに用事がないか確認、だったンかな)」

この時点でヒノケンの真意は分からないけれど。
花火を口実に、週末アツキに家へ来て欲しいという気持ちが含められているのは違いない。
そう考えればアツキとしても悪い気はせず。
一緒に花火を観たいだなんて、珍しく素直ですら。

「(…ふーン、そっかそっか。オッサンがオラに来て欲スぃンなら、スッかたねぇべな!)」

去って行くヒノケンの背中を見詰めながら一人ちょっとした優越に浸り、にんまりと笑む。
どんな意図にせよヒノケンの方から折れてきた。
アツキからしてみれば、そう受け取れたのだろう。
週末を心待ちにして帰宅の足取りも軽いアツキは。
ヒノケンの家の二階に「何の部屋」が在るか、という事は完全にすっぽ抜けてしまっていた。

───…

……ヒュルルル…ドンッ、ドドンッ…!

「おう、予定通り花火が始まったぜ小僧。観ろよ」
「〜〜〜…ッ…ンだったら!ちゃんと見せるだ!」

果たして土曜日、アツキはヒノケンの家を訪れ今年最後になるであろう花火大会を待ち。
そろそろ時間というところで。

「ンでオッサン…二階の何処で観るンか?」
「位置的に、寝室から出たベランダだろうな」
「寝室だなや、ほンでオラはもう行っとるだ!」

ヒノケンの言葉にアツキは何も疑わず、場所を聞くや先んじて寝室へと向かったのだが。
寝室の窓ガラスには何故か見慣れぬロックが足されており、気付いたアツキがどうにか外そうと試行錯誤する間に、背後に忍び寄っていた影はヒノケン。
アツキからは見えぬ位置にて上げられた口角。
目的はつまり、そういう事。

「…オッサン?ちょ、このロックば外れ…のわぁ?!」

突如としてアツキの身体が浮いた、と思ったら。
傍のベッドに放り投げられ、この時点で何をされるか察しが付いたアツキだったが、ギャーギャーと喚くもホイホイと器用に服を剥かれ。
まだ外は残暑が残る時期。
ヒノケンの家に着くや汗を流したくてシャワーを借り、そんなボディソープの香りが微かに残る身体を露わにされて、意図せずに性行為への準備が整ってしまっている事に気付くも。
時すでに遅く、あれよあれよと後孔を解されて。
ベッドにうつ伏せになりながらヒノケンに圧し掛かられ、昂った自身を埋め込まれている。
どうやらヒノケンは寝バックの気分らしい。

ずる……ずちゅっ、ずぷ、ずぷっ…

「はッ、あ…あッ、ぅ…」

普段の燃え盛る様な情交と比べれば鈍い律動。
しかし背中から圧を受けて密着し、よりヒノケンの熱を感じながら解されたナカを行き来されては、アツキの口から自然と艶めいた声が漏れる。
外には次々と打ち上がり続ける花火の煌めき。
ベランダに出ずとも、カーテンを開いたベッド上からでもよく観えており、ヒノケンがアツキに「花火を観ろ」と言ったのは無理難題という訳ではないものの。
悦を与えられるアツキにしてみれば、それどころではないというのも分かりそうな事で。
ヒノケンも、そんな事は承知。

「へっへっ…そんなカワイー声を上げちまうか、花火より夢中か?まあ悪くはねぇけどな」
「…ッ…やっかまスィだ、こンのエロ教師…!」
「ま、そう言うなよ」

愉しげに上がる口角を想像してアツキは唇を噛む。
けれど同時に、ヒノケンの自身を締めてしまう後孔。
もう、とっくに覚えてしまった熱のカタチを密に感じ取り、ピクンと身を震わせ息を吐き。
シーツを掴む手に籠もる力。そこに。

……そ…きゅ…

「…何のつもりだべ」
「いいから、ちょっと手ぇ開け」

シーツを握る左手に、ヒノケンが自分の手を重ね。
何かとアツキが問えば、手を開けなどと。
断ったところで意味は為さないと感じたのか、アツキは黙ったままそろりと手を開くと。
すぐさま指の間にヒノケンの指が入り込み。
ギュッと握り込まれ、その手の力強さに捕らわれる。

「なにスッ…」
「俺も、どちらかと言やぁ花火よりお前だ」

いっそ花火が打ち上がる音で聞こえなければ良かったのに、ソレも見計らったのだろうか。
アツキの耳に届いた言葉は酷く甘い囁き。
ひとつ、大きな息をアツキは吐き出し。

「……センセーはズルいだな、本当」

ゆるゆるとアツキも左手の指を曲げ。
受け入れる、いや、捕らえるのは自分の方なのだ。
甘い囁きにだって屈さない、そうした意思。

「…へっ、かもな」

ゴソ……クニ、クニ…ッ…キュウッ…

「〜〜〜…乳首、弄るでねぇっちゅう…に」

左手はアツキにくれてやるから。
けれど右手の自由は渡さない、ヒノケンはスルリとうつ伏せるアツキの身体とベッドの間に右手を滑り込ませ、既にささやかながらも芯を持つ乳首へ指を。
辿り着けば、それがさも当然であるかの様に捏ね回し、快感と痛みの中間程度の絶妙な力加減で時に乳首を摘むと小さくアツキの身体は跳ね。
ヒノケンの自身を咥え込み続けるアツキのナカも愛らしく蠢き、咥え込む自身を悦ばせ。
執拗にコリコリと乳首を捏ね回す指先が秘める熱さは、空調の効いた寝室内であっても変わらず、まるでアツキの身体に焼き付ける様。

「ふッ、あ…ァア…もッ、ねちこい…だなや…ッ」
「乳首だけでイケるくらい弱ぇのは知ってんだ、ズルい言いながらも俺を捕らえようなんて考えてやがる小僧には、自分がどんな身体か分からせねぇとな」

……ギュウッ!
キュン、キュウン…ッ…!

「ンひっ、ッあ、アん…ッ!」
「ちょっと痛ぇくらいが好みってな、イイ声だぜぇ」

上がるアツキの嬌声に。
心地好く、だが喰らう様に締め付けるナカに。
ヒノケンは愉悦を孕み口角を釣り上げ、興が乗ったとばかりに互いの身体の密着は変えず深く埋め込んだ位置での、自身を抜き挿す律動を再開した。

ずっ、ずぷ、ぐぷっ…ずちゅっ、ずぷっ…!

「はアッ、アッ、センセ…センセー…ぇ…オラもっと、欲スィ…だ…こげなので足りね…ッ」
「へっ!おねだりかと思えば煽りやがる。…そらよ」

クニッ…クニ…ギュムッ!
…ずぷっ、ずっぷ、ずちゅ…じゅぷ、じゅぽっ!

「ぅあ、アンっ、アッ…そだべ…センセ…ッ…!オラの事ば熱くせンと、承知スねぇだ…!」
「へっへっ…燃えてきたぜ…!」

アツキの挑発にヒノケンは応じ。
まだ弄っていた乳首を先程より強い力で捏ね摘み。
覆い被さり続ける密着自体は変わりないが、自身を抜き挿しナカを穿つは逞しさを増し。
短いながらも徹底して叩き込まれる様な行き来。
後孔はグズグズに蕩け、ヒノケンの事を悦んで迎え。
寝室内にはアツキの艶めく鳴き声が───

…ヒュル…ヒュルル…ドドン、ドンッ…ドドドッ…!
しゅぽっ、じゅぽ、ずちゅっ、ぷちゅ…じゅぶっ!
パン、パンッ、パチュンッ!

「はアッ…ぁあッ…あンッ、あン、イイべ…ぇ…!」

見せ場を迎えた花火が次々と打ち上がる音が、アツキの鳴き声も抜き挿しする卑猥な音も腰を打ち付ける音も、少しは掻き消してくれるから。
アツキは、より素直に快楽を貪り喘ぐ。

「はぁっ、アッ、イクぅッ…オラ、もうッ…」
「へっ…俺もそろそろだな」
「なら、遠慮せンでオラに寄越スだ…センセーの熱、は…オラだけのモン、だかンな…!」
「…言うじゃねぇの。遠慮なんかするかよ…!」

じゅぷっ、ずちゅっ、ぱちゅん!ぱちゅんっ!
…ぶびゅるるるる〜っ!びゅる、びゅくるるる…!
ドプドプ…トプッ、ドプン…ッ…

「クゥゥウッ…!玉ん中の全部を出してやンぜ…!」
「うぁッ、アアッ…こげな量…熱ぅ…あ、ふぁッ…あ、ア〜〜〜ッ…!イクっ、イク…ぅ!」

びゅるっ、びゅるるるっ…びゅーっ…!
…びゅっ…びゅく…ジワ…

繋がったままの左手を痛いくらいに握り合い。
ヒノケンもアツキも互いに精を吐き出す。
アツキのナカには、暴れ回られている様な錯覚に陥る程の濃く滾った多量の白濁が注がれ。
無意識に口は開かれ、溺れ蕩けた瞳に浮かぶ悦の涙。
チカチカした明滅は強過ぎる快楽からなのか、それとも部屋に射し込む花火の煌めきか。
或いは、どちらも。
精を出し尽くすまで、花火の音だけが鳴り響く。

……ぬ゙…にゅるるる〜…ぬぽんッ…!
ごぴゅっ…びゅぷ…こぷ…

「ッ、は、あ…ぅ…はー…はーッ…」
「……小僧……アツキ」

まだまだ性交の余韻は残っているだろう。
もう少しヒノケンはアツキのナカへ自身を埋め込み浸り続けるかと思いきや、注ぎきって身体が多少落ち着いた頃合いで、ナカからゆっくり自身を抜き去れば後孔からは精が吹き出。
また、その様を観察されるのかとアツキは思うが。
ヒノケンは身体を起こさず、圧し掛かる密着を強めてきたかと思うと…名前なんか呼んで。
肩越しにアツキの顔を覗き込む。

「……なン…ね、センセ……いや、ケンイチ…」

眼鏡の無い…夜だけの、アツキだけが知る顔は。
打ち上がった花火に丁度、照らされ。
僅かに目を見開き驚きを浮かべたけれど、すぐ何時もの口角を上げる笑みへとすり替わる。

「キスしようぜ。つうか、させろ」
「……勝手にスたら良いでねか───」

言い終わった時には重ねられていた。
まったく、漸く花火を観る事が出来ると思ったのに。
これじゃあ火は火でも、互いの炎と焔しか見えない。
口唇や舌を貪り合う中でヒノケンもアツキも、今年最後の花火の音を聞きながら抱く想い。


今年の夏も───アツかった、な。
きっと、来年も。その先の夏も。

■END■

◆サイト活動18周年記念&感謝!
次の周年記念を迎える事が出来た時、ロックマンエグゼ/アドバンスドコレクションは発売しているのかな…楽しみにしながら迎える事が出来たら良いな。
ぽちぽちとヒノアツ他を書いて待ちたい◎
改めて、サイトへの御来訪ありがとう御座います!

2022.09.06 了
clap!

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