おためしえんまくん!
そのさん


 ごめん、今日熱出した。ツナ君からのメールに気付いて、僕はアーデルに相談した。するとアーデルは、何かお土産を持ってお見舞いに行こうと言って、放課後コンビニに連れて行ってもらった。
 自動ドアをくぐって、店内を見回した。色々なものが目をひく。いい匂いもする。

「アーデル、お見舞いって、何持っていこう……」
「とりあえず、ゼリーとか喉を通りやすいものが良いはずだ。熱もあるからな」
「なら、あっち、だ」

 ゼリーとのど飴を買って、ツナ君の家に行くと、随分賑やかだった。恐い人とか、野球の人、らうじも……いっぱい。

「ツナ君」
「沢田、見舞いだ」
「二人ともありがとう」

 ツナ君のベッドの周りは、お土産らしきものでいっぱいだった。フルーツ盛り合わせからグローブ、ケーキ、不思議なものばっかりだ。

「なんか、すごい」
「あはは。みんな集まっちゃってさ! 大したことないのにね」
「油断大敵だ。風邪は万病の元ともいう」
「そうだね」

 みんな心配してくれたんだよね。と嬉しそうに笑うツナ君。そのツナ君をみて、拗らすといけないから、と粛清しようとするアーデル。
 なんだかんだみんなツナ君の周りにいたいと思う理由が、少し分かった気がした。


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 ツナ君の周りにいると、みんなそのまんまの自分でいられるから、理由つけて集まるんだなぁ。





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