それゆけさわだ兄弟


「綱吉ぃ〜! 助けて」
 ぎゅうー!馬鹿力のツナに抱きしめられ、綱吉は自由な手で机をバンバン叩いていた。
「ツナ、兄ちゃんが死ぬぜ」
 山本が言って諭す。やっと解放された綱吉は、ぜぇぜぇと息を乱していた。


「ツナ、助けてって、なんで?」
「ひば、ヒバリさんが」
 放課後、応接室に着なよ。そう言われ、きっと俺を咬み殺すんだ、とツナが言う。それを聞いた山本が
「いや、逆だろ」
 と呟いて、綱吉は
「雲雀ってそんなに素直じゃないのか」
 と、言っていた。

「どうしようっ。俺、俺ぇ……!」
 嘆くツナに、綱吉らの言葉は耳に入っていない。
 綱吉は、雲雀のために、こう言った。

「じゃあ、オレと一緒に行こう?」
「綱吉……ありがとう!」

 ありがとう!と感謝を述べながら、ぎゅうぎゅう抱きしめられた綱吉は、また山本に助けられた。綱吉は、この馬鹿力に不器用過ぎる愛を向ける並盛の支配者に、一瞬の哀れみを抱いた。山本は、雲雀の命を心配していた。


 放課後、やはり仕事を手伝わせた後に一緒に帰りなよ、と誘ってきた。怯えたツナに殴られ、気絶した雲雀を見つめる綱吉の視線は、どこか生暖かいものだったと草壁は語った。


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 ツナが好きだけど、恐怖の象徴になってるツナは思わず殴っちゃう!
 その馬鹿力を日々味わっている綱吉は、それでも止められない雲雀の恋心を恐ろしく思ったとかなんとか





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