「綱吉綱吉綱吉〜!」
「なんだよ……朝から全く」
「メリークリスマスだよ。サンタさんいたよ!」
「……ああ、いたな」

 朝から部屋にきて騒ぐツナは、枕元に置いてあっただろうプレゼントを持って喜んでいる。そのツナに言われて枕元を見ると、確かにあったプレゼント。包装は今年も色違いで、ツナが赤、俺が緑。毎年入れ替わるところが、あの人らしいというかなんというか。
 そうだ、今日はパーティだから手伝わないと、とツナが言う。そうだ、と二人着替えをして、リビングに下りた。
 リビングの向かいの居間には、チビたちがまだ寝ていて、多分サンタさんを見るとか言って頑張っていたことが分かる。その証拠に、ランボの右手には虫取り網が握られていた。

「おはよう。二人ともサンタさんからプレゼント貰えたかしら?」
「貰えたよ! ね、綱吉」
「ああ、今年もあったな」
「良かったわね。私にもあったわ。今年もパーティしましょうね」

 エプロンをつけて朝ご飯を作っている母さんの胸元に、新しいネックレスがあった。どうやら、家族全員にプレゼントしていくサンタさんらしい。

「さ、朝ご飯にしましょう。食べたら、二人ともお手伝いよろしくね!」
「ああ」
「うんっ。分かってる」

 母さんの朝ご飯を食べて、まずチビたちを起こした。朝ご飯を食べないと、生活リズムが崩れるから。イーピンはすっきり起きてくれたが、ランボはなかなか起きてくれない。

「ランボ。ランボー? ランボさん朝ご飯なくなっちゃうぞ」
「ダメだな……」
「うん……起きないね」

 そうだ。

「ランボ。リボーンが……」
「ガハハハッ! ららランボさん起きたもんね! ランボさん強いんだもんね!」

 リボーンの名前を出した途端に起きたランボを見送って、洗濯機を動かしに行く。ツナは料理の手伝いをしている。
 洗濯物を干すころには昼の時間になっていて、ツナが今日の昼は俺が作ったんだと呼びにきた。

「美味しく作れたはずだよっ」
「ツナは料理上手いもんな」
「へへっ。親子丼だよ〜」

 お手製親子丼は、ツナが自信たっぷりに言うのも分かるくらいに美味しかった。綺麗に食べきって、美味しいと伝えた。ツナは嬉しそうにしていた。チビたちも美味しいと口を揃えて言っていて、また作ってあげなきゃねと母さんは微笑んだ。
 お片付けは私に任せて、みんなにお菓子買ってあげてと、俺たちは外に出された。チビたちは公園へ。ツナは新しいセーターを着て、一緒に買い物へ。
 商店街へ行けば、クリスマスの飾りやサンタの格好をした人がいて、雰囲気がとても楽しそうだ。ツナはクリスマスの飾りを見て、はしゃいでいた。
 大きなツリーの下までくると、お願い事をしようというポップがあった。

「願い、ごと……いつからクリスマスは七夕に」
「綱吉! 楽しそう。やろ!」
「だよなあ。うん、やろう」

 星形にカットされた紙に願い事を書くようになっていて、聖夜の星空に叶えて貰おうということらしい。ツナは紙を二枚とって、俺に渡す。さっそく書こうとして悩み始めたツナを見つつ、俺はさくっと書き終えて飾った。

「えっ。もう書いたのー!?」
「俺は、いつもお願い事は一緒だから」
「えー! 何? 何にしたの?」
「ひーみつ! ツナも早く書けよ」
「ズルいっ。もうすぐだもんっ」

 慌てて書いたツナも飾って、俺の隣に寄ってきた。

「良かったな。楽しかった?」
「うんっ。ね、また来年も書こうね」
「来年もあったらな」

 さ、お菓子買って帰ろうか。そう言って差し出した手を握ったツナの笑顔が、来年も隣にあったらいいな。こっそりと、まだ明るい空に願った。

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2011/12/25 睦月拝





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