彼氏いるの?
残念な炎真の場合/ノンケ暴君ツナ
「ツナ君って彼氏いるの?」
エンマ君の発言に、オレは飲んでいたミルクティを吹き出した。横道に入ってしまって、しばらく咳き込んでいると、エンマ君は背中をさすってくれた。
落ち着いてから、オレは尋ねる。
「なんで、彼氏なの?」
「え、何か違った、かな」
いろいろ違うよ。
「オレは、彼女つくる予定はあっても彼氏つくる予定は無い! ってかオレは男で女の子が好きなんだから彼氏はつくらないっての」
オレはノンケだっての。確かに周りに疑わしい忠犬や腹黒疑惑の野球少年、危険な香りを纏う家庭教師がいるけどさ。
「そんな、ツナ君の裏切り者!」
「どうしてそうなるんだよ!?」
泣き真似されても困るよエンマ君。今は屋上だから、そんな困らないけど。
「僕に好きって言ってくれたじゃないか。あれは嘘だったの?」
「あれは友愛の好きだよ。んなこと言ってたらオレはどんなタラシだ」
好きって言ったことあるやつなんか、めちゃくちゃいるぞ。獄寺君、山本、リボーン、ランボにイーピン……数えるのが馬鹿らしい。京子ちゃんは違う好きだけど。って、なんで「君が好き」がホモに変換されるんだ。オレの周りはやっぱり変なやつしかいないのか。神さまは人選を間違えてるんじゃないのか。
「だってアーデルは脈ありだからアタックしてこいって言ったよ!?」
「アーデルハイトぉおお!? あの人何教えちゃってんの」
「僕は男だけど、ツナ君のことはそこら辺の野郎と女の子たちより知ってるよ!」
「……例えば」
「今日の下着の柄とか、朝ご飯抜いてきちゃったこととか、実は黒子が多いとか、あブッ」
「おいコラ待て変態」
オレの周りはストーカーしかいないのか。そうなのか。それはそれは素晴らしいねえ、ごちそうさま。さて、また一人沈めたことだ。部屋の鍵を買いに、家に帰らないといけない。
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下品ですみませんでした。