嫌われるわけ無いんです。
※嫌われ、ない
最近、ツナ君たちを悪者にしようとする転校生が増えた。けど、悪者になんてできるわけが無いのに、今日もこの間来た女の子は泣き真似をする。ツナ君に殴られた、と言う。
私を命懸けで守ってくれるツナ君が、何故来たばかりの子に告白して、断られたから殴ると言うんだろう。そんなはず無いのに!
「また、あの子ツナ君を!」
「落ち着いて、京子。大丈夫よ」
「花、でも……」
「放課後も、休み、も……殴られ、たの!」
私は、見てるだけ、なんて。
悔しいのに、あの子は泣き真似を続けて、嘘を重ねる。しかし。
「ツナがそんなのできるわけ無いだろ。一分一秒離れずオレと一緒なんだから」
「放課後も休み時間も、俺と獄寺は一緒だったのなー」
「お休みの日は、俺がお二人を警護してたが、お前には会ってないぜ」
「ちょっと、ここ風紀乱れてるって聞いたけど?」
ツナ君を庇うように、綱吉君がツナ君を抱き、山本君も獄寺君もツナ君の行動を証言していた。
クラスメイトはそれが分かっているから、あの子の味方なんてしない。あの子はヒバリさんを見て顔を青くしていた。
「ああ、ヒバリさんちょうど良かった。そいつ、ツナに殴られたって嘘吐くんで咬み殺して良いですよ?」
「君に指図されるつもりは無いけど、風紀違反の塊だからね。僕が引き受けよう」
「あ、いや、や……いや」
ズルズル、と教室から引きずられていくあの子は、多分もう来ることは無いだろう。
「良かった……。ツナ君!」
「あ、もう京子ったら」
あの子がいなくなって、ようやく私はツナ君のそばに行けた。
「京子ちゃん。ごめんね、いつもいつも」
「ううん。ツナ君が優しいのは分かってるから」
「ダメツナ。京子に感謝しなさいよ。ずっと心配してたんだから」
「わっ、花!」
もう、何でバラすの!
「京子ちゃんが……? あ、ありがとう」
「……うん」
ああ、なんていうかすごく安心する。ツナ君の笑顔が見れて良かった。
ぼーっとしていたら、何時の間にか授業が始まっていて、暖かい気持ちにぴったりの風が、教室を通り抜けた。
__
綱吉、山本、獄寺、プラス雲雀さんに隙が見当たりません。