起きないねさわだ
「おい、ダメツナ」
いつも通り、跳び蹴りを食らわせたにも関わらず、ツナは寝たままだ。最近はすんなり起きていたのに。疲れが溜まっているのか?
「おい」
今度はビンタを食らわせた。が、やはりツナは起きない。不思議に思って、首を触った。
「……熱いな」
ツナは熱があるから起きないのか。仕方ない。無理矢理通わせて、こじらせたら後が大変だ。とりあえず一階のママンに、報告だな。あとシャマルだ。
「坊主、本当に起きない、な……」
ママンに報告して、シャマルを呼びつけ診させた。気分の確認のためにも、シャマルはツナを起こそうとした。
普通に起こそうとしたが、跳び蹴りやビンタを食らって起きないのだから起きるはずもなく。シャマルは寝たままのツナから、俺に視線をうつす。
「ああ、本当に起きねぇ。原因が分からないままだ」
「うーん。多分、これは……」
「分かるのか?」
「寝不足を、体が無理矢理補おうとしてる反動、だな」
寝不足?
「最近は、ちゃんと寝てたぞ」
「坊主は、人より睡眠時間が必要なんだよ。あの炎の影響もある。八時間じゃ全然足りてない」
「そうか。……仕方ねぇな」
つまり、普通の睡眠時間じゃたまにこうなる、と……。これは俺も無理させるわけにいかない。
「まあ、多分一日か二日寝たら起きるはずだから、起きたら連絡してくれ」
「ああ、助かったぞ」
シャマルが帰っていき、俺はツナのベッドのそばに行く。
「起きたら、ねっちょりだぞ」
それを聞いているやつは、幸せそうに夢の中にいた。
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先生と生徒。