眠れない夜には



「...ん、なまえ?」
「あ、ごめん謙也、起こしちゃった?」
「いや、大丈夫やで。どうしたん?」
「うん、ちょっと...眠れなくて」
「そんでホットミルク?」
「ごめんね、謙也は気にせず寝てていいから」
「んなことできるわけないやろ。ほら、飲んだらこっちおいで」 
「...うん」
「はい、ぎゅー。なまえあったかいなあ」
「謙也のほうがあったかいよ」
「なんかお話する?しりとりでもええで。あ、歌でも歌おか?」
「えっ、歌ってくれるの?」
「なまえのためならいくらでも歌ったるで。ラップでも洋楽でも。や、早口な落語のが眠たくなりそうか?」
「ふふっ、いつの間に早口な落語なんて覚えたの?」
「お、やっと笑ったなあ」
「...えっ」
「無理して話さなくてもええし強がらんでもええ。けど、辛いときはいつでも俺がそばにおるってこと、忘れんといてな」
「謙也...」
「ん。ええから黙ってぎゅーってされとき。なまえが眠るまで、眠っても絶対離さへんから安心してええで」
「...謙也、ありがとう」
「当たり前やろ。俺はなまえが思ってる以上に、なまえのこと大好きで大切なんや」




(さあ、何の歌歌ったろかなあー)
(ふふ、本当に歌ってくれるんだ)



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