けんかしちゃった

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「もう知らない」
「そりゃこっちのセリフや」
「…謙也のバカ」
「バカで悪かったな！そんぐらいでいつまでもいじいじすんなっちゅーねん！」
「なんで逆切れ！？ていうかそんぐらいって…！」
「やってそうやろ！ちゃうって言うてんのにいつまでも、」
「…もういい、実家に帰らせて頂きます」
「えっ、…」
「謙也なんてきらい！」
「…勝手にせえ！」






「それは100%ケンヤが悪いなぁ」
「……そうやろか」
「どこをどうとってもそうやろが。自分アホやなぁほんまに」
「アホアホ言うなや俺は傷心やねん！」
「名字ちゃんのが傷心やろが」
「…やっぱ俺、傷つけたんやろか」
「あたりまえやろ。どこに彼氏の首にキスマークついとって傷つかない彼女がおんねん。しかも逆切れ。最悪のきわみやな」
「うっ…せ、せやかて、酔っ払った拍子につけられてしもたんやって！しゃあないやん！お前も見とったやろが！」
「せやけど、逆の立場だったらどないか考えたことあらへんの」
「逆って、」
「例えば名字ちゃんの首に酔っ払った誰かがキスマークつけたら」
「ぜったいいやや。許せへんそんなん」
「ほんで詰寄って逆切れされたら？」
「.........死にたくなる」
「分かったらさっさと謝ってこんかい」
「俺、まだ間に合うやろか。きらいや言われたんやで？」
「ほんっまにアホやなぁ。ぐずぐずせんとさっさと行ってきぃや！今頃名字ちゃん、ひとりで泣いとるはずやで？」
「…！」




（きらいやなんて言葉のあやに決まっとるやんか）
（名字ちゃんを信じたりや、アホ）