思い出を数えて




「謙也、何見てるの?」
「中学の卒アルや!本棚整理しとったら出てきてなぁ、懐かしい思て」
「へー、あっ、これ体育祭?」
「せや!こんとき俺リレーのアンカーでな、びりっけつやったのひっくり返したったわ」
「ホントだ、一番の旗持ってる!そっかあ、謙也足速かったもんね」
「これは2年のときの文化祭やな」
「え!謙也ってバンドやってたの?」
「おう!ドラムめっちゃ叩いとったでー。今はできるかわからんけどな」
「なんか意外だなぁ、でもかっこいいかも」
「そんでこれが部活の集合写真な」
「あっ、これ白石くんと光くん?」
「こんときから俺らアホばっかやっとったなぁ。でもめっちゃ楽しかったわー」
「そっかぁ…」
「ほんでこれがー…って、なまえ?どないしたん?」
「…ううん、なんでもない」
「なんやテンション低いで。…あ、すまん俺ばっかペラペラしゃべってもうて、おもんなかったよな、」
「ううん、違うの!そうじゃなくて」
「うん?」
「中学も一緒だったらよかったのになぁって思って」
「へ」
「だってどの謙也もすごく楽しそうなんだもん、私も隣にいたかったなー、なんて」
「なまえ…」




(なんでこの子こんなん可愛えことさらっと言うんやろなぁ…)
(謙也、そんなにくっついたらページめくれないよ)
(あとでゆっくり見せたるから!)



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