私に居場所なんてない
あるのはにおいとか音とか光とか肌ざわりだけ
私に哲学なんてない
あるのはうすく輪切りにした夜の一秒ずつを
かぞえるように呼吸している器官だけ
私に不可能なんてない
すべてが自由にされている
不可能や不自由を決められる祝福を
あなたは呪いという
それをどう呼んでもいいだけ
私に居場所もいらない
私に哲学もいらない
私に理由も自由もいらない
すべてを手にでき手放せるだけ
私におそれなんてない
それでも立ち止まり夢をみるときは
意味のない言葉や具体をあやつって
こんがらがっているだけだ

私に居場所なんてない
すべては感覚に帰するだけ
私に必要があるとすれば
この感覚だけ



祝福された器官
2024/04/25





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