毎日君は朝トーストを作る
布団からでたらカーテンをあける
すこし伸びをして
寝ているあいだにからだがかたまっているから

私がつづけてきたことといえばそれくらいだ
私がつづけてきたことといえばそれくらい
本当にそれだけ
本当にそれだけしかない

誰かになにかを誇れるほどの結果などない
誰かに必要とされる技術もない
履歴書に書ける職歴も
そう
社会ではともすると無能で無力の私だけど
私は毎朝カーテンをあけて伸びをして
こうやって生きてきたわ

毎日君は朝になるとパンを焼いて
たまにヨーグルト
もしくはバナナ
あるいはごはんの日もある
あくびをしたり
携帯を見たり
窓の外を見たりして
君は一日を始めるから

私がなにもなく生きてきたこの一日は
地球にとっての意味のない神秘

私がつづけてきたことといえばそれくらいだ
そう
私がつづけてきたことといえばそれくらいだ

私はそれを明日もつづけていく



毎日君は朝トーストを作る
2024/02/09





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