ひらいてもひらいても
うちがわにまだこころがある
玉ねぎみたい
いてもいても終わんないみたい
まあ玉ねぎは最後はなくなっちゃうんだけど
こころはずっとずっと奥までいっても底がないの
ときどきこわくなって
見つめるのがいやにもなる
だけどそんな根深い人間に
わたしずっと恋をしている
どれだけ背けても愛しさにかぎりがない
ふとしたときに好きになる
わたしずっと恋をしている
わたしの深く暗い永遠のところに
きっとあなたのことを愛するときも
いずれあなたの深いところを見つけてしまうわ
きっかけはあなたの清らかなところだったけど
きっと最後は
あなたのみにくいところまでキスしちゃうんだろうな

自分がみにくいことを知ると
だれかがみにくくても気にならないわ
人になにかをいえた義理じゃないと
理屈ではなく実感でわかるのよね
だからといって
ときには正義感も持ち出しもする
迷いのないとき
迷いつづけてわれを忘れるとき
そのふたつを交互に繰り返す
ときどきあなたが肩を支えてくれた
だからこんどは
わたしもあなたの肩を支えたい

わたしずっと恋をしている
永遠の暗やみみたいな底ぬけのこころに
わたしずっと愛しくてしかたない
いちぶのすきもなく晴れやかなすきとおるこころに

むかし
泣いた鬼が笑ったとよくあやされてた
そのことをとてもよく思いだす
とてもよく思いだす



泣いた鬼
2022/10/16





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