ぼくの胸にきみの影がさす
かすかであいまいだが
たしかに影がさす
傘の下にいるみたいに
守られているような
とざされているような
そしてどちらでもない
ぼくの胸にきみの影がさす
愛は不可解
おのれにさえ解けぬ
けれども愛しく
忘れがたく
そう
忘れがたく

ぼくの胸にきみの影がさす
振り返ると
おかしいくらいかわいい
感傷だったな
まじめな馬鹿
そう
未熟なうちはいつでも
思い詰めてころぶものだ

ひらかれていたい
とざされてもいたい
熱いのもほしい
つめたいのも
真理は根深い植物
掘り起こした巨大な根をみて
わかったと思っても浅い
また芽吹く根深い植物
真理は永遠におおきくなる
そう宇宙の膨張も足もとにも及ばず

傘をさしているみたい
晴れの日も雨の日も
両方ほしい
愛は不可解
おのれにさえ解けぬ
けれども愛しく
忘れがたく
そう 忘れがたく
むかし失くした恋人のように



傘の下
2022/10/05





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