わたしひとりになりたい
ひとりになりたいの
だだこねるこどものころとおんなじかも
放っておいて
ひとりにして
すねてるの
でもそれらとも違うの
それはいま生きてきたすべてかき集めて
なにひとつ取りこぼすまいと
見つめているからよ

みんな口をそろえていうわ
人はみな孤独だと
愛もセックスも家族も友人も仕事も
孤独にあらがうすべなのだと
よくわかるわ
わたしも感じるもの
それらのすべてが孤独の代わりになることを
でもそうなのかな?
ほんとにそうなのかな?
たしかにあなたとセックスしてるとき
あったかくて感動するけど
離れたらさみしくなるけど
それは孤独の代わりかしら
むしろ
孤独の代わりなどどこにも無いのではないか
そう 強く思うのよ
もしも愛やセックスや家族や友人や仕事が孤独の代わりになれても
ほんとうに孤独になりたいとき
愛やセックスや家族や友人や仕事は
孤独の代わりにはなれない
そうでしょ?

わたし立証したいの
わたしがわたしであると
そういうときひとりになりたいわ
さみしいほうがらくだわ
そんなとき孤独がなにものにもかえがたいわ
緑の森をさまようとき
わたし一個の細胞である
碧い海にたゆたうとき
わたし無限の無形である
あなたや彼女やママや先輩とふれあうとき
わたしだれかの一部かも
ぜんぶほしいのよ
わたしわがままだからぜんぶ
つまり孤独も

だれにもあげない わたしのこと
ときどきそう思う
でも あげちゃうときもある
馬鹿ですなおだから……
人に迷惑かけててもわたし
わたしでしか生きられない
うまれたときから死ぬまで
キスもほしいし
さよならもほしいわ



キスもほしいしさよならもほしい
2022/09/28





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