あなたはくもったかがみみたい ほんとに私とよく似ている 私とよく似ている むかしの私と あなたはくもったかがみみたい いつも理屈を盾にする あなた自身は矢面に立たないのね おのれさえ理屈でがんじがらめにして 守ったつもりになっている でも 私もそうだった 数学を学ぶように 世の中を学んだの とても成長した 変わったことも多かった そのために犠牲にした私 まちがって犠牲にしてしまった私を 私はいまようやく手にしている 清濁織り交ぜて生きることを 醜いと思ってもいた 理屈と感情は相反するのだと思っていた いいえ むしろ両立する すべての相対的なものがまるではじめから組み立てられるために創られたパズルのピースみたいに寄り添いあうことを ほんとうに知ったのよ あなたはくもったかがみみたい いつも理屈を盾にする あなた自身は矢面に立たないのね まるでむかしの私みたい 自分を強いと思ってた私みたい 私という器にはふちはなく底もない 永遠にすべてをのみこんでのみこんでのみこんでいく それが私という器 ずっと片方にふたしてたの ふたがあるものだと思っていたから 私は私という器のかたちさえ知らなかったのよ ふたしなきゃこぼれちゃうと思ってたし 満杯になったら完璧なのだと思ってたわけ 私という器にはふちはなく底もない すべてを理解するためにうまれた器だもの 百年じゃ足りないけどね 相反するものたちの片方だけが 私だと思ってた すくなくとも 相反する片方のものは 見せてはいけないと いいえ 私はこの世の相反するもののすべて その両方 それがほんとうの私 Kへ うつわ 2022/09/25 ← → |