あなたがいつかほのおに包まれて
焼け落ちていく城のように見えるとき
わたしのうつわは潮のあじで満ちているでしょう
まるで
うるおった秘密のあの場所のように

わたしはおろかだった
うまくいえないけれど
さまざまなことを
失敗したわ
うまくいえないけれど
いろんなことを
おごっていたの

あなたが正しかったかどうかは
なにも問題じゃない
ただ いつでも
わたしは信念をこころに据えていたのか
ただそれだけ

あなたのかおりが
あちこちから立つ
まるで
寝具のように
やわらかい布のように
す肌のように
さみしい夜の風のように
雨にぬれる草木のように

わたしはおろかだった
うまくいえないけれど
あなたを愛することだけは
あきらめきれなかった
それ以前に
わたしはわたしを生きることを
あきらめきれなかった
まるで
ふたつの事実は
つうじているよう
わたしの人生のかなめを
貫いているよう

運命は
必然の名を借りた
選択の結果です

ほんとうにいま
わたしはそれを信ずる
宇宙のいしずえとは
ただ我が心である
ほんとうにいま
わたしはそれを「はい」といえる

わたしたちは不思議
ほんとうに不思議
この謎は
いくらひもといたところで
永遠のからくり
ひもとけど
ひもとけど
うつくしい智慧の輪
ひもとけば
ひもとくほど
絵をかいてゆく
うつくしい智慧の輪よ



肯定
2022/05/27





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