おはよう。
まだ生きている君へ

今朝はずいぶん晴れていました
外をバスがいつものように走っていきました
ときどき忘れても
きちんとゴミだしする君

自分のことをわからないままでは
生きてもいかれない

傷ついたことのない人たち
うつくしい硬度
膨張していく硝子玉のような
熱と氷の温度

あなたがやさしいので
わたしはあなたのやさしさを
けっして忘れません。

いつも
どんなにかなしくても
きれいなものをきれいといいたい

君の強さは
真夏にしげる高い木の
ささやかなこかげにとおる
一陣の風に似ている

あなたを愛してよかった
この世によくなかったことなんて
なかった

かみしめるほど熱くなみだがでます
それをやさしく抱いて
生きています

いつか悔やむことが
たからものみたい
それ自体が悔しくて
ぼくはまた泣くみたい。

わたしたちの硝子のようなこころを
つめたく撫でていく春の風

冬がとけると君のやさしさも
あたたかい草花の絨毯みたい。

なくしたことなんてなかった
ただそれを 知らなかっただけみたい。



きょうの詩
2022/04/17





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