ずっとずっとさびしかった
ずっとずっとずっとさびしかった
だれと共有してもさびしかった
あの人もさびしかったって言ってた
家族のせいじゃない
だれかのせいじゃない
責任はどこにもない
いま生きていることを
忘れていただけ
ずっとさびしかったね
あんなに泣いたのに
死のうと決めたのに
縄までかけたのに
あなたは生きた
この世はうつくしく
泥くさい
みにくいことは
卑怯なことは
すべて
わたしがわたしであるための
秤だ
さびしかったのは
生きていることのすばらしさを
はかるための秤だった
あなたに言えなかったことがあった
いまはもう 言わなくていい
言えなかったことを
かかえて生きてきたけれど
伝えなければむくわれないと思っていたことたちが
あんなにもかんたんに瓦解していく!
わたしは
小さなあの子を
守ってあげる。
あの日見殺しにしたあの子を
もう
見殺しにはできない
大事にすることを
ひとつひとつたしかめていく
現実を生きることは
ただ見ることなのだ
きみは
かなしいときにちゃんと泣いた?
わたしは
きみがかなしいときに
かなしいと泣けますように
そう わたしは
わたしがいつでも
こころを忘れませんようにと
こころを愛して生きていくのだ
ずっとずっとさびしかったね
だってひとりだったんだもの!
そう ほんとうにひとりだった
そしていつも
人をうたがっていたのはわたしだった
たとえ理不尽に踏みつけられた事実があろうとも
わたしが信じられなかったのは
わたしのことがらなのだ
どんな刃物で切りつけられても
笑って聞いてくれる?
いまはね 受けて立てるよ
そして たとえ腕や耳が切り落とされても
わたしはかならず生きていく
切り落とした人々を
あざけりもなく 許そう
わたしがわたしであることを決めるのは
わたしだ
永遠につづくよなこの道が
永遠に終わりのないよろこびになる
いつもありがとう
自分からうまれてきたものたちが
まさか他人になるなんて思っていやしなかった
もしかするとこどもをうむというのはこれに似ているのかな
そう
いまこうしてあなたは独りになった
独立したひとりに
この詩に名前をつける
あなたがとわに
はばたいていけますように



2021/12/25





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