だれでもないあなたが
だれでもないわたしの
踏んだ足蹠

知りあうためにだけ
顔をあわせている
言葉か皮膚かは問わない
あるいは視線かもしれないし
夢想かもしれない

ひとりで生きるのがあまりにたやすく
人と生きるのもまたひとずつ解けていくパズルになっていくが
パズルのピースは殖えていく
僕はそれを叶えていこう

わたしと合わせるために
生きているわけではない

きみとわかりあうために
語っているわけじゃない

人の名のもとに
人のことわりを守ってやろう
人の名のもとにこそ
人をこえてやろう
人が人をはかるとき
人はちいさくもおおきくもなれよう
わたしは日のもと
生きるもの
僕も日のもと
息ざすもの

こんどの夏は
海でわらおう

ビーチサンダルのぺたぺたいう音が
こどもみたいって
いうだけさ



夏の海
2021/05/13





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