なにかを信奉したりしない
でもきみを愛している
きみを愛することは
信仰に似ている

きみのわらいかたをもう憶えた
泣くときは手の甲でこする
おれはどれだけやさしくなって
どのくらい遠くまで広がれば
きみの涙とか髪の毛とかぜんぶを
まるく包めるかな?

べつにおれは詩人ではない

なにかを犠牲にすることを
うつくしいなどとはいわない
しかしときに
人の死はけなげできらめき
痛みにもだえる大人たちは
あわれで愛しい

なにかを奪うほどのちからを
称賛したりはしないけれど
だれよりも強い筋力で
身体を守って
星よりも速く走れたら
そんなちからで
きみを守ることができたら
そのちからは
おれは憧れてしまう

10歳になったら
もっといろんな言葉を覚えるのかな?
ハタチになったら
もう恋人がいるだろうか?

いくつになっても
きみは変わらない
おれのこころが変わらないのだから

おれが先に死んでも
きみが先に死んでも
なにも地球に残らなくても
不思議だな
この世にこわいことなんかない

おれはね生まれる前に
母さんを選んだよ
きみは生まれる前に
おれのことを選んだのかな?

きみをいちばん愛しているのは
きみ自身であり
おれであり
きみが愛する人たちすべてさ

ただひとつそのことだけ
きみに生涯をかけて教えたいな

おれの手はどんなふうに熱くて
おおきかったかなあ?



Baby
2020/08/18





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