きみを愛することに 惑う僕の愛しきことよ 躊躇いばかりの歩みで 砂につけた無惨な足あと のように きみを愛しています きみに嫌われても なおきみを愛する不気味さを きみはどう名づけるか 人は死に向き合えば いずれ生きざるをえなくなる 僕がきみに向き合えば いずれきみを思わずにはいられなく 弱いので 生きます むごいので 愛します 許されないことだからこそ 許していきます 人を殺したきみの強さと脆さと汚さを 僕は弱く美しくかけがえがないと そのいちばん人間らしいこころの肉を 僕は愛してしまいます
人間の肉2020/06/26
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