この海のさきに
きみがいるという約束もなく
わたる船
雲に阻まれてみえぬ夜空
星の数と月の影を思いながら
波は打つ
不思議ときみを思うと泣けてくる
これが悲しみなのかさみしさなのかわからぬ
ただなぜか思う
これは理想とする愛にもっとも近く
しかし愛とはいったいなんなのか
この海に果てなく
この土に果てなく
森羅万象のすべて
血と肺のよう
感じるものすべて
きみのかたちのよう
悲しみであれさみしさであれ
その波のあいまを縫ってゆく
信じつづける船
船
2020/03/21
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