この道は
わたしをはねる断頭台につづく
その場所は
聖なる祈りと
焼きつく痛みの場所

その台のうえには
まだ血を与えられたことのない
新しく打たれた鉄のやいばと
千年を生きた大木の枠
それは罪を裁き罰を下すものではなく
一つを二つに切り離し
人間たちをみたす
冷たい道具

その断頭台は
人生のなかでもっともうつくしく
わたしのうえにあったとき
安らかな恐怖と恍惚にあり
わたしのしたにあったとき
きらめく闇と永遠にあった

それは人を斬るだけの道具ではなく
罪と罰のための力ではなく
心苦しい慟哭と情熱の
さびれたなれのはてであり
みがかれた新しい天国の形

この道はわたしをはねる断頭台につづく
この鎖はわたしをまもる糸
この土はわたしのからだの一部で
この涙はわたしのいのちのきらめき
この血はわたしを繋ぐけものの吐息
この台はわたしを導く天使の指

この断頭台は
わたしを貫く
信念と孤独の亡霊
わが半身



断頭台・半身
2020/03/20





×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -