積み上げられたがらくたの塔

いっこいっこ踏み潰して
ぜんぶダメにするんだ

積み上げられた僕の塔

頂上でもの思う僕は
姫様にでもなりたかったのかよ

積み上げられたなにかの塔

僕は何度もやりなおして
たくさんの人たちにハグされて

積み上げられた僕たちの塔

僕はひとつひとつ大切に下りていって
やっと足を地につけて

積み上げられたがらくたの塔


見上げた

僕のぜんぶが僕だった
いかりと後悔とかなしみと孤独と憎しみと愛が

積み上げられた僕の塔

ひとしずくの雨で
くずれていく

積み上げられたがらくたの塔

いつのまにか僕は
涙がにじむくらい笑い声をあげて

うつくしい波間を泳いでいる



積み上げられたがらくたの塔
2020/03/12





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