またきみの夢をみた
きみは心臓の音のように規則的で
わたしはずっと迷い子だった気がするのに
進む道はまっすぐだった

どうしてきみがここにいることが
こんなに泣けてくるのか
幸せのなかにすべての気持ちがあって
対極にある二つのものが
すべてをかたちづくる神さまだって
わかっているよ

道の先がみえないと
おびえつづけた日々に
終止符を打つような日の光
きみの手をてさぐりで握りつづけた弱さが
今のわたしの強さに繋がっていた

車窓の景色を眺めながら
息を長くゆっくり吐きつづける
どこにもいけない身体が
どこにでもいける心に連れられて
世界を一周した

きみはどこにもいなかったのに
数えられないほど小さな瞬間ごとに
きみに出会いつづけた

ぼくはここにいる
ぼくはここにいる
きみと手を繋げなくとも幸せ
なぜならぼくはここにいる
ぼくはここにいるからだ
探し惑うきみのなかにも
ぼくがいる
わたしのなかに
きみがいる

わたしには永遠がある
変化という不変がある
怖いという心がある
そしてその本質を理解するための心が

振り返ると道がみえる
あんなにも寄り道ばかりして
逃げては悔やんだはずの道が
こんなにもまっすぐだなんて
ぜんぶきみのおかげだ



生きてきた
2020/02/21





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