孤独という石を打つ なぜか暗闇でひとりきりのほうがよく光る 孤独という石を打つ 洞窟を出ると日の光が反射して見えなくなる 孤独という石を打つ 鉄を打つように熱く懸命に 孤独という石を打つ 口を閉してもあふるる熱なら私もある 孤独という石を打つ 刃を磨くのではない ただ生きること 孤独という石を打つ したたかであるために脆くはかなくあれ 孤独という石を打つ 情をもって情で切る 孤独という石を打つ 水に沈むよな重さで風を切る 孤独という石を打つ やがて小さな切なさ芽生え 孤独という石を打つ その名を変えてだれかを愛す 孤独という石を打つ すべて満たされ愛のさなかも その切なさを忘れぬ強さ それが本当の孤独というもの 孤独という石を打て おまえの石を手放すな 孤独という石を打つ 2019/12/17 ← → |