母は言っていたっけな
強く現実を生きなさいと
祖母は言っていたっけな
毎日神様にあなたのことをお祈りしていると

彼らは
私の知らない地獄を生きている

手紙のかわりのメッセージをスマートフォンで送って
時差も文化も季節も違う場所で
私たちは生きている

時間は距離だ
距離は空間だ
空間は流れていて
流れは端をもたず
私たちのなかにもあるよ

違う地獄を生きたのに
同じ夢を見ている
別の道をたどりながら
最後には手を差し合うんじゃない?

泣き疲れたこどもがハグを求めてくる
それにわたしは応えるだけでいい
あなたもそう
わたしは泣き疲れたあなたに寄り添い
あなたもあのとき
泣き疲れたわたしをハグしたね

いまどれだけ痛みをかぞえても
地獄の業火にいくつ胸をやかれても
生き疲れたからだは溶けて
最後には



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2019/08/15





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