私は私のまわりにあるものにふれることができない
だから手さぐりで
くうをかくけど

息がきれそうになる
ここは空の上みたいで
風もない
君は星になったの

たぶん確かになにかがそこにある
私はあなたにふれようとするけど
腕をどれだけのばしても
足をどれだけぴんと張っても
なにもない
あなたの額はまだない
頬も鼻も唇も
私はいつキスできる?

どうかどうせなら
息をさえぎって
海のなかでもがくように
苦しみさえ手応えになるなら
それがいい
それがいい
そのほうがいい……

私は私のまわりにあるものにふれることができない
それでも愛しさに負けそうになる
愛しさは押し潰すような
押し潰すような
かけがえのない苦しみ……

腕をどれだけのばしても
足をどれだけぴんと張っても
あなたの額はまだない
あなたの頬も鼻も唇も
私はいつキスできる?
私はいつキスできる?

それでも諦めない
泳ぎ続ける
この空を

いつかキスするあなたに
永遠のその先にいるとしても
私はいつかキスする
いつかキスする
あなたに



キスする
2019/04/11





×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -