この世はおじゃんだ
とうたったな
おまえの嘆きも
いとしかったな
おそれるほどに
夜はうつくしかった
目を焼く朝日も
ほんとうはやさしかったこと
思い悩む時間があるほど
死にたくなったよな
思考の罠にはまったのだ
それでもおまえは
しぜんに起きあがった
無意味なものほど
かぞえてみよう
理屈を並べるよりも
意味もなく生きてみたい
それでこそ
おまえだ

さあ今夜も酒をのもう
この人生に酔い痴れて
恥もなくうたおう
月が大きく
おまえは見あげる
わたしも見あげる
あの雲にはついぞ届かなかったけれど
もっとよいものを見つけた!
わたしも知っている
わたしを見るおまえの目がなにもかもを教えてくれる
その目がしずかに泣くとき
ああ
世界はこんなにもすばらしかっただろうかと
わたしも泣くよ

今夜も



今夜もまた
2019/02/19





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